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明るい髪の生活

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明るい髪の生活【あかるいかみのせいかつ】

瑛士、エマ  公輝斗真愛美


「水本、みーずーもーとー…」

「…んー、なに」

「問題、といてみろ」

「んー…2?」

「…正解」

「やったぁ、おやすみ先生」

何故か拍手喝采の教室に、目立つ髪色の男一人。

放課後、公輝が教室に忘れ物したと言うので公輝の教室へ向かっていると、ふと前に見知らぬ女の子がちょうど教室から出てきたのが見えた

「…今の、公輝知ってる?」
「ん?あーエマ?」
「エマ?知らないな」
「近藤エマ。最近転校して来たんだよ」

公輝が先程の子(エマちゃんって言うらしい)が出て来た教室へと向かったので、どうやら二人は同じクラスなのだと分かった

「あれ?斗真じゃん。一人?」
公輝が教室へ入るのを、俺は入り口の扉にもたれかかりながら見ていた

これまた見知らぬ男に、公輝は声をかけていた
そして何となくコイツも転校生なのだと思った

そういえば、頭の良い学校から転校してきたと言う奴が居ると聞いたが、確かコイツと同じ名前だったか

「瑛士も別にいいよな?」
ボンヤリと考え事をしている時に突然話を振られて驚く
どうせコイツも連れてっていいかとかそんなとこだろう
「ああ」
「だって。どうする?」
転校生は俺をジッと見ていた
そういえばコイツも、さっきの子も転校生だって公輝は言ったな
もしかして二人一緒に転校してきたのか?
…コイツと仲良くしとけばあの子と仲良くなれるだろうか

「行く」
という転校生の声に、思わずニヤリとした


しばらく3人で歩いていると、愛美ちゃんの姿が見えた
愛美ちゃーん、と呼びながら手を振る
ふと愛美ちゃんの隣に、先程のあの子を見つけて、思わず動きが止まってしまった

「瑛士?」
隣に居た公輝が俺を不思議そうに見ていた
「…何でも無い」
公輝はまだ不思議そうにこちらを見続けていたが、愛美ちゃんが話し出したのでそちらを向いた

愛美ちゃんと公輝と話しながら、横目で転校生二人を見ていた
どうやら二人は仲が良いみたいだった
もしかしたら、本当に一緒に転校してきたのでは

「あれ?あの子は…えぇと」

愛美ちゃんが見ている先に、一人の女の子が見える
あの子は確か公輝の幼馴染
公輝と愛美ちゃんが会話をしているのを見て、時々口出ししてみたりして向こうに見える公輝の幼馴染がこちらに気付いてないだろうなとぼんやり考えていた

公輝がその幼馴染を呼び、辺りをキョロキョロしているその子の元へと行った
「公輝ってやけにあの子に優しいわよね」
愛美ちゃんがそれを不満そうに見ながら呟く
「幼なじみだからじゃねーの」
「マナはそれだけじゃない気がする」
最初、何が言いたいのか分からなかったが、どうやら愛美ちゃんは嫉妬しているのだろう

そういえば、愛美ちゃんは公輝の事好きだったんだっけ
それを知るまでは、俺も愛美ちゃんいいなーとか思っていたな

まるで昔の事を思い出すようにボンヤリと考えていた


「んじゃ酒買ってくるわ」

そう言って俺は酒を買いに出かけた
結構近所にある酒屋へ行っていくつか選ぶ

公輝や愛美ちゃんは今までにも一緒に飲んだ事あるから好みは分かるけど他のメンバーは…

斗真や公輝の幼馴染は比較的マジメっぽいから酒なんて飲んだ事無いだろう
それじゃ初心者にはこれがいい

「あの子は…」

強いか弱いかも分からない
だが飲んだ事が無い様子でもなかった

「…これでいいか」

そばにあった女の子が好きそうなものを選ぶと、俺は会計を済ませた


その後しばらく飲んで、途中で斗真と公輝が公輝の幼馴染を家に送っていった
この場に残ったのは俺と愛美ちゃんとエマちゃんだけだ

わお、両手に花

「でさー公輝って…」
「うんうん、さっきも飯田さんに優しかったもんね」

両手に花でモテモテ状態になるかと思いきや、愛美ちゃんはずっと公輝の事を愚痴っていて、エマちゃんはそれに相槌を打っていた

公輝は鈍感だとか、公輝は絶対あの子の事好きなのよだとか
正直仲良くなってそれほど経ってない(だろう)エマちゃんにそんな話をしても、相槌打つくらいしか出来ないのも仕方無いだろう

公輝の気持ちを知ってる俺としては、愛美ちゃんもまた鈍感なのだけれど

「瑛士君…だっけ?」
「え?」

ふと気付くとエマちゃんが俺のそばに居た
愛美ちゃんは?と思い、先程愛美ちゃんが居た方を見ると、愛美ちゃんはそこで眠っていた

「瑛士君って呼んでいい?」
「え、あ、うん」
「エマでいいよ」
「おう」
何て事の無い会話なのに、何故か不自然な対応になってしまう
いつも通りを装うと深呼吸を一度だけした

「瑛士君、公輝君と仲いいんだね」
その言葉を聞いて、この子も公輝が好きなのかとガッカリした

「まぁな」
「愛美ちゃんってさ、公輝君の事真剣に好きなんだね」
「みたいだね」
口調が俺らしくなくて、自分自身心の中でツッコむ

「いいなぁ…」

エマちゃんは愛美ちゃんを見て小さく呟いた

「エマちゃんも公輝の事好きなのか?」
「え?」

エマちゃんはキョトンとして俺を見た
そしてしばらくしてから吹き出した
「あははっやだーもしかして勘違いしちゃった?違うよー公輝君はいい人だって思うけど、私は愛美ちゃんの味方だしね」
「…じゃあ、何が『いいなぁ』?」
「愛美ちゃんってさ、結構ストレートなところあるじゃない?私もそうやってストレートにアピール出来たら相手も気付いてくれるかなって。…まぁ愛美ちゃんの場合相手がそれすら気付かない鈍感君だったから上手く行ってないけど」

その発言で、エマちゃんも好きな人が居るのだ思った
それも公輝じゃないところを見ると、きっと斗真だ

「…斗真?」
「うん、そうだよ」

エマちゃんは隠そうとも恥ずかしがろうともせずに正直に認めた

「でも、斗真は私の事をただの幼馴染って思ってるみたい。確かに斗真の好みのタイプじゃないし、魅力無いのかもしれないけど」
「何で、伝える前から諦めてんの?」
「え?」
「好みのタイプが実際に好きになる相手とは限らないし、魅力が無いって自分で言い切るのって虚しくねーの?好きなら好きって伝えちゃえばいいじゃん」

だから、伝える前からそんな諦めるなよ

そう言ってやると、エマちゃんは優しく笑って「ありがとう」と言った

それからエマちゃんと俺、二人でもう一度乾杯をして酒を飲んで色々話し合った

しばらくして、ふとエマちゃんが静かになったのに気付いた
見ると、やはりエマちゃんも寝てしまっていた

「…好きなら好きって伝えちゃえばいいじゃん…か」
自分でもどうしてそんな言葉が出てきたのか分からなかった

愛美ちゃんの時は伝える前から諦めてしまったのに
諦めるつもりでもなかなか諦めきれなくてしばらく苦しんでいたのに

しばらくして、エマちゃんが斗真に告白したと言うのを聞いた
それを聞いて俺は、何故だか複雑な心境だった
伝えればいいと言ったのは自分だが、心のどこかで伝えないで欲しいとも思っていたのだ

今だって斗真がエマちゃんの告白を断って欲しいと思っている
そう思うのが何故なのか、そんなのは今までの経験上分かっている

俺は、エマちゃんに惚れてる―――

何がきっかけで好きになったかなんて分からない
だが多分きっと初めて見た時から

「…俺も、伝えてしまおうか」

エマちゃんに好きなら伝えろって言ったくせに自分は言わないなんて、卑怯だと思った


だから

「俺、エマちゃん好きだよ」
「…公輝君や愛美ちゃんから聞いてないの?」
俺が突然呼び出して告白したら、エマちゃんは驚いていた
まぁ、そりゃそうか
「エマちゃんが斗真に告白した事?だったら聞いたよ」
「だったら何で」
「エマちゃんは斗真が好きだから伝えたんだろ?だから俺もエマちゃんが好きだから伝えた。それだけ」
「…告白しても、上手くいかないって分かってるのに好きって伝えるの?」
「上手くいかなくてもいい。好きなもんは好きなんじゃん?」

「何、それ」

エマちゃんはそう言って可笑しそうに笑った

「…瑛士君、返事、考えさせてもらってもいいかな」
「ああ、いいよ」

考えてもらえるって事は、返事を返されるまでの間にいっぱいアピールできると言う事だ

斗真が、エマちゃんに返事を返すまでの間に、俺はエマちゃんにアピールが出来る

そんな自分勝手な理由で、斗真にはエマちゃんからの告白の返事をもっと延期して欲しいと願った

しばらくして、斗真はエマちゃんの告白を断った
そして断ったその日に、公輝の幼馴染の里穂ちゃんに告白をしてOKを貰った

「エマちゃん、慰めてやろうか」
「そんな事言っても慰められただけで好きになったりしないからねー?」

バレたかーなんてふざけて笑うと、エマちゃんも笑っていた

エマちゃんも笑っている
良かった、と思った
振られたから泣いて悲しむかと思っていたから

「瑛士君」
「んー?」
「返事、どれだけ先になっても、ずーっと私の事好きでいてくれる?」
「勿論」

微笑んで言ってやると「その笑顔うさんくさい」と言われた

返事がどれだけ先になっても、俺はきっとエマちゃんを好きで居続けられる
だってほら、エマちゃんには俺みたいないい奴ぐらいしか似合わないだろ?

どれだけ後にでも
どんなに先の事でも

君が返事をくれるまで、俺はずっとエマちゃんにアピールを続けるよ

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