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第7話:『奇妙な噂』

 

◎あらすじ:

 アベルのダスク化に意気消沈するクロエを励まそうと、ひとり十二聖石(セイクリッド・ジェム)の情報を探し求める凱斗。彼はそこで、この樹木の世界(ウッドワールド)に創造主セシリア=ベルモントでさえ知らない十一番目の領域(リージョン)があるとの噂を聞く。十二聖石との関わりも噂されるその領域を求める凱斗。彼はやがて“吹き溜まりの世界”と呼ばれる空間へと辿り着く。
 その世界で“蝕(イクリプス)”と呼ばれる、力なき故に願いを叶えられなかった無念の魂たちと出会う凱斗。彼らとの交わりの中で、彼らの願いに触れ、そして己の未熟と挫折を味わっていく…。
 吹き溜まりの世界での冒険を終え、凱斗の胸に残されたのは、無力感と心の傷、そして蝕たちの願い(パス)であった……。


○オープニングフェイズ:

▼ダスクフレアの暗躍
 樹木の世界(ウッドワールド)の領域(リージョン)と領域の間に広がる混沌の海。そこに不思議な空間があった。そこは、叶わぬ願いを抱えたまま命を落とし、無念故に輪廻転生の輪から外れてしまった魂が集まってくる“吹き溜まりの空間”とでも呼ぶべき場所。
 一体の巨大な夕闇が、その空間の存在を目に止める。そして、愉快そうに嘲笑(わら)いながら、空間に吹き溜まった魂たちに声を掛ける。
「お前たちに願いを叶える力を与えてやろう」
 …と。
 それに応え、いくつかの魂が姿を現す。夕闇は彼等を受け入れ、邪悪な欲望を満たすための暗躍を開始する……。

▼噂を耳にする凱斗
  セント・アゴラでの戦いを終え、凱斗の姿はオリジン領域はクロリドの町にあった。最愛の弟をダスク化させてしまったクロエは、自室に引きこもったまま姿を見せず、凱斗はそんな彼女のために、せめて十二聖石(セイクリッド・ジェム)の情報を集めようと動き出す。
 そんな中、凱斗は町中で奇妙な噂を耳にする。それは、この樹木の世界のどこかに、セント・アゴラの領域主(ロード)であるセシリア=ベルモントでさえ知らない“十一番目の領域”が存在するというものだ。
 その奇妙な噂が、凱斗を激動の冒険へと駆り立てることになる……。
 


○ミドルフェイズ:

▼情報収集
 十一番目の領域について情報収集をはじめる凱斗。
 やがて、その領域に十二聖石のひとつが関わっていること、オリジン領域のとある場所にある小さな祠に『日蝕の石』とよばれる黒い石があり、それを太陽に重ねるように天にかざすことで吹き溜まりの世界に行くことができることなどが判明する。
 情報を集め、件の祠へと向かう凱斗。そこで彼は、自分に呼びかけるか細い少女の声を耳にする。
「こっちへ来て・・・。私をここから出して・・・」
 その声に急き立てられるように、凱斗は祠から『日蝕の石』を取り出し、ピッタリと太陽に重なるようにそれを天にかざす。
 石の持つ不思議な力が働き、凱斗は吹き溜まりの世界へと転移する……。

▼アイとの出会い
 『日蝕の石』で凱斗が転移した先。そこはひたすら真っ黒い景色が広がる、何もない空間であった…。
 そこで再び自分を呼ぶ少女の声を耳にする凱斗。呼ばれるままに声の方へと向かうと、巨大な薄紫色の水晶の中に眠る一人の美しい少女を発見する。
 マーキュリーを使い、水晶を破壊する凱斗。高い音と共に水晶が割れ、少女がその中から救出される。
 目覚めた少女は、アイと名乗る。彼女は、この吹き溜まりの世界の住人・“蝕(イクリプス)”であり、彼女たち蝕は強い願いを持ちながら力なき故にそれを叶えられず無念に散った魂であるとのこと。
 アイの身体は幽霊のように透き通っており、凱斗と握手することさえ叶わない。アイは吹き溜まりの世界から外に出ることを望んでおり、そのためには強いフレアを得て身体を実体化させる必要があるという…。
 儚げな少女の様子に、「キミのことは僕が護る」と誓う凱斗。少年の言葉に、少女は嬉しそうに顔を綻ばせ、二人で一緒に十二聖石を探すことになる……。

▼ハヤトとの戦い
 吹き溜まりの世界を歩いて回る凱斗とアイ。この世界は、中心に巨大な禍々しい“渦”があり、さらにそれを取り囲む内層域と外層域に分かれた、3層の構造をしている。
 “渦”にただならぬ危険を感じた二人は、とりあえず“渦”は避けて、外層域で他の蝕(イクリプス)たちから情報を集めようと試みる。しかし、出会った蝕たちは、何れもまともに言葉を交わすことすら叶わない虚ろな亡者たちばかりであり、情報らしい情報は一向に集まらない。
 仕方なしに外層域での情報収集を諦め、内層域への足を踏み入れる凱斗とアイ。その二人の前に、一人の蝕の少年が現れる。はっきりと言葉を交わせるほどに強い意志を持った蝕の少年は、カシワギ・ハヤトと名乗り、凱斗に問いを投げ掛ける。
「誰かを護るとは何か?」
「そのために知人とも戦えるか?」
 そしてハヤトは、戦いを通して凱斗にその答えを求める。「答えられればキミの勝ち」「答えを見つける前に僕が倒れればキミの負け」そう言うと、ハヤトは、ビル程もある超巨大なマーキュリーを召喚し、MTを駆ってそれを凱斗に振るう。
 ハヤトを相手に全力で応戦する凱斗…。その力はハヤトのそれを一歩ずつ確実に上回る。
 しかし、ハヤトを十分に納得させられるだけの“答え”を凱斗は示し得ない…。さらに、ハヤトに「誰を護るために戦うのか?」と問われ、アイの前で「クロエ・A・ハイゼンシュタットのためだ!」と答えてしまう…。
(GM・PL全員でのジャッジの結果、凱斗は答えを見つけられなかったと裁定)
 凱斗の最後の一太刀に、ハヤトの巨大なMTは沈み、答えを出せぬままハヤトを倒してしまった凱斗は敗北する…。ハヤトの身体は黒い炎に包まれて、“渦”の方へと飛んでいき、凱斗の胸には薄紫色の石の欠片が埋め込まれる……。

▼アイの助言
 ハヤトが去り、取り残された二人の前に、一人のダスクフレアが現れる(オープニングの奴)。ダスクフレアは、凱斗の失敗を楽しそうに嘲笑い、戦う理由の揺らぎがちな凱斗を指摘する。さらに、アイや名もなき蝕(イクリプス)たちを護ろうとする凱斗に、「ソイツもお前を利用しているだけかもしれないぞ?」と揺さぶりをかける。
 それに対し、なおも護ろうとする意志を示し続ける凱斗。しかし、彼の背後では、アイがその身体を、出会った時よりもさらに薄く透き通らせていた。
 彼女は、凱斗からフレアをもらうことで、その身体を実体化させようとしていた。アイを護ろうとする凱斗の意志は、彼女にフレアを与える鍵となり、彼女を実体化への導く。逆に、凱斗がクロエに想いを向ければ、アイへのフレアの供給は絶たれ、アイの身体はどんどん実体を失ってしまう…。一度は護ると誓った少女の前で、別の女性を護るために戦うと宣言したことが、アイをここまで追い詰めてしまったのだ……。
 アイの言葉からそれを知った凱斗は、今度こそアイを護るために戦うことを誓う。
 その誓いを聞いたアイは、嬉しそうに頬を赤らめ、凱斗への想いを深めるとともに、その身体をこれまでより強く実体化させるのであった……。
 立ち直ったアイは、凱斗に、ハヤトからの問いに対する助言を与える。
「誰かを護るために知人を傷つけるのは罪」
「私達のように力なき者は、自分を護る者にその罪を犯させる存在」
「護るという行動が、護るべき対象から危機を遠ざけるために行われるなら、護る行動の罪は護られる私達に原因がある」
「貴方が私を護るために罪を犯したなら、私は貴方の隣に立って貴方の犯した罪を背負うことで、貴方を罪から護る」
 それは、護られる弱き側からの精一杯の守護の言葉であり、彼女の直向きな願いが隠された言葉でもあった。
 その言葉を受け、凱斗は罪を犯してでも、大切なものを護ることを固く誓う。凱斗の誓いにアイは喜び、凱斗を強く抱きしめるのであった……。

▼芦川との戦い
 強く抱き合う凱斗とアイ。その背後に迫る影があった。現れたのは顔にひげを生やしたフォーリナーの男。男の放った一撃を、凱斗はアイを抱えたまま回避する。
 攻撃をかわした凱斗に、現れた男…芦川は、自らの辿ってきた壮絶な戦いを語る。14歳でオリジンに召喚された彼は、故郷に帰る術すら見つからぬままずっと戦場に身を置き続け、その心を荒ませていた。
 そして芦川は、凱斗に戦いを挑む。
 単純な戦闘力では凱斗が遥かに芦川を上回る。だが、芦川は洗練された戦術で、実力で勝る凱斗を相手に互角以上の戦いを演じる。[装着者]の高い防御力で凱斗の攻撃を凌ぎ、《※エロアイオス》でダメージを跳ね返し、必殺の拳で追撃して《不死鳥の炎》を使わせ、さらに《※空白の時間》まで消費させる。
 そして、《※フレアバースト》からの一撃に、渾身のフレアを込める。拳を滾らせながら、芦川は凱斗に降伏を迫る。戦いは芦川の優位に進み、《不死鳥の炎》も使い切った凱斗には、あと一撃で即死するほどの生命力しか残されていない。生殺与奪の権を握った芦川は、凱斗に最後の考慮の時を与えたのだ。
 だが、背後にアイを匿った凱斗は、そこで降伏する道を選べない。なおも戦いの続行を告げ、そして芦川の渾身の拳を回避する。
 勝機を失った芦川は、自力で勝る凱斗に押し返され、倒れる…。これにより、ダスクフレアの力を求める彼の願いは潰えることと成る…。
(ここで、芦川の求める「納得のいく答え」を凱斗が出せたかどうかについて、GMとPL全員でジャッジ。答えは出せなかったと裁定される)
 無念のまま倒れた芦川。その身体は塵と成って消えていく…。だが、その時、凱斗の胸に薄紫色の石の欠片が埋め込まれる。それは、芦川が遺した願いの残滓であった……。

▼煽るダスクフレア
 芦川を倒した凱斗の前に、再びダスクフレアが現れる。
(アイは、前のシーンで、ダスクフレアの手により強制的に退場させられており、この場におらず)
 ダスクフレアは、凱斗の2度目の失敗をなじり、愉しそうに嘲笑(わら)う。芦川は凱斗に倒されて無念のまま散って行った。凱斗は蝕(イクリプス)たちを護ると言いながら、実際にはその蝕である芦川を殺してしまったのだ。だから愉しくてたまらない。
 なじり煽り続けるダスクフレアに怒りを膨らませる凱斗。だが、怒れば怒るほどに、その言葉は正当性を失ってしまう…。
 そこに戻ってくるアイ。アイは凱斗に再び助言を与える。
「貴方は罪を犯してでも護る覚悟を示した。でも、その覚悟は、護る罪を“感じた”上での覚悟でなくてはだめ」
「その場限りの反発心に囚われてはだめ。貴方が護るために戦うなら、敵よりも先に、護るべき私を見て」
 それは、その場の感情から行動の軸をブレさせてしまいがちな凱斗への精一杯の導き。そしてアイは、なおも凱斗を煽り続けるダスクフレアを無視して、吹き溜まりの世界の中心にある“渦”を目指すことを提案する。
 それを受け、“渦”を目指すことを決める凱斗。一方のダスクフレアも、それ以上二人に手出しをしようとせず、“渦”を目指す彼らを見送る…。凱斗が3度目の失敗を犯すことを期待して……。

▼愛を求めるアイ
 凱斗とアイは“渦”を目指し吹き溜まりの世界を奥へと進む。いよいよ“渦”も近づいてきた頃、アイは凱斗に言う。
「実体の身体を手に入れたら、樹木の世界のあちこちを貴方と見て回りたい」
 それは、決戦を前に突いて出た、少女のささやかな望み。
 そしてさらにアイは続ける。
「私からの最後の問い掛けがあるの。貴方がそれに答えられれば、私はこの世界から出られるようになる気がする・・・。だから答えて・・・」
「私の本当の願いは何・・・?」
 アイの真摯な問い掛けに、凱斗もまた真剣に向き合って良く考え、そして答えをだす。
「キミは、愛したくて、愛されたいんだね」
 それは、アイが胸に抱えた根本的な欠如(ねがい)。アイを支え衝き動かす根源的な渇き(ねがい)。凱斗はそこを正確に言い当てた。アイは自らの気持ちを正しく理解してくれる人と、ついに巡り会えたのだ。
 だから、アイも顔を輝かせて、続く言葉を促す。その後に凱斗の口から出てくる名前。それが一番大切なのだから…。
「それで……?」
 そのアイの問い掛けに、凱斗は答える。
「キミは誰かと恋をしたいんだ!」
 その答えに、アイの顔が急激に悲しみに変わる。
「バカァーッ!!!」
 アイが思わず凱斗の頬を平手打ちする。
(ここで、凱斗がアイの願いをきちんと理解できていたか、GMと全PLでジャッジ。理解できていた3票、できていなかった2票で、理解できていたと裁定。アイにとっては「凱斗と一緒にいたい」というのが大事な願いだったが、それ以前の「愛したい、愛されたい」という根源的な願いに対して理解を示した点で、こう裁定された)
 乾いた音が吹き溜まりの世界に響くと同時に、アイの胸に暗い炎が灯る。ダスクフレアと化したアイは、“渦”の奥へと飛び去って行くのであった……。
 


○クライマックス:

▼ラス戦前
 アイさえもダスク化してしまい、傷心のまま“渦”へと向かう凱斗。ほどなくして、“渦”が目の前に見えてくる。
 そこに待っていたのは、“渦”の中に立つ薄紫の水晶…。そして、プロミネンスを放つアイの姿……。
 アイは言う。
「貴方は、あの女という古き世界の鎖に繋がれている。だから、貴方を殺し、鎖を断ち切り、そして新世界に新たな貴方を創り直す」
 歪んだ願いをもつアイに、凱斗はその過ちを指摘する。しかし、夕闇に堕ちたアイには、最早凱斗の言葉は届かない。
 そこで、“渦”の中の水晶から、ハヤトもまたプロミネンスを放って現れる。だが、ハヤトの中に歪みはない。ダスク化前と変わらぬ真っ直ぐな心のまま、凱斗と同様にアイの歪みを指摘して問う。
「そうして創られた凱斗は、もう凱斗とは別のものだ。それを分かっているのか?」
 ハヤトの歪みなく真っ直ぐな問いに対し、アイは歪んだ真っ直ぐな答えを返す。
「分かっているわ…。だから私は、凱斗を殺して、凱斗の全てをこの身に取り込んで、そして凱斗を産みなおす・・・。私を愛する凱斗として・・・・・・」
 それは、“少女”では辿り着き得なかった黒き母性。対象を誕生から全て包み込み愛する性(さが)。
 アイのプロミネンスが一段と燃え上がり、“格”を上げる。それを見て、最早アイを止めることが不可能と見なしたハヤトも、フレアを高め愛と対峙する姿勢を示す。二人の願う世界は異なる。故に互いに戦いあうしかないのだ…。
 凱斗を自分の理想通りの男とするため、凱斗を殺そうとするアイ。自分の願い世界を創るため、アイを倒そうとするハヤト。傷心のまま、それでもアイを止めようとする凱斗。三つ巴の戦いが始まる……。

▼ラスト戦闘
 1ターン目:アイはセットアップで《魔詩:見えざる翼》を使用。のちのコンボのために、凱斗と自分に[飛行状態]を与えようとする。だが、凱斗はこれに抵抗、フレアを鎖状にしてアンカーのように地面に突き刺し、これを堪える。一方ハヤトは《モナドリンゲージ》でMTを呼ぶ。
 ターンに入り、最初はハヤトの手番。ここでアイが《永劫の刹那》で動き、それに合わせてハヤトも《永劫の刹那》を起動。ハヤトはアイに攻撃してダメージを与え、アイは《凝縮された時間》から《勇気の行進曲10》と《荒波の詩歌》を歌い上げて自身の【心魂】を高めると同時に辺り一帯に[水]を呼び込む。
 ハヤトは、さらに自身の手番の行動でもアイに攻撃し、十分なダメージを与える(ここまでの2発でアイの【最大HP】の半分近くを削っている)。
 続くアイの手番。アイは《魔歌:風の牙》を使用。烈風を呼び込む荒々しい詩歌で、[飛行状態]にあったハヤトを[水]に叩き落とす(ハヤトはMT自体の能力で飛んでいた)。これこそ、アイの秘中の秘の奇策。ダスク化したとは言え、基本的に支援型であるアイには、ハヤトと正面から戦えるほどの戦闘力は無い。故にハヤトを[水]の中に叩き落とし、バッドステータス[水中]を与え、ハヤトのMTの機能を奪うことが、アイの唯一の逆転策であった。
 策は功を奏し、[水中]に叩き落とされMTを動かせなくなったハヤトは戦闘能力を失う。
 アイはさらに《永劫の刹那》からの《魔歌:完全治癒》でハヤトによって負わされた傷を回復。
 アイの《魔歌:見えざる翼》に抵抗したために、そもそもずっと[水中]状態にあった凱斗は、水の中の振りのためにまともに行動できず。《フォトンチャージ》を行うも、フレアを高めることが出来なかった([水中]の効果で全判定に-20。このため、凱斗の達成値は0に)。
 2ターン目:アイはセットアップで《終わる世界》を使用。
 さらに、アイの手番で、アイは《甘美なる死》を使用。美しい旋律に乗せ、陶酔のまま凱斗の魂を奪おうと仕掛ける。ハヤトは手番を放棄して[他人をかばう]を実行。凱斗を美しき死の調べから護る。
 凱斗の手番。芦川との戦いですでにボロボロに消耗していた凱斗は、メジャーアクションを行うと《終わる世界》の効果によってHPが0に成ってしまうため、《フォトンチャージ》すら使えず行動を放棄した。
 3ターン目:アイはセットアップで《終わる世界》を再び使用。
 アイの手番。アイはハヤトの[他人をかばう]対策として待機を宣言。
 凱斗の手番。ハヤトからの「キミが離脱してくれれば、僕はアイを攻撃する」という助言を受け、凱斗は[離脱]を試みる。これにより、凱斗は《終わる世界》の効果でダメージを受け、[覚醒]状態に。
 ハヤトの手番。ハヤトは全力でアイに攻撃し、アイは《黒き業炎》によりダメージを反射。これにより、ハヤトのHPもかなり追いつめられる。
 そして、アイの待機手番。アイは再び《甘美なる死》を凱斗に歌い、せめて安らかな死を与えようと迫る。凱斗はこれに、最後の切り札《※存在しない刻》で対抗。持てるフレアを全てつぎ込んで時間を寸断し、アイの歌声を阻害しようと試みる。しかし、アイもまた時を操って《※空白の時間》で割り込み、凱斗の時間を奪って《※存在しない刻》を無かったことにしようとする。凱斗は《※存在しない刻》の発動のため、すでにフレアを使い切っており、これに抗い得ず万事休す。だが、その一瞬で心のフレアを最大限に高め(ロールで6枚近くフレアを稼いだ)、その力でアイの《※空白の時間》の効果に【根源】で対抗し打ち消した。だが、アイの手は止まらない。「ごめんなさい…私は絶望の化身なの」謝罪の言葉と共に、《※因果の逆転》を放ち、凱斗が《※存在しない刻》で0にしたアイの《甘美なる死》の達成値と、凱斗自身がそれを回避するために叩き出した[避け]の達成値を入れ替える。この結果、結局凱斗は攻撃を避けきれず、[死亡]状態となる。
 その後アイは、ハヤトに対し、
「私はこれから凱斗の全てを取り込んで、“私を愛する凱斗”として産みなおす。その邪魔をしなければ、あなたを水中から出してあげよう」
「あなたは、私が凱斗と二人の世界を築くための良き障害。二人の力で乗り越えなければならない」
 と説得。凱斗を産みなおすための間、手出しをしないように交渉する。
 しかし、ハヤトはハヤト自身の願いのためにこれを拒絶。彼にとって、“今のままの凱斗”もまた、彼の理想とする世界に必要な存在なのだ。
 これにより、交渉は決裂し、再び戦いが続く…。
 4ターン目:アイの手番で、アイは《「造物主」の悪意》を使用。吹き溜まりの世界の法則(凱斗にパスを刻むためのフラグ)を操作して、凱斗を〝アイを愛する凱斗”に創り変え、さらに《再生の車輪》を使用。自らの胎に凱斗の身体を取り込み、その中で凱斗を創り変えていく。胎は見る見るうちに膨れ、臨月のそれとなり、そして再び胎を開いて、凱斗を16歳の姿のままで[水]の中に産み落とす(《再生の車輪》の効果で[死亡]状態を解除し、【HP】と【LP】を1点まで回復)。
 ハヤトの手番。ハヤトは《夢魔の王》を使用。凱斗を夢の世界に引きずり込む。夢の中でハヤトは凱斗に問う。
「キミが護りたいのは誰か?」
 凱斗は答える。
「クロエ・A・ハイゼンシュタットだ!」
 その願いが、凱斗の心をアイのプロミネンスから解き放つ(《夢魔の王》の効果として、凱斗を“アイを愛する凱斗”でなくさせた)。
 凱斗が夢から覚めると同時に、“渦”の空間にアイの悲鳴が轟いていた。アイに再度凱斗を作り変えるようなプロミネンスは無い。自らの最後の願いを絶たれたアイは、絶望を陥り、凱斗に自らを倒すように言う。最後まで戦う姿勢を失わぬまま…。
 負けて凱斗に殺される。勝って凱斗を殺し自分も死ぬ。そのどちらの結果をも受け入れながら、アイは最後の力を振り絞り、決着戦へと向かう。凱斗とハヤトもまた、それに答えるように、戦いの構えを見せる。本当に本当の最後の戦いがはじまると…誰もが思っていた……。
 5ターン目:全ての元凶であり、アイとハヤトと芦川を翻弄してきたあのダスクフレアが登場。
 セットアップで、ダスクフレアは《破滅の顕現》からの《破壊の手》×2発を使用。アイとハヤトを一瞬で破壊する…。アイは最後の力を振り絞り、《※伝説の詠吟》で凱斗の特技を復活させる。
 こうして、戦いは最悪の形で幕を閉じる…。

▼敗北の凱斗
 夕闇の炎に包まれ塵と消えたアイとハヤト。ダスクフレアは、彼らの胸に埋まったまま燃え残った薄紫色の石の欠片を回収する。そして、心底愉快そうに、あれこれと凱斗に説明する。
 それは、その薄紫色の石こそ十二聖石のひとつであるということや、その石の力が蝕(イクリプス)をこの空間に繋ぎとめていたこと、この石をこの場から取り除けばこの空間は消滅し蝕たちを開放することができるということなどであった。
 非道のダスクフレアに対し、怒りを禁じえない凱斗。だが、最早凱斗にダスクフレアと戦うだけの力はない。思い悩んだ末、屈辱に耐えてダスクフレアに降伏することとした。
 土下座し、許しを乞う凱斗。だが、ダスクフレアは愉快そうに言う。
「聞こえんなぁ?」
 再度屈辱に耐え、大きな声で命乞いする凱斗。ダスクフレアは愉快そうに笑い、彼の命を助ける。その代わりに《人身攪乱》の効果で、凱斗の敗北を樹木の世界中に知らしめ、人々を絶望の混乱の底に陥れて…。
 そしてダスクフレアは、《砕け散る天》の効果で吹き溜まりの世界に穴を空け、凱斗をオリジン領域へと転移させるのであった……。
 


○エンディング:

▼マイナスからの再出発
 こうして凱斗は、オリジン領域へと戻ってきた…。
 この戦いで彼に護れたものは何一つなく、ただ、胸に刻まれた4つのパスと、ダスクフレアに命乞いした救世主という烙印のみが残された…。
 クロリドの救世主の、マイナスからの再出発が始まった……。

-end- 

最終更新:2011年10月16日 00:53