梓「進路か…」
梓「高校…どこに行くか早く決めないと…」ポタ
梓「ん?」ポタポタ
梓「雨?」
ザァッー
梓「傘持って来てないからこのままだとびしょ濡れになっちゃう」
梓「ど、どこかで
雨宿りをしないと…」
梓「あ、あそこなら」ダダダ
梓「はぁ…はぁ…」
梓「何とかそんなに濡れずにすんだ」
梓「それにしても…」
唯「それにしても凄い雨だよね」
梓「えっ」
唯「急に降って来たからびっくりしちゃった」
梓「…」
唯「今日、たまたまタオルを持ってて良かったよ」
唯「濡れたままだと風邪、引いちゃうからね」
梓「…」
唯「使う?」
梓「い、いえ…」
唯「遠慮しちゃ駄目だよ」
唯「濡れたままだと風邪、引いちゃうよ」
梓「…」
唯「はい」
梓「そ、それじゃお借りします」
唯「うんうん」
梓「(何か変わった人だなぁ)」フキフキ
梓「(でも悪い人じゃなさそう…高校生なのかな)」フキフキ
梓「あの…ありがとうございました」
唯「ううん、困った時はお互い様だよ」
唯「雨やまないね…」
梓「そうですね」
唯「ところで何年生?」ゴロゴロ
梓「私ですか?中学3年生です」
唯「おぉー、中3」
唯「じゃあ私の方が年上だよ」
梓「それじゃ高校生ですか?」
唯「当たり!4月から高校生になったんだよ」
梓「じゃあ先輩になりますね」ゴロゴロ
唯「先輩…も、もう一回言って!」
梓「えっ?何をですか?」
唯「先輩って」
梓「せ、先輩」
唯「えへへ、先輩だって先輩」
梓「(やっぱりこの人変わってる…)」
ドカーン
梓「きゃあああ!!」ギュウ
唯「…」
梓「…」
梓「す、すいません」
梓「抱きついちゃったりして…」
唯「ううん、平気」
唯「雷、苦手なんだね?」
梓「はい、少し…」
ドカーン
梓「きゃあ!」ギュウ
梓「すいません、また抱きついて…」
唯「苦手何だからしょうがないよ」
唯「雨と雷が止むまで私が手を握っててあげよう」ギュウ
梓「あ、ありがとうございます…先輩」
唯「良いんだよ」
唯「なんたって私は先輩だから」
梓「はい…」
梓「雨、すっかり止みましたね」
唯「うん、そうだね」
梓「それじゃ私はそろそろ行きますね」
梓「ありがとうございました…先輩」
唯「待って」
梓「何でしょう?」
唯「ここであったのも何かの縁だから聞かせてあげよう」
梓「聞かせる?」
唯「実は私、桜ヶ丘高校のけい…」
梓「どうしました?」
唯「ない…ギー太がない!」
梓「ギー太?」
唯「そ、そっか…早く帰りたくて教室に忘れて来ちゃった…」
唯「と、取りに行かなくちゃ!!」
唯「今は聞かせられないけど桜ヶ丘高校に来たら聞かせてあげる」
唯「じゃ、じゃあねー」ピューン
梓「行っちゃった…」
梓「やっぱり変わった人…」
梓「…」
梓「…」
梓「桜ヶ丘高校か」
梓「志望校に入れてみよう…かな」
終わり
最終更新:2011年07月13日 00:44