気づかない間に愛を振りまく2【きづかないあいだにあいをふりまくつー】
イラつく、イラつく。瑛士が他の奴と話すのは見てて辛い。いつもは俺と笑顔で話すのに、瑛士には俺の言葉も思いも届かない。きっと何もかもがすれ違っていて、いつまでも届かないんだろう。
「・・・瑛士」
小さく呼んだ名前も、明るい声にかき消される。
「斗真ー、あんね、これストラップー。今メンバーみんなに配ってるらしくてさ、ほら見て。」
白い手にグリーンのストラップ。
「俺と斗真、色もおそろいなんだよー。」
「・・・瑛士」
「ん?」
「・・・瑛士」
「ん?」
優しくされた、その時だけでいい。勘違いも愛だろう。