意外と「唯先輩の瞳綺麗だな」とそれに没頭しちゃって
見詰め合ってる照れくささとか忘れちゃってじいっと唯の瞳を見詰め続けて
唯の方が先に「そんなに見詰められたら、照れるよぅ」とテレテレとなるとかもありかも
そういわれて初めて状況に気が付いて「こ、これは違うんです」と真っ赤になってあわてる梓とか


なんとなく今日は唯先輩に甘えさせてあげてもいいかなと少し態度をやわらかくしようと梓が思った日に限って
唯は興味をむける視線をまるで猫のようにあちこちに向けて
ようやく自分に向けたと思った視線もまたすぐに次の対象へと向かって
まあ別にいいですけど、と気にしないフリをするものの、余りかまわれないことに徐々にさびしくなって、いらいらして来て
ぎゅっと唯の両ほっぺたを両手で捕まえて自分の方を向けさせて
「唯先輩は私のほうを見てればいいんです!」と激昂しちゃって
一瞬後我に返って私は何をと思うものの、梓の手のひらの中の唯はにこーと本当に嬉しそうに笑って
「じゃあ今からはあずにゃんのことだけ見るねっ」とその手をすり抜けてぎゅうっと梓に抱きついてきて
「今のは間違いです!」と訂正しようと思っても、現状がずっと望んでたものであり、その心地よさに打ち勝てずに
否定しないまま、それが肯定になると分かっていても、むしろもうそれでいいやと唯の胸の中で丸くなる梓とか


唐突ににらめっこしよう!と言い出した唯に何を突然言い出すのかと突っ込みを入れつつも、結局押し切られるままに付き合うことになる梓
「じゃあスタートねっ」と開始し、どうせ勝負だというならかって見せますとこっそりやる気を出す梓だったけど
唯の前で本気で笑われてしまうような顔をなかなか取ることが出来なくて、無難な表情を繰り返す梓
唯の方も、いざとろうとして見ても梓同様に余り崩した表情がとれなくて、やはり無難な表情を繰り返すのみ
これじゃにらめっこって言うよりはただ見詰め合ってるだけだなと梓は思い、その観点で言うと今までに無い時間唯と見詰め合ってることに気が付く
唯の方も、それに気が付いて少々照れくさい思いを抱えだすものの、にらめっこという前提で始めたその惰性的に目を離せない
次第にお互い表情を作ることも忘れて、ただ見詰めあうだけになる
集中し続けた焦点が徐々にその視界を狭めていき、お互い移すのはただお互いの顔、その眼差しのみになり
その狭窄な世界がだんだんと二人の、それ以外の感覚を麻痺させて行き、自然とゆっくりと、その距離は近づいていく
偶然触れ合った指先は、求め合うように絡み合い、ぎゅっと繋がりあい
それと同じように、それよりももっと深く繋がりあおうとお互いの唇がその距離を縮めていく――
という所で目が覚めて、なんて夢を見てるんだ自分と真っ赤になる梓とか


余韻に浸りつつ、少しずつ整っていく呼吸と鼓動を心地よく思いながら、ふと隣に視線を向けると
まったく同じタイミングでこちらに向けてきた唯の視線と正面からぶつかって
お互い少しきょとんとして、そして一瞬語くすくすと笑いあって
なんかちょっと気恥ずかしいねと言う唯に、あんなことしておいて今更ですと笑って見せて
甘えるようにその胸に顔を埋めて眠りに付く梓とか


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最終更新:2011年06月09日 21:13