無題9【むだいないん】
「ねー。稜駿。」
いつになく真剣な眼差しで見つめる謙二郎に、俺はただ黙って聞くことしかできずにいた。
「もし、俺が…」
珍しく言葉を詰まらせている謙二郎。こんな謙二郎を見たことがなかった。
「もし俺が男が好きだったらどうする?」
言葉を理解するのに時間がかかった。
だが、いつものことを思い浮かべると、また謙二郎の冗談だろうと思った。
だが、いつものことを思い浮かべると、また謙二郎の冗談だろうと思った。
「んー、別に俺は気にしないよ?」
その言葉を聞いた謙二郎は、パーっと笑顔になる。
「じゃあもう一つ聞きたいんだけど…
もし、俺が稜駿のこと好きって言ったらどうする?」
もし、俺が稜駿のこと好きって言ったらどうする?」
さっきから変な質問ばかりして…よーし、なら俺も…。
「えーっと…俺も好きになるかも。」
「ほんとに?」
「う、うん」
「ほんとに?」
「う、うん」
「俺稜駿のことが好き。」
え?
「稜駿も俺のこと…好きだよな?」
「いや…それは…。」
「え…もしかして嫌い?やっぱりそうだよな、ごめん。」
謙二郎は捨てられた子犬のような目をしていた。
まるで俺が謙二郎を捨てたみたいだ。
俺はその瞬間、もう後戻りすることが出来ないことが気がついてしまった。
まるで俺が謙二郎を捨てたみたいだ。
俺はその瞬間、もう後戻りすることが出来ないことが気がついてしまった。
「ち…違うって!俺もす、…好き!」
謙二郎は再び笑顔になった。
「よかったー。俺不安だったんだぞ?」
「不安だなんて、大げさだよ」
「不安だなんて、大げさだよ」
これってこれからどうなるの?俺ホモになっちゃうの?
彼女いるのに…。
彼女いるのに…。
「ねーキスしていい?」
ちょっwwww謙二郎?キャラ崩壊してるってwwwww
「いや、だめだtt…」
もうすでに俺の唇は謙二郎の唇と合体していた。
「やばい、ドキドキしてる。」
いつになく赤面する謙二郎に俺は不覚にも可愛いと思えてしまった。
「じゃあ俺帰るわ。また明日!!」
そういうと謙二郎は満面の笑みで手を振って帰っていった。
俺は、明日から…どうすればいいのか…。
俺は、明日から…どうすればいいのか…。