年の差【としのさ】
「いやー…この格好、」
フリフリのワンピースに履き慣れてないパンプス、緩く巻かれた髪にくるっと上がったまつげ、少しオレンジにされた頬に更に自分の恥ずかしさが出る。
「ことりかわいー!」
「きゃーっことりちゃん」
「可愛いー」
「きゃーっことりちゃん」
「可愛いー」
全身鏡の前に連れて行かれ自分の姿を見て、顔が熱くなった。周りの子達が褒めてくれるから少し調子乗ってみたりする。
「ことりジャンル変更?」
「ねぇ、それ誰がしたの?」
「ねぇ、それ誰がしたの?」
「「「はいはいはーい!あたしたちがやりました!」」」
と元気良く手を上げ前に出る。
と元気良く手を上げ前に出る。
「スタイリストのてんちです」
「ヘア担当のミズモットです」
「メイクのあーやのんです」
「ヘア担当のミズモットです」
「メイクのあーやのんです」
三人は決めポーズを交えながら自己紹介するとイェーイという完成で締められた。
「テーマは…ロックから姫へ!」
凜が言うと何故か拍手が起こり、注目されているのをまた恥ずかしく思い、ついみんなに背中を向けてしまう。
「…で、今日はみんな何の日か知ってるかなー?」
甜歌が慣れた様子で場を一致させると手を使い独特な振り付けをしながら、せーの!と言った
「………………」
あれ?ざわざわとした空気が流れる。みんなからは何ー?とか記念日ー?とか色んな声が飛んでくる。するとあやのが勢いよく中心へ飛び出しゴッホンと言うと
「ちょっと、皆さん…いいですか?今日はことりさんの大好きな人のお誕生日ですよ?」
と指を使いながら話した
「誕生日の人なんかいたっけ?」「えーいないよー。」
いるんだよ…と心で叫びながらただ後ろを向いていた。
いるんだよ…と心で叫びながらただ後ろを向いていた。
「もーみんなわかってないなぁ…今日はね、あ」
「ちょっとー!!!来たってば来たってば!」
とドアをガサツに開け叫ぶ瑠璃。
「ちょっとー!!!来たってば来たってば!」
とドアをガサツに開け叫ぶ瑠璃。
「頑張ってね。ことりちゃん」
そう言って凜が背中を押してくれた、部屋を出る前に
そう言って凜が背中を押してくれた、部屋を出る前に
「みんな、部屋でじっとしててね…ことり、行ってきまーす!」
と勢いよく部屋を飛び出した。
と勢いよく部屋を飛び出した。
…かーっ、やっぱ廊下に出ると恥ずかしくなって下を向いてしまう。
廊下にある窓の隙間からきゃーっという声が聞こえたから上から覗くと、その人はファンの人からプレゼントを貰っていた。あたしもがんばろー、とため息をつくと、男子達の声が聞こえた。
「あれっ?ことり服装変えたの?似合ってるねー」
「ことちゃんかわいーじゃん」
「あっほんとだー」
次元、翼、理来があたしを見つけて歩きながら手を振って褒めてくれた。
「ことちゃんかわいーじゃん」
「あっほんとだー」
次元、翼、理来があたしを見つけて歩きながら手を振って褒めてくれた。
「……………え?ことり?」
「バカ、違うだろ…」
「すごい似合ってる」
公輝くん、瑛士くん、斗真くんが次に声をかけてくれた
「バカ、違うだろ…」
「すごい似合ってる」
公輝くん、瑛士くん、斗真くんが次に声をかけてくれた
ぞろぞろと来る男子、今日の主役はさすがにまだまだ来ないかなぁー。
色々と頭で考えながら1人、時間が過ぎるのを待った。
誰かが通り過ぎるのに気がついて
「あ!加藤さん」
「あ!加藤さん」
あたしの声に驚いたのか両手に荷物を持ったその人はつまづきかけていた、パッと振り返りあたしを見る
「……あれ?」
「ことりです!」
「ことりです!」
え?なんていいながらあたしをじっと見つめた。あれ?あたし変なのかな、わー、恥ずかしいな。
「お誕生日…おめでとうございます」
と深くお辞儀をした後昨日やっと完成した特製のストラップを渡した。
「ありがとう…ございます」
照れてるのか、敬語になってる加藤さんに思わず笑ってしまう。でも…今すぐ逃げたい。
照れてるのか、敬語になってる加藤さんに思わず笑ってしまう。でも…今すぐ逃げたい。
「それ、私が作ったんです!」
「そ、っか」
「そ、っか」
手にあった荷物を片手で持ち、もう片手でストラップをまじまじと見ていた。あーできればあんまり見ないでほしいな。なんてぼーっと思いながら、ガサガサと音がする方を見ると
「……じゃ俺行くわ」
とストラップを膨らんだポケットにぶら下げて言った。
「あと、似合ってると思う」
と褒め言葉を残して小走りに背中を向けた。
嬉しかった、
嬉しかった、
これからはロックじゃなくこれでいこう!