ある日、二人きりの部室

唯「あずにゃん、今日は寒いね~」
梓「そうですね…へっくし!」
唯「大丈夫?」
梓「だ、大丈夫です…うぅ」
唯「…そうだ!」

何をするのかと訪ねる間もなく、唯先輩はいきなり私を抱きしめた。

梓「な…なに…するんですか?」
唯「あずにゃんがあったまるまで、こうやってあっためてあげる」
梓「い…いいですそんな…」
唯「なんでー?あずにゃん、私のこと嫌いになっちゃった?」
梓「う…そ、そういうわけじゃ」
唯「じゃ、いいよね」

…ダメだ。何も言い返せない。私は大人しく唯先輩の腕の中で力を抜く。
それにしてもあったかいな…唯先輩の体、唯先輩の匂い、唯先輩の吐息…全てが私を温めてくれる…

梓「あの…唯…?」
唯「なあに?」
梓「その…いつもみたいに甘えても…いい?」
唯「えー?ここ学校だよ?」
梓「でももう皆帰っちゃったし…だめ?」
唯「ふふ、もう、あずにゃんったら…うん、いいよ」
梓「ありがとうございます…えへへ」

私は唯先輩の胸に顔を埋めた。とても柔らかくて温かくて、懐かしい気分になる。
…なんだか、お母さんみたいだ。

梓「…唯、ありがとね。私のことあっためてくれて」
唯「…うん。あずにゃんが風邪ひいちゃったら私、やだもん」
梓「あ、でもそしたら唯に看病してもらえるし、それはそれでいいかも」
唯「もぉ、あずにゃんったらぁ」
梓「なんて冗談!私も唯と部活できなくなったらやだよ?」
唯「えへへ、そっか…ねぇあずにゃん、チュー、しようか」
梓「うん、いいよ…学校でするの、初めてだね」
」唯「…うん。じゃ、するね…あたっ」

唯先輩は一度鼻をぶつけてから、私の唇にそっと唇を重ねた。
もう何回もしているのに、唯先輩はまったく慣れない。…私もだけど。
でもそのおかげか、唯先輩の唇の味はいつまでも新鮮だ。

唯「ごめん、失敗しちゃった…」
梓「ううん…ありがとう、唯」
唯「どういたしまして…あずにゃん、もう少しここにいよっか」
梓「うん、いいよ」

私たちは、抱き合ったまま一日の出来事の話を始める。どうやら、今日は帰りが遅くなりそうだ。


終わり


  • いいな -- (名無しさん) 2014-02-01 07:45:51
  • 梓の唯呼び+タメ口は萌える -- (名無しさん) 2018-04-04 00:18:23
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最終更新:2009年11月15日 03:11