Re:member

さて由美の連絡から1時間後。予告通り、彼女は現れた。
…泣きはらした表情の佐々木さんと、落ち込んだ表情のマギーを連れて。
…マギーを何で連れてきたのか聞いてみたが、「彼女とは後から話す事があるのよ。」との事。
うぉ。修羅場フラグっすか!?しかし、由美はテキパキと浴室にお湯を張り、とりあう様子は無い。
ちなみに大尉殿は既にKOされている。…イスの一撃で昏倒させるなんて、鬼だな従姉殿。

そして、さらに1時間後には二人とも入浴を済ませ、生まれたままの姿で向き合っていた。…ゴムは付けてるが。
復活した大尉と佐々木さん、加えてマギーは正座して俺達の一挙手一投足を見つめている。
「じゃ、やるわよ。」
由美の腕が俺の首に回る。互いに舌を絡ませ合うキス。彼女とは幼稚園の時にふざけてキスしたくらいはあったが…、大人のキスは初めてだ。
お互い唾液の交換をしながら、背中、髪の毛を問わず撫でまわす。
俺の胸に押しつぶされている、由美の乳房。
「ふふ。胸、触りたいの?いいわよ。」
微笑みながら、仰向けに横たわる由美。彼女の上に馬乗りになりながら、豊かな胸元に手を伸ばす。
…柔らかい。確かに敬一がおっぱい星人になる訳だ。乳首に口を寄せ、胸の谷間に顔を埋める。
「もぅ。胸だけじゃ寂しいじゃない…。」
空いていた左手を、由美の右手が握る。そして俺の頭を由美の右腕が包み込む。
「あなたを抱きしめるなんて、いつ以来かしらね?」
「…いつ以来だったろうな?」
ガキの頃、凹んだ時、泣きそうな時、今と同じように頭を抱いてくれた。
俺にとって姉代わりだった彼女は理不尽な『命令』を下す事も多々あったが、それでも凄く優しかった。そして俺は幼心に彼女の事が大好きだった。
ただ、彼女は見ての通り魅力的な女である。俺の手は彼女には届かない…。ずっとそう考えていた。
しかし今、彼女の胸の位置から彼女の顔を見つめると、俺に柔らかい笑顔を返してくれる。
愛おしくなって、再び口づけを交わす。軽く彼女の秘部を探ってみると、しっとりと濡れている。

「そろそろ良いか?…敬一、出番だ。」
「ああ。邪魔する。」
そして敬一が中に飛び込んできた訳だが、俺自身に特に変化は無い。
{そっちに異常はないか?}
コイツは…。敬一からの呼びかけか?今までは外から聞こえた声を耳で捉えていた感じだが、内側から響いてくる感じだな。まぁ問題はないな。
{了解。…貴様が感じた事、考えた事は筒抜けのようだな。}
なるほど。で、感覚も共有できるってわけだな?

「さて、準備いいかしら?」
由美と佐々木さんの方も万全のようだ。潤んだ瞳が俺を見つめている。
「じゃ、行くぞ。」

そして俺の息子が彼女の中に飲み込まれていく。…暖かい。しかし思ったより狭いもんなんだな…。
やがて思ったよりも浅い位置で、俺の息子の進行は止まる。
「もっと奥よ。思いっきり押し込んでいいから…。」
「え?」
「膜みたいなのあるでしょ?押し破って。」
「ま、まさか由美…。」
「いいから!気合入れて来なさいよ!」
請われるままに腰を進める。何かを引き裂く感触。何かをこらえるうめき声。由美の瞳からこぼれ落ちる涙。
…コイツが泣いてるの、初めて見たな。
{何をしている。彼女も大事な女性なんだろ?涙くらい拭いてやれ。}
大尉の指示が来る。…敬一の言う通りだな。
こぼれ落ちた雫をキスですくい取ってやると、驚いた表情を俺に向けている。
「和也。あなた、妙にキザなことするのね…。」
「…悪いかよ。」
照れ隠しに耳たぶを甘噛みしてやる。
「ひゃん!」
お、良い声で鳴く。…もしかして、弱いのか?
{耳たぶ、胸を攻撃しつつ、ピストン運動を継続せよ。} …大尉。あんた実戦経験無い割に、ホント立案能力凄いな。
{その為の幹部教育、そして訓練と演習があるのだ。} あー。そうだな。
そうこうしている内に、ビクリと大きく由美が痙攣する。…軽くいったのか?
{しかし貴様はまだだな。任務を達成せよ。}ああ、了解。
由美の中を往復している内に、やがて高まる射精感。…そして、放たれる精。
やがて疲労感に包まれた俺の中から、さらに何かが出ていく感覚。
敬一が本懐を果たした訳だからな…。今度こそサヨナラだ。
{今まで本当に世話になったな、和也。}
全くだ。改めて言うが、さっさと成仏しろ。あと、本当にこれ以上佐々木さんを泣かすな。
{了解した。…ではさらばだ。貴様にも弥栄(いやさか)あれ。}

由美の方でも別れが済んだのか、また涙ぐんでいる。俺、さらにはマギーが慰めると、さらに声を張り上げて泣いている。
…コイツ、面倒見のいい姉御肌だからな。妹と今生の別れをしてるようなものだろう。

「さて、私の処女を奪ったんだから責任取ってくれるよね?」
さて、泣きやんだ由美の爆弾発言です。修羅場フラグの回収始りました。とりあえずガクブルしときます。
「…冗談だろ?」
「冗談やボランティアで処女あげられる程安っぽい女じゃないわよ、私。」
何だよこれ…。初恋こそ叶うが、現在進行形で進んでいた恋の方は死ぬわけか…。
しかし、肉体関係を結んでしまった以上、仕方ない。…ごめん、マギー。ちゃんと交際できる立場になった訳じゃないけど。

…ふと由美の方に顔を向けると、妙に楽しげな表情を浮かべてる。
で、対象的にマギーの方は真っ赤な顔をしているが…。…いままで俺達の性行為を見ていた事が原因…って訳でもなさそうだが。
とりあえず、修羅場という程空気は重くない。
「心配しなくて良いわよ。あなたが私と本気で付き合う覚悟があるなら、セットでマギーも付いてるわよ。」
「はい?」
「だって私、在学中にマギーと決闘して勝ったからね。…飲み比べだったからちょろいもんだったわ。で、彼女は私のモノで、絶対服従なの。」
あー。男相手では無敵だったマギーだが、由美相手には既に陥落されてた訳ですな。
「ごめんなさい、カズヤ…。私、もう奇麗な身体じゃないんです。」
赤らんでいた顔が、次第に悲しみの表情へと変わっていく。…いや。俺はどんなリアクションとれば良いの?
「大げさねぇ。女どうしのキスならノーカウントだし、処女膜だって破ってないわよ。…和也にあげたかったんでしょ?大丈夫よ。ね?」
優しくマギーの髪をなでる従姉殿。…あーと。貴女方、そんな関係だったのですね。…由美がタチでマギーがネコなのか?
「………はい。カズヤ…。こんな私ですが、愛して下さいますか?」

えーと。これなんてエロゲ? とりあえず、翌朝の太陽も黄色かった。ともかく、幽霊に振り回される日々は別れを告げ、代わりに二人の恋人に振り回される日々が幕を開けた。
大尉。俺は結構元気にやっている。そっちはどうだ?

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ある日大学構内をふらついていると、白い影のようなものを目撃しちまった。…気のせいだよな?直立不動で敬礼してる様に見えるのは。
「あ、あなたは! 柏木和也殿とお見受けします!自分は酒井茂雄飛行兵曹長であります!ぜひ、あなたにお願いしたい事が!!」
うん。一難去ってまた一難。

新ジャンル「【妖怪】人間以外の男の子とのお話 おまけ【幽霊】 Hero's Come Back!!」

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最終更新:2008年04月27日 16:32
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