ちょっとずつ、ちょっとずつ【ちょっとずつ、ちょっとずつ】
「里穂ってさ、斗真の事好きだろ」
「…えっ!?えぇえぇえっっ!?」
「…えっ!?えぇえぇえっっ!?」
思わず大きな声が出た
「声でけーよ」
公輝が耳を塞ぎながら言った
周りからも視線を感じて小声に変える
公輝が耳を塞ぎながら言った
周りからも視線を感じて小声に変える
「なっ何で分かったの…?」
「何でって…里穂の好みまんまじゃん」
「たっ確かに…」
「何でって…里穂の好みまんまじゃん」
「たっ確かに…」
うちの理想のタイプまんまだ
優しいし頭がいいしかっこいいし爽やかだし…
優しいし頭がいいしかっこいいし爽やかだし…
「それに見てりゃ分かるし」
「えっ嘘!?」
「そんな嘘ついてどうすんだよ」
そっそれもそうか…
「えっ嘘!?」
「そんな嘘ついてどうすんだよ」
そっそれもそうか…
「それ…本人には…」
「言ってない。多分本人も気付いてないと思う。鈍感だし」
「言ってない。多分本人も気付いてないと思う。鈍感だし」
公輝が他人に鈍感だと言える立場では無いだろうに
今だって愛美ちゃんの方から送られてくる視線に気付いてないだろうし
今だって愛美ちゃんの方から送られてくる視線に気付いてないだろうし
「…本人には言わないでね?」
「言わねーよ」
「言わねーよ」
公輝は笑って言った
いつも通り公輝と登校したある日
「あ」
「あ、飯田さんおはよう」
「おっおはよう!」
「あ、飯田さんおはよう」
「おっおはよう!」
下駄箱まで来る途中で、公輝はクラスメートに声をかけられてそちらへと行ってしまったため、一人だった
下駄箱でたまたま生田君と一緒になった
下駄箱でたまたま生田君と一緒になった
おはようと向こうから挨拶してくれた!
しかも名前も覚えていてくれたなんて!
しかも名前も覚えていてくれたなんて!
「飯田さん、昨日の数学の宿題やった?」
「あっうん!やったよ!」
「ホント?あのさ、聞きたかったんだけど問2の…」
「あっうん!やったよ!」
「ホント?あのさ、聞きたかったんだけど問2の…」
教室へ行くまでのちょっとの距離を、生田君と並んで歩いた
それだけでもう幸せで幸せで倒れるかと思った
―――
―
「生田君っ」
「え?」
「生田君今日日直だよねっ?」
―
「生田君っ」
「え?」
「生田君今日日直だよねっ?」
少しずつでもいい
今日から、生田君ともっと話をしていこう
今日から、生田君ともっと話をしていこう
終わり
(よーし明日もがんばるぞ!)
(よーし明日もがんばるぞ!)