目が覚めると、そこは見慣れた部屋の中だった。
あれは…夢、だったのかな?
丸まって毛布の中に軽く顔を埋めて、瞼を閉じると、外に出て起きたことが脳裏を駆け巡る。
ああ、そういえばプティを置いてきちゃった…。
あの子はレトリアだっけ?プティと仲良く遊んでるかな?
プティとよく遊んでたし、独りで寂しくないように、本当はあげたかったけど、言いそびれちゃった。
みんなにちゃんと挨拶して帰りたかったな…名前もまだ朧気にしか覚えてないや。
レトリアの兄さんは、ルキフィスだっけ?
上に落ちちゃった人は…シンジョウさんだっけ?
私の事、かくまってくれたのは…桜花さんだった。
あっ、根暗っぽい人がいた気がするけど…いいや。
あまりよく話してない女の人は…クロエさんだったかな?。
名前は思い出せないけど、私を守ってくれた人…会ったらちゃんと名前覚えたいな。
また会うかな?
…また会いたいな
ただ流れていく時の中で、独りでいれば良かった。
傷つく事はないから。
でも、今は何かが違う。
傷つく恐怖を回避する為に、封じていた感情が溢れ出しそうになっている。
お願い、溢れて来ないで…。
思い出さないでいて…。
祈るように、ギュッと瞼を閉じて、毛布の端をギュッと抱きしめた。
不意に、部屋をノックする音で目が覚めた。
母親かな?
「お嬢様、お客様です」
珍しく喋ったシュヴァルツの声は心なしか嬉しそうな感じだった。
私に客人?
誰かが会いに来てくれたのかな?
淡い期待を抱くも、それを直ぐにかき消して、閉じた扉を見つめ…扉を開いた。
最終更新:2011年12月05日 14:09