サザン・パシフィック鉄道 GS-4class

サザン・パシフィック鉄道GS-4class蒸気機関車サザン・パシフィックてつどうGS-4クラスじょうききかんしゃ、英語: Southern Pacific class GS-4)は、車軸配置4-8-4ノーザンの美しい大型流線形旅客用蒸気機関車。サザンパシフィック鉄道の誇る昼行特急列車、デイライト号のけん引で活躍した。ライマ・ロコモティブ・ワークスで1941年から1958年にかけて4430号から4457号まで生産された。
GSはGolden State(ゴールデン・ステート カリフォルニア州の愛称)の略で、活躍した土地であるカリフォルニア州のことを指す。"Golden State"は"General Service"(一般サービス)を意味する。GS-4はこのGSクラスの中の一つで、ほかにGS-1、GS-2、GS-3、GS-5、GS-6が存在する。GS-3とGS-4の外観上の違いはいくつかあるが、GS-4には前照灯が2つある。上の前照灯はマーズライトである。GS-4はサザン・パシフィック鉄道の高速旅客輸送用に設計され、コースト・デイライトなどの旅客列車に使用された。
基本情報
運用会社 サザンパシフィック鉄道
形式 GS-4
製造年 1941年
製造数 28
製造所 ライマロコモーティブワークス
番号 4430-4457
動態保存機 1
性能諸元
軸配置 4-8-4 Northen
軌間 1,435 mm
機関車重量 215t
動輪径 2,032mm
燃料 オイル
シリンダ数 2気筒外側
シリンダ 648mm×813mm
弁装置 ワルシャート式弁装置
ボイラ圧力 2.07MPa
最高速度 110mph(180km/h)
牽引力 288.21kN、ブースター使用時346.96kN

ゴールデンステートクラス

サザンパシフィック鉄道では、旅客用として1930年に4-8-2マウンテン型蒸気機関車を導入したものの、蒸気機関車の大型化と高速化の波をうけ、1937年にライマロコモーティブワークスにて4-8-4ノーザンのGS-1を製造した。その後、GS-2、GS-3、GS-4、GS-5とモデルチェンジを行った。GS-4はGS-3とほとんど変わらぬ外見を持っていたが、全天候型の運転席と、高圧シリンダーを持っている。GS-5では車軸にローラーベアリングを採用、GS-6では戦時下において旅客用機関車の生産制限がかけられていたためにGSをゼネラルサービスとして再登録し、貨客両用のGS-6を製造した。
これらのGS-4を含むゴールデンステートクラスはサザンパシフィック鉄道の代表として1958年まで活躍した。

システムと性能

GS-4は、4-8-4の蒸気機関車の中でもその姿とともに性能、機能面でも高い評価を得ている。80インチ(2,032mm)の大動輪を持ち、最高速度は110mph(180km/h)の高速走行性能と、改良された高圧シリンダーにより55mphで5500hpのパワーを発揮。また密閉型の運転台である密閉キャブをサザンパシフィック鉄道で初めて採用した。これはエンジニアたちに好評で、特に冬場の夜では彼らは密閉キャブに感謝した。機関車前方には通常のヘッドライトのほかにマーズライトを備えている。マーズライトはマーズシグナルライトカンパニーによって製造されたモーター駆動の信号ビームで、上下左右8の字(∞)にライトが動くことで周囲へ注意を喚起した。またこのマーズライトは通常のヘッドライトが故障した際にヘッドライトの代わりとして使用することができた。
運転台内部はすべての機器が見やすく、乗務員のすぐ指先に配置され、すべてのバルブ、計器類、レバーには機能を識別する銘板がつけられる合理的で親切な設計となってある。キャブのインテリアは緑色で塗られ、火室、配管、バルブは黒色で塗装されている。キャブの屋根にはスライド式のアクセスドアがり、上から自然光を取り入れられるようになっている。

世界一美しい列車デイライト号


GS-4とデイライト客車
GS-4はサザンパシフィック鉄道の誇る昼行列車、デイライト号のけん引に使われた。ロサンゼルスとサンフランシスコを結ぶデイライト号は、流線形の機関車と流れるような客車、そして編成全体を彩るオレンジ色の車体は世界一美しい列車とよばれ、その姿は鉄道の歴史において輝き続ける西海岸の宝石であった。

戦時下と引退、その後

太平洋戦争が激化すると、戦時下の灯火規制が行われ目立つデイライト号のGS-4は一部が黒色一色に塗り替えられた。
戦争が終わるとデイライト塗装に復活し、最後のデイライト号けん引を行った。戦後仕様はテンダー部分に大きくSOUTHERN PACIFICの文字が描かれている。デイライトから引退後は黒色の塗装になりサンフランシスコ地区(現在のCaltrain)の通勤列車をけん引した。ディーゼル機関車の登場によりこれらも1958年に引退することとなた。
1971年、アメリカ建国200周年記念のアメリカンフリーダムトレインけん引機として4449号機が動態保存車として復活した。当初はオレゴン州ポートランドのオークス公園に保存されていたが、1975年に動態復元され、同年8月から1976年12月までアメリカ合衆国建国200周年の祝賀行事でアメリカン・フリーダム・トレインとして運行された。当初は赤青白の星条旗を模した塗装であったが、アメリカンフリーダムトレインのけん引を終えるとオレンジの鮮やかなデイライト塗装へとなった。現在オレゴン州のポートランドで補完されており、イベント運転で本線を走行する。
4449号機は2008年現在も保存されている。現存するGS-4形式は当機が唯一で、それ以外の車両は用途廃止後、全て廃棄処分されている。

模型について

KATO USAおよびCON CORから製品化されている。kATO製はアナログDCでも純正でマーズライトが点滅するギミックが備わっている。CON COR製には戦時中の黒色塗装が製品化されている。
メーカ名 品番 製品名 軌間 縮尺 電源 購入場所・サイト 状態 金額
KATO USA 9mm 1/160 12V DC
KATO USA SP 4453モーニングデイライト 9mm 1/160 12V DC
KATO USA SP 4431ブラック/シルバー/グラファイト 9mm 1/160 12V DC

関連項目


外部リンク

最終更新:2019年01月27日 22:15