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――混沌の空間の水晶の中で“少女”は叫ぶ。

 

 愛したい・・・愛されたい・・・。
 そうすることで、私は生きることができる・・・。

 生きたいから愛したいのじゃない・・・
 愛しているから生きているの・・・

 存在したいから愛されたいのじゃない・・・
 愛されているから存在しているの・・・

 想い、想われることで、“私”は定位されるのだから・・・。

 もし、この世界に私が私ひとりで、誰も想わず、誰にも想われぬのなら、
 何も見ず、何者にも見られぬ私は、世界のどこにも居ないに同じ・・・。

 愛が私( I )を私(アイ)にしてくれるの・・・。

 

 だから私は、愛したい・・・愛されたい・・・。


 

 ううん・・・。本当は、そんな理屈(こと)どうだって良い・・・。

 私は、ただ、愛したい・・・愛されたい・・・。

 埋まらぬ欠如(あな)を埋めるため・・・

 女の抱えた性(ほんのう)のままに・・・・・・。

 

――それは、“黄金の炎(きぼう)”との出会いの前の、孤独な渇きの叫び。


――少年の胸の奥底で“少女”は叫ぶ。

 

 私の想いは、貴方に否定された・・・。
 貴方の想いは、私以外の女性(ひと)に向けられていた・・・。

 手にすることの叶わなかった二人の世界・・・・・・。

 だけど貴方は、私の欠如(ねがい)を理解してくれた・・・。
 だから私は、貴方の拒絶(やいば)を受容した・・・。

 届かないままの、ほんの小さな重なり合い。
 だから私は、ここにいる。

 

 私は、アイ。
 アイ=アム=ユアーズ。

 貴方という世界に永遠に息づく、貴方のI(あい)。

 

 やっと帰ってこれたよ・・・。

 

――それは、“黄金の炎(せかい)”への帰還を果たした、小さな歓喜の叫び。

-end-

最終更新:2011年10月11日 15:08