何年か前に、何かしら自分の中にあるあの頃の風景が懐かしく、時代とともに消えてしまったセピア色、あるいはモノクロームの風景やあのころ感じた鮮明な思いを残しておきたいという衝動にかられました。
一日一日をシンプルに心豊かに過ごしていた子供のころ、それらは現実だったのか夢だったのか今となっては記憶も定かでないところもあり、もしかしたら時空のずれがあるかもしれません。
同時代に誰しもが似たような風景の中で同じような経験をしたかもしれないことを、ラフなスケッチのように思いつくままをつらつらと書き連ねてみました。
戦後日本の高度成長期を経て、現在のような時代が訪れるとはあのころは想像できませんでした。利潤を求め、利便性を競い、「科学の子アトム」が誕生してもおかしくないほどの時代、21世紀が訪れました。さまざざまな発明や発見は人が生きていくうえで欠かせないものなのでしょうが、どこかしら人のこころを置き忘れたような出来事も垣間見えたりします。
振り返れば私が育った昭和の時代は、経済成長と背中合わせに、どこかしらかわいげのあるほんのりとした時代でした。人と人の関わりは時を越えても、かわいげのあるほんのりとしたものだと思います。
同じ時代をすごした人には、あの頃をまぶたに思い返していただければうれしいです。そうそう、そうだったと相槌を打ってもらえればさいわいです。
あの頃を知らない人には、その時代のひとつの風景としてイメージしていただければいいと思います。
なにぶん、構成もなく、思い出したことや忘れないように書き留めておきたいことを思いつくまま書き出したので、取りとめもない稚拙な出来上がりになりましたこと、ご容赦願います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
最終更新:2009年08月14日 23:06