yariba @ ウィキ

青い海、白い雲

最終更新:

yariba

- view
だれでも歓迎! 編集
青い海、白い雲【あおいうみ、しろいくも】


上を見ると広い空、その上に浮かぶ白い雲、
下を見ると少し熱い砂、
――…海だー!!

「ねえ凛、早く泳ごう!元太も!」

「ちょっと待ってよー」

僕たちは今日、海に来た。
結構近くにビーチがあると聞いて、朝早くから自転車を飛ばした。

「…凛可愛いなー」

「次元、何見てるんですかー?」

年相応のピンクの水着を着た凛がとても可愛くて、
思わずそう呟いちゃうと元太がにやにや笑っていた。
何でも無いよ!と言わんばかりに僕は海に走り出す。

「夏だあーっ!」

「次元くんってばはしゃぎすぎだよー」

にこにこと笑いながら凛も海に入って来た。
二人で顔を見合わせて笑う。

「冷たいねー」

バシャバシャと音を立てながら3人で水の掛け合いをした。
もちろん泳いだりもした。
元太より僕の方がクロールが上手くて、凛は背泳ぎが上手いと分かった。

「じゃあ僕着替えてくる!」

急にそう言って、元太は小走りで駆け出した。
僕も凛も、「あ、うん」しか言えなかった。


それから何時間経っても、元太は戻って来なかった。

「帰っちゃったのかなあ」

お互い水着の上からTシャツを着て、浜辺を歩いた。
ザザ…ン。と波の音が心地良い。

凛は立ち止まった。

「…凛?」

「どうしよっか?」

苦笑を浮かべながら、首を傾げる。
僕もつられて苦笑した。

「うーん…取り敢えず連絡でもっ…!?」

そう言い掛けて、僕は目の前の岩場のなりかけにつまずく。
僕を助けようとしてか、凛は手を伸ばしたけど…

唇に、何か柔らかいものが触れた。

「…っ!?」

僕と凛はすぐに離れてお互いの顔を見つめた。

えっと、ごめん。
そんな言葉も出てこないくらい、唖然としていた。

「…帰ろっか」

暫くしてから、凛は微笑みながら立ち上がった。


青い海、白い雲、
ついでにちょっと、赤くなった二人。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
人気記事ランキング
ウィキ募集バナー