無意識恋愛【むいしきれんあい】
「ねぇ、それ何」
これは、憧れの人にあげるもの。
「瑛士君には関係ないもの」
「ふーん…あっそ。」
「ふーん…あっそ。」
あーあ、だれかれ構わず話しかけ歩く煩い人とは大違いで、背も高くって、クールに見えてミステリアスな人…、さっきからずーっと見てるのに気付いてくれない。思い切ってゆっくり近づいてみる
「加藤さん!これね、作ったからあげる」
何回も失敗したんだけど、お母さんにアドバイスもらいながら作ったクッキー。でも全部ことりの手作り、加藤さんには似合わないけど小さめの袋に星とハートのクッキーにブルーのリボン。
「あ…え、俺?」
戸惑いながらもありがとうって言って受け取ってくれた、すぐにリボンを解いて星のクッキーを食べてくれた。
「どうですか?」
「…ん、美味いと思う」
「…ん、美味いと思う」
嬉しい、良かった。またありがとうって言ってくれた。
「じゃ俺が美味いか確かめてあげる」「瑛士君はいいの!」
「加藤さん一個もらうね」
「加藤さん一個もらうね」
なんでいいって言ってんのに勝手に取るかな…、しかもハート!なんで瑛士君がハートなんよ!
「んー…パサパサしすぎじゃね?」
最悪…、加藤さんも笑ってるし、ハートの方は好きでもない人に食べられるし、しかも評価最悪だし…
「あんたみたいな奴…」「俺はことりちゃん好きだよ?」
なにさり気なく言ってんの?そういう所も含めて全部、
「あんたみたいな奴大っ嫌いやけん!」
(それも愛でしょ?)(ちーがーう!)