唯「あっずにゃ~ん!」だきっ
梓「うわ、って、もう唯! いきなり抱きつかないでっていつも言ってるでしょっ」
憂「も、申し訳ありません、お嬢様」
梓「憂が謝ることじゃないんだけど」
唯「いや~、今日のあずにゃん分補給がまだだったな、と。というわけで、うりうり」
梓「も~、お庭の掃除は?」
憂「あ、私が終わらせました」
梓「じゃあ、夕飯の準備は?」
憂「さっき下ごしらえはやっておきました」
梓「……お洗濯は?」
憂「えと、それも私が」
梓「はぁ、唯、仕事してないじゃん」
唯「えへへ~、優秀な妹を持てて私は幸せだよ」なでなで
憂「も、もぅ、優秀だなんて」てれてれ
梓「むぅ……(私もなでなでされたい)」
唯「というわけで、私の今のお仕事はあずにゃんをハグハグすることなのです」ふんすっ
梓「な、何それっ。ていうか、唯はもっとメイドとしての自覚を持ってよ」
唯「うぐっ」
梓「もう、仕事できない上に、私にはタメ口だし、『あずにゃん』なんて変なあだ名で呼んでくるし、メイド失格じゃん」
唯「がーん」
梓「ほら、さっさと仕事してくるの。私だって今からお勉強の時間なんだから」
唯「うぅ~、あずにゃんが冷たいよ~。憂、慰めて~」
憂「よしよし」
梓(まったく、すぐ誰にでも抱きついて……)

梓父「……」

あずさのへや

梓父「……梓、入るぞ」
「ん? お父さん? いいよ」
がちゃ
梓父「勉強中だったか」
梓「ううん、ちょうど休憩しようかと思ってたから。それで、何?」
梓父「うん、ちょっと訊きたいんだが、メイド達との生活はどうだい」
梓「ど、どうって、まぁ、その、楽しいけど……」
梓父「そうか。じゃあ、彼女達の働きぶりは?」
梓「え」
梓父「悪いね、さっきの会話を立ち聴きしてしまったよ」
梓「あ……」
梓父「唯ちゃん、あまりちゃんと仕事をしていないようだね」
梓「そ、そうだけど……。でも、ほら、憂がちゃんとしてくれてるし。お屋敷には他のメイドだっているし」
梓父「そういう問題じゃないんだよ、梓。私もお母さんも外に出がちだから、その間しっかり梓の身辺のお世話をしてもらおうと、彼女にお金を払って雇っているんだ。仕事をしてもらわないと、やっぱり困る」
梓「お父さん……」
梓父「……どうだろう。この際、メイドを変えてみるのは」
梓「えっ。それって」
梓父「うん、唯ちゃんにはやめて――」

梓「ぜったい、いやっ!」

梓父「あ、梓」
梓「嫌だからね! 唯をやめさせるなんて、絶対駄目! そんなことしたら、いくらお父さんでも許さないからね!」
梓父「……そうか」
梓「はっ!」
梓父「ふふ、梓にとって唯ちゃんは大事な人なんだな」
梓「ううぅ……。ごめん、忘れて……」
梓父「まぁまぁ。お父さんが悪かったよ」ぽんぽん
梓(はぁ、ま、大事な人なのは、確かだけど)

よる

 こんこん
(ノック? って、ああ)
梓「唯でしょ?」
唯「……うん。入っていい?」
梓「ん? いいけど」
唯「お邪魔します」
梓「どうしたの? いつもならノックもせずに飛び込んでくる癖に」
唯「……」
梓「?」
唯「ぐず、ひっく」
梓「え!? な、何で泣いてるの!?」
唯「ひっく、ごめんなざい」
梓「へ」
唯「お昼の、お父様とのお話、ひっく、たまたま聴いちゃって」
梓「……聴かれてたんだ」
唯「ありがどう……ぐずっ……庇ってくれて」
梓「はぁ、ほらこっち来て?」
唯「うん……」
 ぎゅ
唯「あ、あずにゃん」
梓「唯のためだけじゃないんだから。私が唯に居てほしかったから。それだけだよ」
唯「だけど、私、あずにゃんの言う通り仕事できないし、おっちょこちょいだし、駄目駄目だし」
梓(そこまで言ってないと思うけど)
梓「仕事できなくても、おっちょこちょいでも、駄目駄目でも。関係ないよ」

梓「だって、唯は私のメイドであると同時に、私の恋人なんだから」

梓「だから、一緒にいたいって思うのは当然でしょ」
唯「……」ぷるぷる
梓「唯?」
唯「あ」
梓「あ?」
唯「あずにゃぁぁぁんっ!」どさっ
梓「ちょ、いきなり何押し倒して!」
唯「大好き! 愛してる! んむっ」
梓「ん……」
唯「ちゅ……はぁ、ねぇ」
梓「な、なに」
唯「今夜はいっぱいご奉仕させて頂きますね、『お嬢様』」にこっ
梓「~~っ! も、もう、何でこんな時だけメイドらしいの~~っ」


  • (通りかかった執事)それがめいどってもんです。お嬢様。 -- (あずにゃんラブ) 2013-01-10 17:21:42
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最終更新:2010年12月25日 19:49