●ハイデガーの言語観

p.17
 ドイツの哲学者・M・ハイデガーは、
 『言葉への途上にて』(1950~59)所収の論文
 「言葉についてのある対話より」のなかで、
 対話の相手である独文学者・手塚富雄氏に次のように語っている。

 「一九三四年の夏学期に、私は<論理学>という標題のもとに一つの講義をしました。
 <論理学>とはいうものの、
 それはロゴスについての省察であり、私はこのロゴスに言葉の本質を求めていたのです。」

 何故、ハイデガーにとってロゴスが言葉の本質とみなされたのか。
 これを理解するためには、
 ひとまず<ロゴス>という極めて西洋形而上学的な概念を
 その語源にさかのぼって考えてみる必要がありそうだ。
最終更新:2008年06月26日 00:23