一方、青山宅の春香さんと貴子さん。
「……ルカさんも…なの?」
「……バレちゃった?」
「……見てれば判る。」
春香の一言によって真意を引きずり出された貴子…。
もっとも、そんな彼女とて春香の胸の内など容易に読めている。
そして、ため息を一つ吐いて、改めて己が心情を語り始めたルカ。
「……私だけのハル…だったんだけどなぁ。…生まれた時から今まで、ずっと傍に居てくれた男の子。
でもさ、ハルって結構モテるでしょ?それで、最近ハル分が不足してる感じ。…今日も夕圭ちゃんにとられちゃったし…。
…おまけに貴子ちゃんが来るようになってから、妹ポジションまで取られかねない勢いだしさ。」
そんなルカを元気付けるように、彼女の手を握り、瞳を見つめながら語りかける貴子。
「……いいえ。春樹さんはルカさんだけのお兄さん。」
思わず見つめ返すルカ。
「………貴子ちゃん。」
ここまでにすれば、実に麗しい女同士の
友情物語…。…しかし。
「…そして、春樹さんは私の未来の旦那さま(///)。…未来の義姉妹ということで、これからも仲良くして下さい(///)」
「…………」
頬を染め、うっとりした表情を浮かべて爆弾を投下する貴子。
ちょっぴりイラっときた春香は無言で拳を叩き込む。…ピンポイントにたんこぶを狙って。
「…はぅ。」
相当ダメージが残っていたのか、あっさりと昏倒する貴子を尻目に、嘯く春香。
「貴子ちゃん…。候補者は他にも居るから競争が激しいことをしっかり覚悟した方が良いよ~?
…それに私も、今まで通りハルの傍から離れるつもりはないしね。」
最終更新:2008年07月14日 22:45