それは部活を終えて、二人きりで帰り支度をしていた時のこと
梓「なんですか?唯先輩」
唯「あずにゃんって、私のことホントに好き?」
なにを聞くかと思えば…私は半ば呆れて答える。
梓「なに言ってるんですか?好きに決まってるじゃないですか」
唯「……」
唯先輩はなにも言わずに、私をぎゅっと抱きしめた。
その体を抱きしめ返してあげると、唯先輩はふてくされたような口調で話し始めた。
唯「じゃあどうして、私のこと唯って呼んでくれないの?」
梓「それは…一応先輩ですし」
唯「あとその敬語も。なんかよそよそしいよ」
梓「えっと…それは…」
唯「ホントは私のこと、そこまで好きじゃないんでしょ」
唯「唯先輩…」
なんとなく、唯先輩の意図が見えてきた。
多分先輩は、一つ前に進みたいんだと思う。付き合い始めてから結構経ったし、ここで何かを変えたいって思ってるんだろうな。
でも具体的にどうしていいかわからないから、拗ねてみたりしてる…まったく、子供みたいなんだから。
私は右手を唯先輩の頭にポンと乗せてから、優しく語りかけた。
梓「大丈夫だよ、唯」
唯「あ…」
梓「私は唯のこと大好きだよ。だから唯がしてほしいことならなんでもしてあげる。…だから、機嫌直して?」
唯「…うん。わかった」
優しく頭を撫でてあげると、唯先輩はあっさりと頷いた。なんというか、単純だな…そこがかわいいところでもあるんだけど。
梓「ありがと。じゃあ、唯も私のお願い聞いてくれる?」
唯「なあに?なんでも言って?」
梓「今だけでいいから、私のこと梓って呼んで?それから、好きって言って?」
唯「なんだか、欲張りじゃない?」
梓「別にいいでしょ?さ、早く早く」
唯「あ…梓、大好きだよ。これでい…あっ…」
私は素早く唯先輩の唇をふさいだ。その唇はやわらかくて、とても甘かった。
唯「も、もう…不意打ちなんてずるいよ」
梓「いいのっ!ていうか唯、さっき食べたチョコケーキの味がするよ?」
唯「そうかなぁ?…じゃあ梓、きれいにして?」
梓「んもう、唯こそ欲張りなんじゃない?」
唯「えへへ…そうかも」
梓「…唯」
唯「ん?」
梓「大好きだよ」
唯「…うん、ありがとう」
私は唯先輩を強く抱きしめて、この日二回目のキスをした。
終わり
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最終更新:2009年11月15日 03:24