BR Class 20(イギリス国鉄 クラス20)は、1957年から1968年にかけて228両が製造された本線用電気式ディーゼル機関車である。イングリッシュエレクトリックタイプ1としてもしられる。愛称は"チョッパー"(Choppers)。
基本情報 |
運用者 |
イギリス国鉄 HNRC ダイレクトレールサービス ユーロスター レールフレイト |
製造所 |
イングリッシュエレクトリック・クルー工場 ロバートスティーブンソンアンドホーソーン |
形式 |
Class 20 |
車両番号 |
原番号 D8000~D8199 D8300~D8327 TOPS改番後 20 001~20 228 20 301~20 314 20 901~20 906 |
製造年 |
1957~1962年 1965~1968年 |
製造数 |
228両 |
性能諸元 |
軸配置 |
UIC:Bo'Bo' 日本式:BB |
軌間 |
1,435mm |
全長 |
46ft 9 1⁄4in (14,256mmm) |
全幅 |
8ft 9in (2,670mm) |
全高 |
12ft 7 5⁄8in (3,851mm) |
機関車重量 |
73t (72lt/80st) |
固定軸距 |
8ft 6in |
台車間距離 |
24ft |
車輪径 |
3ft 7in (1,092mm) |
軸重 |
18.25t |
軸重クラス |
RA 5 |
燃料搭載量 |
380英ガロン(1,700L) |
動力伝達方式 |
電気式 |
機関 |
イングリッシュエレクトリック 8 S.V.T. Mk.II (V型8気筒・4ストローク) |
機関出力 |
1,000hp (1,014 PS,746kW) |
発電機 |
イングリッシュエレクトリック E.E. 819/3C |
主電動機 |
イングリッシュエレクトリック E.E. 526/5D (~D8049) E.E. 526/8D (D8050~) |
歯車比 |
63:17(3.71) |
駆動装置 |
釣り掛け式 |
保安装置 |
AWS |
最高運転速度 |
75mph (121km/h) |
最大引張力 |
42,000lbf (19,028kg,186.8 kN) |
MU ワーキング記号 |
青星印 |
暖房装置 |
無し |
概要
Class 20は軽貨物用としてイングリッシュエレクトリック・クルー工場およびロバートスティーブンソンアンドホーソーンで製造された電気式
ディーゼル機関車である。そのため客車への暖房設備は蒸気・電気を含めて設置されていない。1957年から1962年にかけて、D800~D8127(20 001~20 128)の128両が製造され、ロンドン近郊、イースタン・ミッドランド地区、スコットランドに配置され運用された。野心的な設計をせず非常に基本的な技術で作られた機関車であったことから初期のグループのなかでは突出して堅実で信頼性が高く、他の初期のグループ機関車の同じような出力をもった設計の失敗した機関車を補完するために1965年から1968年にかけて更にD8128~D8199・D8300~D8327(20 129~20 228)の100両が追加製造され、比較的初期の機関車としては珍しく総勢228両の大グループとなった。MUワーキング記号が示すように重連総括制御ができることから、一部の車両にはMGR石炭列車の荷役で使われる低速制御装置が設置され、3重連で石炭貨物などの重貨物もこなしていた。Class 20はディーゼル機関車の中でも古い部類に入る、しかし現在でも保存鉄道だけではなく一部が現役として活躍している。
構造
車体
2エンド側正面から眺める
鋼鉄製である。運転室が第2エンド側に寄った特異な形をしている。ノーズ側は
蒸気機関車と同等程度の視界であるが、ディーゼル機関車としてはかなり悪く、ノーズ側を向かい合わせにし運転室が外方に来るように重連で使用されることがほとんどであった。各端には蒸気機関車に使用されるようなバタフライ型の円形の鉄板の標識板が設置されているが、追加製造された後期車からはテールライトの位置が変更され、標識板からヘッドコードボックスに変更されている。ヘッドライトの設置は無い。初期車でも衝突事故などにより修繕されたものは後期型のようなヘッドコードボックスを持つものに改造された車両もいた。
台車
2動軸の台車が2組あるオーソドックスなBo-Bo配置である。台車の構造も例に漏れず保守的で、枕ばねは重ね板バネ、軸箱支持方式はイコライザ式である。イングリッシュエレクトリック社製のE.E. 526/5D型モーターが釣り掛け式で設置されている。D8050(20 051)~はE.E. 526/8Dとなっている。ブレーキシリンダは軸毎に設置。他に砂箱も設置されている。
エンジン
車体中心部にイングリッシュエレクトリック製の8SVT Mk. IIを1機搭載する。排気量123555.52 ccのターボ付きの4ストロークV型8気筒ディーゼルエンジンで最大1000bhp(1014PS)の出力をもつ。
外部リンク
最終更新:2020年03月27日 16:46