オリエント急行

オリエント急行(おりえんときゅうこう,Orient Express,Express d'Orient)は、国際寝台車会社(ワゴン・リ社)によって運行されるヨーロッパを主に走行する豪華長距離夜行列車の総称。

歴史

1883年10月、ベルギーの国際寝台車会社が、アメリカのプルマン社の寝台車を参考にした車両を用い、パリ~イスタンブールで定期運行を開始。
二度の大戦による運行休止時期もあったが、第二次世界大戦までは、西ヨーロッパ・東ヨーロッパ・アジアを結ぶ列車として、貴族や外交官、裕福な旅行者に愛用された。
大戦後は、需要の低下からくる客離れで、大戦前のような豪華列車ではなくなった。
1971年には、国際寝台車会社が寝台車の営業から撤退、車両はヨーロッパ寝台車プールに引き継がれた。
1977年に、開業当初から走行していたパリ~イスタンブールの直通列車は廃止された。

その後は、スイスのインターフルーク社が「ノスタルジー・イスタンブール・オリエント急行」を1977年から運行を開始。
このノスタルジー・イスタンブール・オリエント急行は、このページのタイトルにある「オリエントエクスプレス'88」として海を渡り、日本を走行した。

他にもオリエント・エクスプレス・ホテルズ社により1982年から運行開始したベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス
フランスのアコーホテルズ傘下となった旧国際寝台車会社が保有するプルマン・オリエント急行(これは寝台車は無く昼行専用車)がある。
いずれも車両は旧国際寝台車会社の物の復元が多い。

その後もヨーロッパ内で、運行区間を縮小しながら定期運行を続けてきた列車だが、2009年12月に定期列車は廃止された。

現在、国際寝台車会社はカールソン・ワゴンリー・トラベルとなり、フランス・パリの同社によりプルマン・オリエント急行の名で貸切列車として運行している。
またオリエント急行の名前は豪華寝台特急の代名詞ともなり、その名を冠した列車が世界各地で登場している。

オリエントエクスプレス'88

1988年、フジテレビ開局30周年記念と、JR発足1周年記念のイベントとして計画、総額30億円と、各国各社の協力をオリエントエクスプレス'88が運行された。
日本を海外の車両が走るためには、車体の規格、軌間、連結器、ブレーキ、防火設備など課題はたくさんあった。

紆余曲折を経て1988年9月、パリのリヨン駅を発車した東京行きのオリエントエクスプレスは、ベルギー、ドイツ、東ドイツ、ポーランド、ロシア、中国、香港を経て、船で日本へと輸送された。
日本国内走行を施したのち約3ヶ月間、国内のツアーの急行列車として各地を走行。ツアーの料金は2泊3日で最大26万、日本一周ツアーに関しては88万と非常に高額にも関わらず抽選となる人気で話題となった。当時運行開始間もない寝台特急北斗星とも組み合わせたツアーも設定され、一番の人気を誇った。
大陸走行時は、各国の蒸気機関車が牽引を担当したこともあり、日本でも復元工事が行われていたD51 498が、復元後初牽引を担当した。

全ツアーを走破したオリエントエクスプレスは、国内走行設備を解除したのち、船で西ドイツのハンブルクへ輸送され、一大イベントの幕を閉じた。

編成表

※大陸横断時の編成
WLA YU スタッフ車 D 荷物車 WR プレジデンシャル WSP 食堂車 WSP 食堂車 ARP バー・サロン
WLA LX20 寝台車 WLA LX16 寝台車 WLA LX16 寝台車 VC シャワーカー WLA LX16 寝台車 WLA LX16 寝台車 WLA LX16 寝台車 WLA LX16 寝台車 WLA YU スタッフ車

外部リンク

最終更新:2017年03月16日 22:27