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844 名前: 774RR [sage] 投稿日: 2008/03/10(月) 20:51:21 ID:ocfqFqkn
一週間寝かしたカレーの話題が出ていたが、
俺は一年寝かしたカレーを食べたことがある。

同棲していた彼女が俺のバイク馬鹿ッぷりに愛想を尽かして出ていった。
俺は稼ぎの殆どをバイクに突っ込み二人の生活なんて、これっぽっちも省みていなかったから当然だった。
たまの休みはほったらかしてツーリング。

ある日、彼女は書き置きを残して、大きな鍋にカレーを作って出ていった。

あんなに好きだったオートバイにも乗らないぐらい全てがイヤになって、全てを忘れるために仕事にのめり込んだ。
カレーを食べた後の食事は全て袋のラーメンになった。10kg痩せた。

一年間、馬鹿みたいに働いた。

ある日、自分の顔を鏡で見た。
このままでも駄目だと思った。あの頃と同じぐらい駄目で進歩がないと思った。

オートバイを整備した。
広すぎる部屋を引き払って住所を実家に移して辞表を出した。

冷蔵庫の中身は一年前のままで、あの日のカレーの食べ残しが冷凍庫の奥で、彼女の小さなピンクのお茶碗一杯だけ残っていた。

冷蔵庫からベッドから家財道具を一切合切処分して、何もない部屋の最後の夜に
長い旅に出るためのキャンプ道具の中からクッカーを出して米を炊き、カレーを温めて食べた。

俺はどうしようもなく、こんな風にしか生きられないんだって。
だからもう、仕方がなかったんだって。
性格の不一致ってやつ。バイクに乗らない彼女だったしさ。

あの頃の味だよ。劣化してない。冷凍庫すげぇよ。
彼女の好きだったシメジ入りのカレーだよ。
タイムカプセルかよ。ばかやろう。って独り言良いながらゆっくり食べた。

気が付くと彼女の携帯電話に電話を掛けていた。
どうせ着信拒否だろうからと言い訳していたが怖かったからかけなかったんだ。

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最終更新:2009年01月17日 13:05