明智健悟

警視庁捜査一課の警視。
東大法学部卒のキャリア組、ロス市警勤務経験有りというエリートにして、本作の主人公金田一一のライバル。
雪夜叉伝説殺人事件』で初登場。

叩き上げの体力系の剣持とは対照的にクールで理知的な性格。その自他共に認める天才的な頭脳でスマートに推理を組み立てていく。
蝋人形城殺人事件』では一と共同戦線を張って事件を解決して以降は出番が急増し始め、自らが主人公となったシリーズまで用意されるほどになった。
また、美形なので非常に女性にモテる。高校、大学、ロス市警時代にも必ず彼の昔話には女性の影が潜んでいるほど。

が、同時に天才であるが故かなりの変人でもあり、イヤミな性格から一や部下の剣持からは「存在そのものがイヤミ」とまで言われてしまっている。
「人に好かれたい」という感情を持ち合わせていないだけ、と公式で語られている。

口癖は「ロスでは~」とされているが、初登場作以外でこのセリフが使われたことはない。

また、秀でているのは頭脳とエリート経歴だけではなく、数々のスペックの高さを併せ持つ。
  • エリート進学校の秀央高校では特Aクラスに入学、「秀央のホームズ」と呼ばれ、3年間全教科満点を維持して卒業
  • ヴァイオリンやフェンシングはプロ級の腕前
  • 英語、フランス語、ドイツ語、広東語をマスター
  • ロス市警時代にはチェスを用いた殺人事件を解決したついでに超高難易度のCPUに勝利
  • 大学時代にはアルバイトで数々の学生を東大へ送り出し、「受験の神様」の異名を誇った
  • アメリカでセスナの操縦を学んでおり、旅客機の墜落を阻止
  • 大学在学中に司法試験に合格
  • プログラミングやハッキングもお任せ
このように過去に数多くのエピソードを持っていて、時折一や剣持の前で唐突に過去の回想を始めて物思いにふけったりする。
これがエリート校で優秀な技能を発揮したとか女性にモテたとか大量の自慢話を無意識に含んでおり(本人は全くそうとは思っていない)、これも存在そのものがイヤミといわれる所以になってしまうのだが…。

このように天才的であると共に他人からはあまり好かれない変人であるが、一とは互いに信頼関係を築いており、居合わせた事件では「推理勝負」を持ち掛けては共に事件を解決に導いている。
部下の剣持についても時折見下したような態度はとっているがある程度の能力は認めている模様。

後述の初期人格は忘れておくとして一と同様、事件解決そのものよりも人命を救うことを第一に考えて行動する正義漢である。

過去、背景

亡き父親は剣持のような叩き上げ警官であり、担当して追い続けていた事件が無念の時効となり、真相は解明できないまま亡くなってしまった。
自身が刑事になってからはその「三億円事件」を独自に追い始め、『蝋人形城』で遂に真相を解明。父親の写真とともに年代モノのワインを空け、亡き父と共に心に一区切りをつけた。

マジシャンの近宮玲子とも友人であり、彼女が変死した事件についても警察では事故死として処理されながらも、疑問を抱き独自に追い続けていた。
これが同時に天才犯罪プロデューサー・高遠遥一との因縁の始まりにもなり、一と同様高遠とは宿敵の縁になった。

初期明智

『雪夜叉伝説殺人事件』で初登場してから暫くの明智警視について。
金田一少年の歴史上では明智は上記のハイスペックな人物として有名だが、登場初期はかなり高圧的、理論主義、殺人事件をゲーム扱いという全然違う性格だった。
その初登場作では剣持と一を徹底的にコケにしており、状況証拠だけで玲香を無茶な論理で犯人呼ばわりするという醜態を晒し、完全に一に論破されるというカマセ探偵の立ち位置を熱演。
優秀な変人というよりただのイヤミエリートであり、美形度も今とは全く異なっていた。

しかしその次の登場作である『異人館ホテル殺人事件』ではその性格を受け継ぎながらも一の推理力には理解を示し、北海道まで訪れ捜査に協力。
『蝋人形城』『魔術列車』ではバックボーンが語られて徐々に正義漢へとシフトしていき現在の性格になっていった。怒涛のテコ入れとか言ってはいけない。美形度も出る度にパワーアップ。
明智のブレイクはそうなってからなので、今やこの初期性格設定は闇に葬り去られた…と言ってもいい…はず。
ちなみに金田一らとの仲は改善されたが、玲香との仲は最悪なままである。

ドラマ版の明智警視

これまた『雪夜叉伝説殺人事件』(堂本剛版1期、2時間SP)で初登場。演じたのは池内万作。
まだ『魔術列車』が連載完結されていない時期のお話。よって物凄く初期明智の人格設定で登場した。
玲香犯人説の推理ミスを「一を試すためにわざと推理を外した」設定に変わって外道っぷりに磨きがかかり、残念なことに『金田一少年の殺人』では長島警部の代役を担当させられて徹底的に一を追跡。
その『金田一少年の殺人』や『蝋人形城殺人事件』では全て剣持が原作明智の設定を受け継いだため、彼は一とは協力関係になることは無く出番を終えてしまったのであった…*1

その影響が色濃く出ているのか、続く松本潤版でも出番が剣持に全て吸収され登場することはなかった。
これによりドラマ版では剣持の凄腕っぷりが半端ないことになっている。

アニメ版での明智警視

初登場が『蝋人形城殺人事件』。声を演じたのは森川智之。
これがアニメ3本目の事件になったので最初から美形設定。ここで一と知り合い、原作通りに共同戦線を張っていった。
『雪夜叉伝説殺人事件』でもあまりに酷い推理ミスは省略され、最終的には真犯人の思惑には引っ掛かるものの素直に間違いを認めた。
彼の主人公作も(『幽霊ホテル』を除いては)余すことなくアニメ化されたので、明智人気に更に拍車をかけた原因とも言えるかもしれない。
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最終更新:2023年10月25日 18:47

*1 一応、都築を搬送するヘリの手配は原作通りに行った