俺は?【おれは?】
話の合う妹みたいな奴。
最初はそう思ってた。
最初はそう思ってた。
「この番組のこの人がさあー…」
いつもの俺等の会話。
あの芸人がどうだとか、あのドラマがこうだとか。
そんな他愛も無い感じ。
テレビメディアが無くなったら、俺等の繋がりも無くなるんじゃないかってくらい。
あの芸人がどうだとか、あのドラマがこうだとか。
そんな他愛も無い感じ。
テレビメディアが無くなったら、俺等の繋がりも無くなるんじゃないかってくらい。
「甜歌、今度こいつのライブ見に行かね?」
「あー行く行く!それ好き!」
でも、軽いデートに誘うにはもってこいだ。
でもたまに思う。
あの芸能人が好きー、この芸能人が…って言ってる甜歌は、
俺の口実とは違ってただ単にそいつが好きなだけかもしれない。
あの芸能人が好きー、この芸能人が…って言ってる甜歌は、
俺の口実とは違ってただ単にそいつが好きなだけかもしれない。
だから、俺が居なくても他の奴とその話をするかもしれない。
「んじゃ今度の日曜な」
約束は取り付けたものの、いまいちしっくり来ない。
「ごーきさんだけ?」
だってほら、甜歌は毎回そうやって聞くから。
俺とふたりじゃ嫌なのかなって、思うじゃん。
俺とふたりじゃ嫌なのかなって、思うじゃん。
「他にも誘う?」
決して聞きたくなかったけれど、怪しまれない為にも聞く。
すると甜歌は、首を横に振った。
すると甜歌は、首を横に振った。
「ごーきさんの後ろ着いて歩くー!ひとりで!」
=俺とふたりでも良い。って事だよな。
嬉しくて自然と顔がニヤける。
「後ろじゃなくて隣歩いて」
俺はどんな存在かまだ分かんないけど、取り敢えず隣に居て。