ごめんね【ごめんね】
「もう…ッ」
バカバカバカッ
どうしてマナを一番にしてくれないの
どうしてマナを一番にしてくれないの
マナはこんなに好きなのに
「大体前から怪しいと思ってたんだよね!」
いっつもあの子と楽しそうに話して
いっつもあの子が困ってたら助けてあげて
いっつもあの子が困ってたら助けてあげて
「あの子が好きなら好きって言ってよね…!」
マナは言ったはずなのに!
好きじゃないなら優しくするなって
好きじゃないなら優しくするなって
好きじゃないなら気を持たせるような事しないでよ
「もう…何で追いかけて来てくれないの…」
マナの事、好きじゃないの…?
マナだけがあんなに舞い上がってたの…?
マナだけがあんなに舞い上がってたの…?
もう、忘れたの…?
マナを守るって言ってくれた事…
マナを守るって言ってくれた事…
「ちゃんと、覚えてるよ」
えっ?
えっ?
思わず振り返ってしまう
「泣いてたら一番に俺が会いに行くって言ったのに、俺が泣かせてちゃダメだよな」
ごめん、と公輝がマナの涙を指で拭った
「泣いてたら一番に俺が会いに行くって言ったのに、俺が泣かせてちゃダメだよな」
ごめん、と公輝がマナの涙を指で拭った
「もう…来るの遅いってばぁ…」
「ごめん」
「ごめん」
公輝は優しく抱きしめてくれた
「本当は、多分ずっと知ってた」
公輝に可愛くないとこ見せたくなくて一生懸命涙を止めようとした
公輝はマナの頭を撫でてくれた
公輝はマナの頭を撫でてくれた
「…好きだよ、愛美」
それはまるで泣き止ませるために言ったように、優しい言い方だった
それはまるで泣き止ませるために言ったように、優しい言い方だった
「…マナも…っ!」
「知ってる」
あんなに見つめられたら流石に分かるって
なんて公輝は笑っていたけど、きっとそれは嘘ね
「知ってる」
あんなに見つめられたら流石に分かるって
なんて公輝は笑っていたけど、きっとそれは嘘ね
瑛士か、あるいは里穂ちゃんか
「さっきはあんな言い方してごめん」
「うん…」
「愛美、俺と話してても他の奴の話ばっかすんだもん。ほら、さっきも瑛士や斗真の名前出したろ?」
「うん…」
「愛美、俺と話してても他の奴の話ばっかすんだもん。ほら、さっきも瑛士や斗真の名前出したろ?」
―――ヤキモチ妬いた
意外だった
ずっと妬いて欲しくてわざとしてて
でもなぁんにも言わないし、何とも無いみたいな態度だから
てっきり妬かない人なのかと思ってた
ずっと妬いて欲しくてわざとしてて
でもなぁんにも言わないし、何とも無いみたいな態度だから
てっきり妬かない人なのかと思ってた
「ばぁか」
「うるせーな」
「うるせーな」
ふふっと笑ってやると公輝は笑って「何笑ってんだよ」ってマナに優しくデコピンした
「ひでー顔」
「うるさいなぁ」
「うるさいなぁ」
怒るよ?なんて言ってやると、公輝は笑って「ごめん」と言った
「瑛士が、鞄見ててくれてるから教室帰ろっか」
「うん」
「うん」
繋がれた手は、後に教室で瑛士にからかわれる理由になった