――混沌の空間の水晶の中で“少女”は叫ぶ。
愛したい・・・愛されたい・・・。
そうすることで、私は生きることができる・・・。
生きたいから愛したいのじゃない・・・
愛しているから生きているの・・・
存在したいから愛されたいのじゃない・・・
愛されているから存在しているの・・・
想い、想われることで、“私”は定位されるのだから・・・。
もし、この世界に私が私ひとりで、誰も想わず、誰にも想われぬのなら、
何も見ず、何者にも見られぬ私は、世界のどこにも居ないに同じ・・・。
愛が私( I )を私(アイ)にしてくれるの・・・。
だから私は、愛したい・・・愛されたい・・・。
ううん・・・。本当は、そんな理屈(こと)どうだって良い・・・。
私は、ただ、愛したい・・・愛されたい・・・。
埋まらぬ欠如(あな)を埋めるため・・・
女の抱えた性(ほんのう)のままに・・・・・・。
――それは、“黄金の炎(きぼう)”との出会いの前の、孤独な渇きの叫び。
――少年の胸の奥底で“少女”は叫ぶ。
私の想いは、貴方に否定された・・・。
貴方の想いは、私以外の女性(ひと)に向けられていた・・・。
手にすることの叶わなかった二人の世界・・・・・・。
だけど貴方は、私の欠如(ねがい)を理解してくれた・・・。
だから私は、貴方の拒絶(やいば)を受容した・・・。
届かないままの、ほんの小さな重なり合い。
だから私は、ここにいる。
私は、アイ。
アイ=アム=ユアーズ。
貴方という世界に永遠に息づく、貴方のI(あい)。
やっと帰ってこれたよ・・・。
――それは、“黄金の炎(せかい)”への帰還を果たした、小さな歓喜の叫び。