無題10【むだいてん】
「あれ?翼くんだぁ!」
コンビニからの帰り道、俺を呼ぶ声がした
姿は見なくてもわかる。俺の嫌いな“アイツ”
姿は見なくてもわかる。俺の嫌いな“アイツ”
「…ども。」
出来れば関わりたくなかった
軽く頭を下げ、また歩き出そうとすると
出来れば関わりたくなかった
軽く頭を下げ、また歩き出そうとすると
「ねぇ、翼くんってみーの事嫌いでしょっ」
そんな言葉が聞こえ俺は歩くのを止める
「みーも翼くんが嫌いなの」
「みーも翼くんが嫌いなの」
振り向いて“アイツ”を見ると、いつもはみない真剣な顔つきで俺を見ている
「だからね、翼くんを幸せにしてあげない」
そう言い切った“アイツ”は満足そうに笑い最後に一言だけ言って俺の前から姿を消した
「安ちゃんはみーのだから。」
あんなやつに安ちゃんを渡してたまるか。