思わぬ所での想い(フレア)の交換を終えた私は、蒼天城の内郭にある円卓の間へと向かう。そこでは、九人の仲間たちが、伯爵との交渉の結果報告を心待ちにしているはずだ。
二柱の愛の女神のおかげで充実した時を過ごせたとはいえ、少し遅くなってしまったのも事実。急がなくてはいけない…。
急ぎ足で廊下を抜け、いくつもの角を曲がると、円卓の間の前へと辿り着く。扉を預かるエンジェルが私に最敬礼を示し、豪奢な装飾の施された扉を押し開ける。
私は、開かれた扉をくぐり、部屋内の仲間達に声を掛ける。
「遅くなってごめんね…。今戻ったよ……」
遅くなったお詫びに、謝罪の微笑(えがお)を放っておく。
それを迎えたのは、良く見知った九つの顔。
「なぁに、別に急かしやしないさ。なんなら、もう少しゆっくりと“休憩”してきても良かったんだよ…?」
「さて…、これで漸くと会議をはじめられますね……」
ニヤニヤと笑いながら意味深な口調で皮肉を言うクリスタルレディと、真面目な顔で無自覚に皮肉を言うドモン。いつも見慣れた会議前のやり取りだ。
「では、さっそくと会議を始めることとしよう…。まずは伯爵との交渉の報告からだ――」
私は会議の開始を宣言し、そして伯爵との交渉の経緯を報告する。
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「――と、いうわけで、伯爵からは、この戦いが終わるまでの間、共にダスクフレアに当たる約束を取り付けてきたよ…。私からの報告は以上だ……。何か質問はあるかな……?」
私からの報告に、「いよいよ盛り上がってきたぜ!」と意気上がるディラン、口には出さないが目に闘志を湛える晃。
その一方で、難しい表情を浮かべ、何やら引っ掛るところがある様子のクリスタルレディとドモン、それに春麗。
「何かあるのかな……?」
どうにもその様子が気になり、私が三人にそれを問いただそうとしたその時――
「主上…!急ぎ申し入れたき議がございます……!」
そう言って入ってきたのは、先ほど想い(フレア)を交わしたあの二柱の女神。
「どうしたんだい…?一体」
会議中に参加者以外の者が入ってくるのは異例のこと。それも、二人の慌てぶりはただ事ではない。何か余程のことがあったのだろう。
私は、二人に仔細を促した。
「先ほど、我等二名が桜花さまに纏わる重大な運命の糸を捉えました…!」
「来るダスクフレアとの決戦において桜花様は……」
神妙な顔で切り出す愛欲の女神と、言葉を詰まらせ言いよどむ貞淑の女神。
嫌な胸騒ぎを覚えて、私は先を促す。
「桜花が……、どうなるんだい………?」
予感に胸が重い。
「桜花さまが…、戦死…なさいます………」
愛欲の女神が告げた言葉。
それを聞き、私の世界がグラグラと揺れて回る。
「(落ち着けっ……!情けないぞ、私……!!戦いに生きれば、いつかは来る時のこと……。あの子が産まれた時に、そう覚悟していたはずだっ……!!!)」
一瞬フラつく足元。それをなんとか踏み止めて、なるべく平静な表情を取り繕い、二人に言う。
「……そうか、報告ありがとう」
私の顔を二柱の女神が心配そうに覗き込む…。
「(平静を保て…セシリア……!!お前は…、世界の管理人だ…!娘の死も、顔を知らぬ人々の死も、同様に重く受け止めるだけの義務が、お前には…あるのだ……!娘の死の定めを知って、今更動揺するなど許されると思うな…!これから始める戦いは、何人もの兵が死ぬことになる戦い…。それを指揮しようという者が…、己が娘の死だけ特別に受け止め、立ち止まっていようなど……、あっては…、ならないんだ……!!)」
心を襲う衝撃に、何とか己を立て直そうと葛藤している時……
ツカツカと歩み寄ってきたクリスタルレディが、私の前に立って微笑(わら)う。
次の瞬間――
バシッ……!
っと、渇いた音が円卓の間に響く。
私の頬を平手で叩いたクリスタルレディが、水晶の瞳を怒りに燃やして言う。
「セシリアッ…!あんた、いつから人間を捨てたつもりだい…!?母親が娘の死を宣告されたんだよっ…?動揺しなくってどうするんだっ…!!我が子の死を見知らぬ人の死よりも特別に受け止めるのは、人間として当然のことじゃないか…!その“特別”を受け止めずに、世界を平等に憂えるなら……、あんたはもう、本物の“女神”だよっ……!!」
怒れる瞳が部屋の灯りに揺れる…。水晶の涙が淑女の頬を伝っていた……。
「ごめん……。クリスタルレディ………」
私は親友の肩を借り、顔を埋める。
もう少しで、取り返しのつかない過ちを犯すところだった……。
「私が…間違ってたよ…。そう…。娘の死に、母親は…動揺して良いんだ…。ごめん…。ごめんね……。ありがとう………」
「良いんだよ…。友達じゃないか…?ねっ…?ほぉら…、折角だから、そのまま泣いちまいな…?」
「ふふ…。折角だけど、そんなに可愛らしくはなれないよ…。可愛くないことに定評のあるセシリアだから……」
親友の肩から顔を離し、悪戯っぽく微笑(わら)う。
目の端の涙は、気付かれぬように拭いておく…。
ようやく浮かべることの出来た微笑(えがお)に、クリスタルレディも安堵の評定を浮かべ、大げさにため息をつくようなアクションを見せてから笑う。
「もう落ち着いたね……?」
「 うん…。もう、大丈夫だよ…。ありがとう……」
「どういたしましてさ…!」
親友はウィンクして席に戻る。
それに倣って私もまた席に戻ると、今度はドモンが事務的な口調で口を開く。
「さて、それで如何なさいますか…?セシリア先生。桜花様は貴女の宝であり、同時に私達にとっても宝である御子…。そして、セント・アゴラの未来を背負う玉体であり、樹木の世界(ウッドワールド)の明日を象徴する聖像でもある神子…。もし喪われれば、全てが夕闇に鎖されるでしょう。どうか宜しくご配慮賜りたく存じます…。天主様」
ドモンが私を「セシリア先生」と呼ぶときは、プライベートの場で仲間としての私に接する時だ…。逆に、「天主様」と呼ぶときは、公の場で世界の管理人としての私に意見を求めている時だ…。場面場面に応じて態度を使い分けるのが、彼のスタイルなのである。
そして今は、その両方の態度で私に諫言をしている。
仲間としての私には、桜花が死んだら悲しいのは自分も同じだと訴えているし、それを通して、もし私が母の我儘で桜花を助けようとするなら、自分もそれを手助けすると言ってくれている…。
世界の管理人としての私には、桜花が死んだらその嘆きは世界の人々を絶望させ、混乱をさらに拡大させると説いているし、それ故に、今度の作戦では桜花の生還が勝利のための絶対条件になる言っている…。
つまり、「桜花の死は、貴女一人が悲しみを堪えて済むような問題ではない」と諫言しているのだ……。
それに気付かぬことは、桜花の死の重さを軽んじているという意味で母親として失格だし、桜花の立場の影響力を理解していないという意味で世界の管理人として失格だろう。
――「貴女は母親としても、神様としても間違ってる。……このままだといずれ『私』が増えるわ。『私』は独りでいいのよ、セシリア」
思い出されるのは、美しき夜の娘の言葉。
桜花が命を落とすところなど、私は想像さえもしたくない…。『世界の神子』が戦死すれば、人々はさらなる絶望へと叩き落とされるだろう…。それは、決して受け入れられない結末だ……。
だから私は、桜花を護らねばならないのだ…。
母親として…。世界の管理人として…。
ならば私は、そのために己の最善を尽くすだけだ。
護る意志は固まった…。その意志が、私の頭を覆っていた不安と動揺の霧を打ち払い、思考を鮮明にさせる。冷静さを取り戻した思考は、いま私が為すべきことを高速で模索し始める。そしてひとつの考えに思い至る…。
その考えに確信を得るため、私は二柱の女神にひとつの質問を投げ掛ける。
「ねぇ、二人とも…。キミ達が視た桜花の死の予知視(ヴィジョン)は、桜花が、いつ、どのような状況で命を落とすのか、そこまで示していたのかな…?」
問われた二神は、ともに困惑の表情を浮かべながら、黒と白の口を代わる代わる開いて、それに答える。
「い…、いいえ。そこまでは……」
「どのような場面で桜花様がお命を落とされるのか…、そこまでは視れませんでした…。申し訳ございません……」
「見えたのは、「桜花さまが命を落とす」という結末だけ。ダスクフレアとの決戦において命を落とすのかも知れませんし、決戦を避けて蒼天城内に居るところを襲われて命を落とすのかも知れません…」
「運命とは揺蕩うもの…。例え神々と言えども、全てを覗き見ることは出来ないのでございます……」
回答を終えると、二柱の女神は申し訳なさそうに頭を垂れ、肩を小さくして縮こまる。確かにそれは、運命を回避するための手立てを探るには、あまりに不十分な情報だろう…。
「そうか…。分かった……ありがとう」
だが、私にとっては、決断を下すのに十分な情報であった…。
肚は決まった……。ならばあとは、その決断に己を賭けるだけだ。
「これより…、勅命を下す……」
それは、私が滅多に口にしない言葉。これから私が口にする言葉は決して何者にも覆させないという意思表示であり、故に私が最も嫌う言葉だ。
その重さを知るからこそ、仲間たちも固唾をのんで見守る。
私は、揺るぎなき意志を込め、詔を放つ。
「桜花は、このまま決戦に参加させる…。そして、戦いを避けることではなく、戦いを行わせることで桜花を護る……!」
仲間達に広がるざわめき。賛同の意を態度に示す者、反対の意を言外に滲ませる者。態度はみなそれぞれだ。
だが、その誰もが言葉を押し殺し、続く私の言葉を待つ。
「桜花を戦列から外し、蒼天城内に匿うような籠城策は採らない。何故なら…、籠城策は桜花を護る手立てとして不十分であるし、桜花を戦列から外すことは我々の戦力低下を招き世界を危機に晒すからだ…!」
それは、幾体のダスクフレアと戦ってきたカオスフレアとしての経験則であり、世界の命運を預かる将帥としての判断である。
「そもそも、ダスクフレアを相手に籠城など意味を成さない。奴らがその気になれば、城壁を壊すことも、城内に侵入することも、いとも容易いことだからだ。城では桜花を護れないんだ……」
先の氷皇や狂戦士の襲撃が、それを証明しているだろう。強固な白亜の城壁もプロミネンスの前では全くに無力だ。本気で攻めてきたダスクフレアを相手に、安全な場所など存在しない…。だから、戦場に出さないという選択自体が無意味なのだ……。
「それに、桜花は最早、私とヴァルトに続くセント・アゴラ第三の光翼騎士(ブライトルーク)だ…。ヴァルトを銀月の護衛として城内に待機させざるを得ない今の状況で、桜花まで戦列から外してしまえば、前線の守りが不足してしまう…。世界の命運を賭けたこの戦いで、桜花を戦列から外すことは出来ないんだ……」
桜花は今のセント・アゴラに重要な守りの要。これを遊ばせておくことは、一軍の将として認められないことだ。守りの要の光翼騎士を戦列から外すことは、戦隊(パーティ)が危機に晒されることを意味し、世界を背負う戦隊(パーティ)が危機に晒されることは、世界が危機に晒されることを意味する…。
桜花は私の可愛い娘だが、樹木の世界もまた私の可愛い子供なのだ。桜花と銀月のどちらがより可愛いかと問われれば答えなど出しようがないのと同様、桜花と世界のどちらを護るべきかと問われても答えなど出しようがない…。桜花も護って世界も護る。これが出来なければ、私にとって意味がないのだ……。
「桜花を戦列から外すことに桜花を護る意味はなく、桜花を戦列から外すことが世界を危機に晒すことに繋がるのなら…、私は桜花を戦列に立たせ、前線で戦うカオスフレアの仲間と共に戦わせることで、桜花も世界も同時に護る…!」
ダスクフレアを相手に何かを護ることが出来るのはカオスフレアだけだ。そのカオスフレア達を戦いの最前線に集中させる以上、城の中に籠るよりも前線で戦っていた方がむしろ安全なのだ。
そして、前線の戦力を厚くすることは、世界を護ることにも繋がる。単に桜花をカオスフレアの近くに置くだけなら、城内で銀月を護るヴァルトの近くに置く方がより安全だろう…。だが、先に述べた通り、それで前線の戦力を薄くし、世界を危機に晒しては意味がない。桜花を護り、同時に世界も護るためには、この布陣しかないのだ。
「なるほどな…。守りの護りではなく、攻めの護り…か。セシリア先生らしくて良い。なら、桜花はどこの戦隊(パーティ)に組み込む…?やはり、より安全を求めて先生の戦隊(パーティ)に組み込むのか…?」
私の采配についてきて、さらに疑問を投げかけたのはディランだ。
それに対し、私は答える。
「いや、それでは戦力配置に無駄が出来る…。言っての通り、既に桜花は前線の守りの要として重要な戦力なんだ…。その守りの要を同じ守りの力の持ち主に護らせても、戦術上の意義はない。桜花を護るために必要なのは、攻撃や補助といった他のコロナの力だよ……」
光翼騎士を光翼騎士が護るような配置に戦術上の意義はない。その編成では他の戦隊(パーティ)の防御力を徒に低下させてしまうし、コロナとコロナが生み出す相乗効果も期待できない。守りの力の光翼騎士の他に、攻めの力の聖戦士(ディバイン)や、補助の力の星詠み(フォーチュン)、執行者(エグゼキューター)が揃って、はじめて大きな力を発揮できるのだ…。
桜花を護るためには、最も戦力の高い戦隊(パーティ)に組み込んであげることが一番だ。ならばそれは、私の隣ではない…。
「なら、どこの戦隊(パーティ)に組み込む…?コロナを考えるなら、予定を変えて晃やクリスタルレディあたりと組ませるか…?」
これまでの話し合いでは、ディランたち九界士はセント・アゴラに誘い漏らしたダスクフレアの掃討に当たる予定になっていた。聖石の力で誘い漏らしたダスクフレアが居て、もしそれが各地の領域(リージョン)で暴れ始めた場合、九界士はコラプサーの力を借りて《彼方への門》で飛び、そこに予め配備した現地のカオスフレア達と力を合わせて敵の鎮圧に当たろうという作戦になっていたのだ。
ディランは、その予定を変更して桜花と戦隊(パーティ)を組む者を九界士から選出しようかと提案している。
だが、その提案に対し私は首を横に振る…。
「いや…、折角の申し出だけど、桜花と組むべき者は九界士の中には居ない…。コロナの相乗効果を最大限に高めるためには、単に4つのコロナが1つの戦隊(パーティ)に揃っているだけでは駄目なんだ…。4つの炎(コロナ)が、互いに絆(パス)を結び合い、互いの心(フレア)を通わせ合うことで、はじめて本当の力を発揮することが出来るようになる…。そして…、あの子にとってその相手は、キミ達でも…私でもないんだよ……」
桜花はもう、友達同士の輪に加わって、そこで自分だけの絆(パス)を結ぶ段階に来ている…。あの子が今一番欲しているのは、綺麗な服でも高価な玩具でもなく友達だ。これから先、親はあの子の世界の絶対的中心から外れて行って、代わりに心から笑い合える友達がその中心になっていくだろう…。
そんなあの子にとって、真に絆(パス)を結び、心(フレア)を通わせることができる相手は、あの子が戦いの中で培ってきた仲間達を置いて他にないのだ…。
「桜花にはクロエ達と戦隊(パーティ)を組ませる。何故なら、彼女達こそ、桜花がその意志で絆(パス)を結び、そのパスで心(フレア)を通い合わせ、その循環の力で何度となく奇跡を起こしてきた真実の仲間達だからだ。私や周囲の大人たちが戦術の都合で宛がった護衛ではなく…、あの子があの子自身の心で掴んだ仲間こそ、あの子の死の運命を覆す奇跡の力と成ってくれるんだ……!」
人の意志の力こそ、運命を覆す軌跡を起こし、絶望の闇から希望の未来を切り開く。
この世界もまた、そうして生まれてきたのだ…。
だから…、あの子の意志こそ…、あの子の信じる仲間こそ…、あの子の運命を覆しあの子の未来を開く力となる…。親(わたし)はただ、あの子の意志を信じて、あの子が戦う姿を遠くから見守るしかないのだ……。
だからせめて、あの子が心置きなく仲間達とフレアを通わせ合えるよう、私はそのサポートに全力で手を尽くすようにしよう……。
そうなると、不安要素と成るのは、今のクロエ達のあの状況だ…。彼女と彼が抱える挫折と絶望…。それをそれぞれが乗り越えられなければ、桜花のことはおろか、彼女達のこの先の戦いさえ危ういだろう…。
彼女達自身のためにも、桜花のためにも、何か手を貸してあげたい……。
「(そうだね…。もとよりクロエとは一度ゆっくりと話をしてみたかったところだ…。今の彼女は遠くから見ていても放っておけないから……。それに…凱斗も…。彼に立ち直ってもらうことは、この樹木の世界の未来のためにも、絶対に必要なことだ……)」
私はそう思案する。そしてそれから心に誓う…。
「(でも……、それをするなら、桜花を助けるためでなく、ただ彼女と彼の心のために、私の心を尽くすようにしよう……。桜花の死の運命のことは一度忘れよう…。それが人としての礼儀だ……)」
持て得る限りの愛をこめて……。
「(そうと成れば、思案の限りの手を尽くさねばならない…。クロエには…私自ら一言かけてあげたい……。でも…、きっと私の言葉は彼女の心に届かないだろう…。だとしたら…、やはりそこのフォローは彼女の仲間に任せよう。なら…、彼女が深く信頼を寄せているヴァルトに…いやっ、むしろ同じ若者同士のガイアスにこそ……)」
そう…、若き心を励ますには、同じ若者の熱き心こそ相応しいだろう……。ガイアスの真っ直ぐな情熱は、きっと彼女や彼に届くはずだ…。
「(そして凱斗…。彼の鬱屈した精神状態を立ち直らせるのは容易じゃない…。本来なら、私が関わるべきではないと思っていたほどだ…。もし、その彼に何か示してあげられるとしたら………)」
そこで私の脳裏に、ある少年の顔が思い浮かぶ。
「(そうだ…!彼に任せてみよう……!護るべきもののために英雄を捨てた彼。その彼に触れさせれば、凱斗に“誰かを護る”ということの意味を見つめ直させることが出来るかもしれない…。そう…、静かな強さを持ったあの少年なら、きっと……)」
彼女と彼と全ての者達のため、私の心は動き出す…。
若きカオスフレア達の心のため、出来る限りの舞台を用意しよう…。世界の命運を賭けた戦いさえカバーストーリーに使って…。
彼らの心を助けることが、世界の全てを護ることになるのだから……。
「それではみんな、それも踏まえて決戦のための備えを煮詰め直そう。まず、ハイゼンシュタット軍の編成を――」