Trans Euro Nacht(トランス ユーロ ナイト 略称・TEN)とは、1971年から1995年にかけて、中央ヨーロッパに存在した国際的な寝台車プール(ブランド)である。日本ではヨーロッパ寝台車プール機構などと訳される。
概要
それまで、国際寝台車会社(CIWL)とミトローパ(DSG)によって欧州の夜行列車は運行されてきたが、CIWLは1971年に保有の鉄道車両を売却し、鉄道事業から撤退した。その先に売却された寝台車両をプールしたものがTENである。TENでは、保有の車両を各国の鉄道会社に貸出すことで利益を上げ、鉄道会社は保有コストを掛けずに寝台車両を利用することができるシステムであった。
多くの車両は紺一色の塗装であったが、ドイツでは1980年代半ばまではDSG時代からの象牙色の屋根を持つ臙脂色の塗装であった。
車両のデザインは、窓の下に白いストライプがあり、窓の上とフロアレベルの上に細かい白い縁取りが施されていた。白いストライプの下には、略語 "TEN"と "Trans Euro Night"(ドイツ語/オランダ語)、 "Trans Euro Notte"(イタリア語)または "Trans Euro Nuit"(フランス語)というロゴが配されていた。
その後、1995年にTENが解散し各鉄道会社で寝台車を保有するようになり、前後してユーロナイトやシティーナイトラインが欧州での夜行寝台列車を担うようになった。
最終更新:2018年03月03日 11:38