「はぁ、はぁ、」
「畜生、あの野郎どこまで追ってく・・・」
そう呟いた途端、男の視界が大きな衝撃で揺れる。
そのままの勢いで吹き飛び木に激突する男、その目線の先には息を荒げる一匹の人狼。
「グルルル・・・」
「い、一体何なんだよ!」
そう叫びながら男はプロミネンスを発しながら立ち上がり人狼に飛び掛る。
人狼はまるで待ち侘びていたかのようにそれを迎え撃った。
「ウォォォォォォォォン」
月下に勝利の咆哮が響き渡る。
無論足元には、既に息せぬ夕闇が転がっている。
「結構出来るようになったな」
声の主は小さな使い魔、ディアスだった。
「そう思わないか?アンス」
彼が問い掛けると暗闇の中から魔獣の背に乗り、彼達の主アンスが現れる。
「おいで・・アゲル」
彼女が呼び掛けると人狼は忠犬のように主の命に従って近寄り、小さな子犬になった。
「ウンゲルもいいよ」
魔獣の背から降り、子犬を抱き上げながら彼女は魔獣に呼び掛ける。
魔獣はそれに応えるように小さな子猫になり彼女に寄り添う。
「雑魚とはいえ、ここまで出来れば上等だな」
ディアスは満足そうに問い掛ける。
「今日はこの辺にしとくか?」
少し考えた後、アンスは答える。
「・・・・もう少し・・する」
「なら、もう少し歩くとするか」
そう言って小さな主と三匹の使い魔達は暗闇の中に消えていった。