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第1章「乙女、終結」その1」(2008/07/03 (木) 20:16:26) の最新版変更点

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**あなたのカニは、私のカニよ!(仮)第一章「乙女 集結」(仮)その1 城門の前で坂下 真砂は時計を見ながら人を待っていた。約束の時間はとっくに過ぎていた。 (遅いなぁ・・・まさかまだ寝てるのかな?いやいや、さすがにそれはないと思うけど、一応部屋まで呼びに行っこかな。) 真砂の前をかくたと裕樹が走りすぎて行った。「あっ、裕樹くん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど?グラちゃんって見てない?」 呼び止められた裕樹はすごくあせっていたが「今日は見てへんわぁ」と、律儀に答える。そしてそのままかくたを追って走り去っていった。 だいぶ焦ってたけど、何かあったのかな?それにしても、やっぱり一度グラちゃんの部屋に行ったほうがよさそうね。まぁすれ違ったらそのときはそのときよね。) 真砂は歩き出した。 そして・・・ AM:11時ごろ、とある一室にて・・・ グラジオラスはいすに座っていた。周りの風景が妙に白く見えたが、気にしなかった。なぜなら、目の前には大きなテーブルがあり、その上には『シュガー!ヨンタ饅(全種類)』が所狭しと並んでいたからであった。 グラジオラスは幸せそうに呟いた。 「チョコバナナにストロベリー、アーモンドにキャラメル・・・小豆餡まである。どれにしようかなぁ・・・最近発売されたきな粉味からいこうかな・・でも、カスタードクリームも捨てがたいな・・・いやいや、やっぱり王道にするか・・・それとも・・・」 しばらくお待ちください・・・・・・・・それから約10分後 「よし、決めたわ!やっぱりはじめは王道よね。ということで、バニラ味、君に決めた!」  そういうとともに、シュガー!ヨンタ饅 バニラ味 を掴み、口をあけて一口目を食べようと・・・ ドンドンドン!! 周囲にすごい音が響く。 「もうなによ。人がバニラヨンタを食べようってときに・・・まぁいいわ、無視よ、無視」 無視することを決めつつ、バニラヨンタを食べ・・・ ドンドンドンドン!! 一段と大きな音が響く。 その音でグラジオラスは目を覚ました。  ? グラジオラスは自分の状況を理解しようとする。その間も大きな音は続いている。  (ひとまず、この音は無視ね。えーと・・・たしか、いすに座って、こうヨンタ饅を食べようと・・・) ドンドンドンドン!  (もうなによ、うるさいわね。人が大事なことを考えているときに。 それで、食べようとしたときに、大きな音がして・・・) ドンドンドンドンドンドン!!! 音が苛烈さを増す。 だんだんイライラしてきたグラジオラスは「うるさいって言ってるでしょ!!」と叫びながら、立ち上がる。と、そのとき、いやな考えが頭の中によぎった。 「まさか・・・」 あわてて周囲を見回す。間違いなく自分の部屋だった。そして、さっきまで自分がいた場所を見る。そこにあるのは、テーブルでもヨンタ饅でもなく、ベッドだった。今、自分が起きたばかりのベッドがそこにはあった。  「そんな、まさかの夢オチ?夢オチなの?」  グラジオラスの周囲にめらめらと怒りの炎が燃え上がる。  「たとえ、夢だとしても仕方ないわ。でもひとつも食べられないなんて、あんまりよ、あんまりすぎるわ。それもこれも・・・」  グラジオラスの視線が扉へと降り注がれる。音の正体はノックであった。今、扉は踊るように震えている。ノックの音も変わらずに続いている。  「あの音が原因よ!」  的外れな怒りとしか言いようがないが、食べ物の恨み(たとえ夢であっても)は恐ろしいのである。グラジオラスは肩を怒らせながら扉の前まで行き、鍵を開けいきおいよく扉を開けると、そこに立っていた坂下 真砂に文句を言った。 「どうしてくれるの!?シュガー!ヨンタ饅が食べられなかったじゃない!」 完全に言いがかりであった。言われた真砂は少し困惑したが、気を取り直し冷静にグラジオラスを見ながら口を開いた。 「ヨンタ饅・・・? 何を言ってるの? というか、完全に寝ていたわね。もう、今日は最近お城の近くにオープンした、ヨンタ饅専門店に行こうって約束してたじゃない。」 それを聞いたグラジオラスの頭が徐々に冴え渡っていく。 「・・・?お城・・・オープン・・・約束・・・!あっ、ご、ごめんなさい真砂姐ぇ。忘れていたわけじゃないのよ。ただ、昨日は寝るのが遅くって・・・」 真砂はしどろもどろに答えるグラジオラスを見ながら、「仕方ないわね」とつぶやき 「わかったから、早く準備しなさい。あのお店は人気があって並ばないといけないんだから」 「了解です。真砂姐ぇ。5分ほど待ってくださいね。」グラジオラスは瞬く間に着替えを終え準備をすませる。「お待たせしましたわ。行きましょうか。」 「ええ、そうね」真砂はグラジオラスをつれて、歩き出した。 真砂とグラジオラスがお城の前の広場を歩いていると、右手の方向にある噴水横のベンチで休んでいる支那実を見つける。 「あれは支那実ちゃんじゃない?」 「あっ、たしかに支那実さんですね。休んでいるみたいですけど・・・そうだ、真砂姐ぇ、支那実さんも誘ってみませんか?多いほうが楽しいですよ、きっと。」 「グラちゃん、ナイスアイデアよ。支那実ちゃんを誘いましょう。」 二人は支那実の近くまで歩いていき、声をかけた。 「こんにちは、支那実ちゃん。今はお昼休憩中かな?」 「あら、真砂さんにグラちゃん。こんにちは。いえ、今日はお休みなのでのんびりしていたんですよ。お二人こそ、どうされたんですか?」 「私たちも今日は休みなの。それで、ここの近くに新しくできたヨンタ饅専門店に行くところなのよ。それで、支那実ちゃん今からってあいてる?よかったら一緒に行かない?」 「いいんですか?実は私もそのお店に興味があったんですけど、一人で行くのはちょっとって思っていたんですよ。」 「じゃあ、決定ね。」 「真砂姐ぇ、ついでだから、誰か誘いませんか?」 「そうねぇ、誰がいいかしら?」 「裕樹さんとか槙さん、らいさんにお声をかけてはいかがでしょうか?ちょうどお昼ごろですし・・・」支那実が提案する。 「あの三人かぁ・・・たぶん無理だと思うわ。さっきかくたさんと一緒に必死で誰かを捜してたみたいだから。なにかあったんでしょうね。」 「そうなんですか、じゃあ真砂姐ぇさま。思い切ってよんた様はどうですか?誘ったら絶対一緒に来てくれると思いますけど」 「だめよ、いくらお昼休みだからってお城の外に出るのは無理よ。お忙しい方だから・・・」 「でも、姐ぇさま、あそこ・・・」グラジオラスは広場にある遊歩道を指差した。 [[その2>第1章「乙女、終結」その2]]に続く・・・
**あなたのカニは、私のカニよ!第一章「乙女 集結」その1 城門の前で坂下 真砂は時計を見ながら人を待っていた。約束の時間はとっくに過ぎていた。 (遅いなぁ・・・まさかまだ寝てるのかな?いやいや、さすがにそれはないと思うけど、一応部屋まで呼びに行っこかな。) 真砂の前をかくたと裕樹が走りすぎて行った。「あっ、裕樹くん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど?グラちゃんって見てない?」 呼び止められた裕樹はすごくあせっていたが「今日は見てへんわぁ」と、律儀に答える。そしてそのままかくたを追って走り去っていった。 だいぶ焦ってたけど、何かあったのかな?それにしても、やっぱり一度グラちゃんの部屋に行ったほうがよさそうね。まぁすれ違ったらそのときはそのときよね。) 真砂は歩き出した。 そして・・・ AM:11時ごろ、とある一室にて・・・ グラジオラスはいすに座っていた。周りの風景が妙に白く見えたが、気にしなかった。なぜなら、目の前には大きなテーブルがあり、その上には『シュガー!ヨンタ饅(全種類)』が所狭しと並んでいたからであった。 グラジオラスは幸せそうに呟いた。 「チョコバナナにストロベリー、アーモンドにキャラメル・・・小豆餡まである。どれにしようかなぁ・・・最近発売されたきな粉味からいこうかな・・でも、カスタードクリームも捨てがたいな・・・いやいや、やっぱり王道にするか・・・それとも・・・」 しばらくお待ちください・・・・・・・・それから約10分後 「よし、決めたわ!やっぱりはじめは王道よね。ということで、バニラ味、君に決めた!」  そういうとともに、シュガー!ヨンタ饅 バニラ味 を掴み、口をあけて一口目を食べようと・・・ ドンドンドン!! 周囲にすごい音が響く。 「もうなによ。人がバニラヨンタを食べようってときに・・・まぁいいわ、無視よ、無視」 無視することを決めつつ、バニラヨンタを食べ・・・ ドンドンドンドン!! 一段と大きな音が響く。 その音でグラジオラスは目を覚ました。  ? グラジオラスは自分の状況を理解しようとする。その間も大きな音は続いている。  (ひとまず、この音は無視ね。えーと・・・たしか、いすに座って、こうヨンタ饅を食べようと・・・) ドンドンドンドン!  (もうなによ、うるさいわね。人が大事なことを考えているときに。 それで、食べようとしたときに、大きな音がして・・・) ドンドンドンドンドンドン!!! 音が苛烈さを増す。 だんだんイライラしてきたグラジオラスは「うるさいって言ってるでしょ!!」と叫びながら、立ち上がる。と、そのとき、いやな考えが頭の中によぎった。 「まさか・・・」 あわてて周囲を見回す。間違いなく自分の部屋だった。そして、さっきまで自分がいた場所を見る。そこにあるのは、テーブルでもヨンタ饅でもなく、ベッドだった。今、自分が起きたばかりのベッドがそこにはあった。  「そんな、まさかの夢オチ?夢オチなの?」  グラジオラスの周囲にめらめらと怒りの炎が燃え上がる。  「たとえ、夢だとしても仕方ないわ。でもひとつも食べられないなんて、あんまりよ、あんまりすぎるわ。それもこれも・・・」  グラジオラスの視線が扉へと降り注がれる。音の正体はノックであった。今、扉は踊るように震えている。ノックの音も変わらずに続いている。  「あの音が原因よ!」  的外れな怒りとしか言いようがないが、食べ物の恨み(たとえ夢であっても)は恐ろしいのである。グラジオラスは肩を怒らせながら扉の前まで行き、鍵を開けいきおいよく扉を開けると、そこに立っていた坂下 真砂に文句を言った。 「どうしてくれるの!?シュガー!ヨンタ饅が食べられなかったじゃない!」 完全に言いがかりであった。言われた真砂は少し困惑したが、気を取り直し冷静にグラジオラスを見ながら口を開いた。 「ヨンタ饅・・・? 何を言ってるの? というか、完全に寝ていたわね。もう、今日は最近お城の近くにオープンした、ヨンタ饅専門店に行こうって約束してたじゃない。」 それを聞いたグラジオラスの頭が徐々に冴え渡っていく。 「・・・?お城・・・オープン・・・約束・・・!あっ、ご、ごめんなさい真砂姐ぇ。忘れていたわけじゃないのよ。ただ、昨日は寝るのが遅くって・・・」 真砂はしどろもどろに答えるグラジオラスを見ながら、「仕方ないわね」とつぶやき 「わかったから、早く準備しなさい。あのお店は人気があって並ばないといけないんだから」 「了解です。真砂姐ぇ。5分ほど待ってくださいね。」グラジオラスは瞬く間に着替えを終え準備をすませる。「お待たせしましたわ。行きましょうか。」 「ええ、そうね」真砂はグラジオラスをつれて、歩き出した。 真砂とグラジオラスがお城の前の広場を歩いていると、右手の方向にある噴水横のベンチで休んでいる支那実を見つける。 「あれは支那実ちゃんじゃない?」 「あっ、たしかに支那実さんですね。休んでいるみたいですけど・・・そうだ、真砂姐ぇ、支那実さんも誘ってみませんか?多いほうが楽しいですよ、きっと。」 「グラちゃん、ナイスアイデアよ。支那実ちゃんを誘いましょう。」 二人は支那実の近くまで歩いていき、声をかけた。 「こんにちは、支那実ちゃん。今はお昼休憩中かな?」 「あら、真砂さんにグラちゃん。こんにちは。いえ、今日はお休みなのでのんびりしていたんですよ。お二人こそ、どうされたんですか?」 「私たちも今日は休みなの。それで、ここの近くに新しくできたヨンタ饅専門店に行くところなのよ。それで、支那実ちゃん今からってあいてる?よかったら一緒に行かない?」 「いいんですか?実は私もそのお店に興味があったんですけど、一人で行くのはちょっとって思っていたんですよ。」 「じゃあ、決定ね。」 「真砂姐ぇ、ついでだから、誰か誘いませんか?」 「そうねぇ、誰がいいかしら?」 「裕樹さんとか槙さん、らいさんにお声をかけてはいかがでしょうか?ちょうどお昼ごろですし・・・」支那実が提案する。 「あの三人かぁ・・・たぶん無理だと思うわ。さっきかくたさんと一緒に必死で誰かを捜してたみたいだから。なにかあったんでしょうね。」 「そうなんですか、じゃあ真砂姐ぇさま。思い切ってよんた様はどうですか?誘ったら絶対一緒に来てくれると思いますけど」 「だめよ、いくらお昼休みだからってお城の外に出るのは無理よ。お忙しい方だから・・・」 「でも、姐ぇさま、あそこ・・・」グラジオラスは広場にある遊歩道を指差した。 [[その2>第1章「乙女、終結」その2]]に続く・・・

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