梓「はぁ、もう、唯先輩はぁ……」
純「何、また惚気?」
梓「なによそれ、そういうんじゃなくって」
純「ほいほい、聞いてあげるから話してみなよ」
梓「……なんかむかつく。まあいいけど。えっとさ、音楽室に行くとき階段上るでしょ?」
純「まあ、上の階にあるからね」
梓「私と唯先輩が一緒に音楽室に行くときって、たいてい私が先輩の後ろから歩く形になるんだけどさ」
純「ま、梓ならそうするだろうね。で、それがどうしたのよ」
梓「そういう時って、普通はスカート気にするよね?――あ、ごめん、純にする質問じゃなかったか」
純「おーい、私も年頃の女の子なんですけどー。普通に気にするっての……って、あ、そういうことか」
梓「そう!唯先輩ぜんぜんガードしないのよ!……だからこう、私の視点からだと黒タイツに包まれた形の良いお尻がひらひらと……」
純「梓、鼻血。てっかさ、見なきゃいいじゃん。というか後ろ歩いてる側も気を遣うでしょそういう場合ってさぁ」
梓「無茶言わないでよ」
純「無茶なんだ」
梓「とにかく、唯先輩にちゃんとそういうところに気を遣ってもらわないとって」
純「いいじゃないの?なんか現状で利害一致してそうじゃん」
梓「なによそれ。学校ならまだいいけど、地下鉄の階段とかそういうところだと洒落にならないもん」
純「――あー、なるほどね。私の唯先輩の秘部が衆目にさらされるのは避けたいってことね」
梓「べ、別にそんなんじゃ――って言うか、純。言い方が親父臭い」
純「ほっとけ」
梓「あくまで女子としてどうかと言う話だから」
純「また古めかしい考えをお持ちで。ま、そういうことなら梓。心配ないと思うよ」
梓「どういうこと?」
純「私もそこまで現場に居合わせたわけじゃないから、聞いた話になるんだけどね――あの人の鉄壁のガードの話」
梓「なにそれ?」
純「憂のお姉さん――って昔の呼び名で呼んじゃった――まあ、唯先輩ってさ、結構そういうの無防備に振舞うよね」
梓「ああいう人だからね」
純「でも、誰かから『唯先輩のおぱんちゅ見たよ!』って話し聞いたことある?」
梓「それは――って純、言い方――、でもそう言うのって普通黙っておくものでしょ」
純「まあ、そうなんだけどね。でも、あの人の場合――無いんだよ」
梓「へ?」
純「どんなに決定的にな場面でもね、あの人の股下5センチより上が見えたって人はいないんだよ」
梓「まさか、そんなの――ありえないよ」
純「それがありえてるの。ま、もちろん着替えのときとかは別だけどね?そういう時ってまあ文字通り別だから除外するよ」
梓「そういえば、先輩たちからも……そういう話聞いたこと無いかも」
純「そう、だからああ見えても唯先輩のガードって結構硬いんだよ。だから安心していいと思う」
梓「そうなんだ――あ、で、でも」
純「なによ。って、ああ、そういうことね。だからつまり――それってそういうことだと思うよ」
梓「そういうことって――どういうこと」
純「鈍いなあ、だからさ。梓になら見られてもいいってことじゃない?」
梓「わ、私にならって」
純「というより、見せてたって言う方がいいのか」
梓「え、え?えっと、それって――我慢、しなくて良い……って、こと?」
純「何をするつもりかあえて聞かないけど、そういうことでいいんじゃない?」
梓「……えっと、ごめん、私ちょっと出てくる」
純「ほいほい、唯先輩によろしくね……って、早っ!もういないんだけど」

純「さて、と。『そっちに梓行きましたから、後はよろしく』っと」
純「mission completeっと――はぁ、まったく。柄じゃないっての、こんなの」


夏服編
――音楽室への階段にて

唯「んぅ?あずにゃん、どうしたの?鼻血出てるよ?」
梓「唯先輩……なんですか、それ」
唯「え?あ、これ?うん、今日から夏服だから、取って置きの履いてきたんだよ!」フリフリ
梓「フリフリしないでくださいっ!」
唯「どうかなぁ、似合ってる?あずにゃん」
梓「それは……その」
唯「やっぱり変だったかな?」
梓「そんなことは、ないですけど……何でそんなに気合入れてるんですか」
唯「タイツ越しじゃないのあずにゃんに見せるの、初めてだからね」
梓「それは、そうですけど」
唯「タイツだと結構ごまかせちゃうでしょ?だから、あずにゃんががっかりしないようにって頑張ったんだけど……やっぱりダメだったよね」
梓「だ、だからそんなことないです!って言ったじゃないですか!」
唯「じゃあ……どう思う?」
梓「そ、それは……」
唯「はっきり言っていいんだよ?」
梓「じゃあ、その……正直、むしゃぶりつきたいです」
唯「……ストレートすぎるよ、あずにゃん」
梓「そうやって引かれるから、言いたくなかったんですっ!」
唯「そんなことないよ、すっごくうれしいよ、あずにゃん!」
梓「うれしいって言われるのもなんかアレなんですが」
唯「あずにゃんはわがままだねえ」
梓「唯先輩ほどじゃないです」
唯「もう、そんなあずにゃんにはこうだ!」フリフリ
梓「――っ!」
唯「ふふ、ちらちら見えるでしょ。それでいて嫌味のないように見えるようにね、練習したんだよ」
梓「何でそんなことに労力を――っ!ああ、もうっ!」ガバッ
唯「ひゃ、あずにゃんっ」
梓「わかってますよ、もう!こうされたかったんですよね!」ギュウ
唯「うん、えへへ――あずにゃんも、こうしたかったんだよね?」
梓「そうですよ。これじゃずっと我慢してたのが台無しじゃないですか」
唯「あずにゃんは素直じゃないねぇ」
梓「TPOを弁えてると言ってください」サワ
唯「ん……わきまえてる人はこんなところでこんなことしないと思うな」
梓「それは……全部唯先輩のせいです」
唯「へー……ほんとかな?」
梓「嘘です。半分は私のせいです」
唯「じゃあ、半分は私のせいだね」
梓「はい……ずっとはんぶんこですから」
唯「あずにゃんは甘えんぼさんだね……大好きだよ」
梓「私も……大大好きです」
唯「じゃあ、私は大大大好きだよ」
梓「じゃ、じゃあ私は……んっ」チュ
唯「……ふふ、もうおしゃべりはおしまい。ね?」
梓「……はい」チュ


  • 皆下からか上からか見てるよ -- (あずにゃんラブ) 2014-01-02 22:31:16
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最終更新:2011年04月15日 22:24