星を探せ!【ほしをさがせ!】
「はいはいはいはい、つながりませーん!」
電源が入っていない、電波の届かない…聞き飽きた言葉にイライラして携帯を投げつける。ガシャと電池が外れた音と共にランプが消える。
「ゴウキくん、エイジくんからこんなん来たんやけど。」
渡された携帯を見ると受信日は一分前、送信者は今一番嫌いな名前。なんでリョウキに送れて俺の電話は取らねーんだ。
(星捕まえた!)
訳の分からない文面。無言でリョウキに返す、ちっちゃいからついでに頭も撫でる、にこにこ笑う顔が可愛くて仕方なかった。
気まぐれ、気遣い、短気、何考えてるか分からない。今のエイジはこんな所かな。
「ゴーウキー!」
バタバタと慌ただしい音。向かってくるやつを殴りたかった。リョウキは軽く会釈をして出て行った。今日は絶対会話弾まないな。
「なんだよ」
「見てこれ!」
「なにこれ」
「星!」
「は?」
「あげる」
「え?」
「探してきた、黙って」
「連絡ぐらい…」
「サプラーイズ」
「見てこれ!」
「なにこれ」
「星!」
「は?」
「あげる」
「え?」
「探してきた、黙って」
「連絡ぐらい…」
「サプラーイズ」
責める事が出来ないのは、初めて見た無邪気な笑顔が可愛すぎたから。
(独占したくなるぐらい幸せ)