見上げた先には、満天の星空。
今まで見たことのないような、美しい星の煌めきが私の瞳に飛び込んでくる。
本当にきれいだ…と、素直に感動できていただろう。こんな、こんな状況でさえなければ…!!

唯「おーい、あずにゃーん!魚だよー!タコもあるよー!」
梓「ぎゃぁー!」

そう…無人島に漂着してさえいなければ!

唯「ムギちゃんが焼いてくれたんだよー♪たこたこたーこたーこたこたーこたーこたこたこ焼きムーギちゃん♪」
梓「なんすかその歌…ていうかたこ焼きってそのまんまじゃないですか!」
唯「まぁまぁ、はい、あーん」
梓「むぐむぐ…あ、おいしい…」唯「でしょー?天然のたこ焼きは最高だね!」

ぐっと笑う唯先輩を見て、私はため息をついた。
唯先輩はこんなにかわいいのに…ましてや、今は二人きりなのに…どうして、どうして無人島なの!!

唯「……」
唯(あずにゃんが故郷を思って落ち込んでる…励ましてあげなきゃ!でもどうやって…そうだ!!)

まぁ、こんなことを思っていても仕方ない。がんばらなきゃ!

唯先輩のギター漁とムギ先輩の怪力があれば、こんな無人島でも生きていける気がするし…

唯「あ・ず・にゃ~ん♪」
梓「はい?なんですか、唯先…ぶふっ!」

振り向くと、なんと唯先輩がセクシー(?)ポーズを取り、私を流し目で見つめていた!な、なに考えてんだこの人!?
かなり色っぽ…くはないけど、それでも私にとってはストライクゾーンド真ん中のかわいさだ。私は思わず顔を背けてしまう。

梓「ちょちょちょっと、先輩!な、なななにを…」
唯「うっふん♪あずにゃんが落ち込んでるみたいだから、元気づけようかと思って!」
梓「落ち込んでなんかいません!ていうか、なんでそのポーズなんですか!」
唯「いやぁ、あずにゃんにはお色気作戦がいいかと思って…セクシーでしょ?」
梓「セクシーじゃないです!全っ然!」
唯「がーん!ひ、ひどい…」

唯先輩はよよよ…と泣き出した。まぁ嘘泣きだろうけど…

梓「まぁ、セクシーではないですが…プリティーではありました」
唯「ホント!?私、プリチーだったの?」
梓「…はい」
唯「あ…あずにゃぁん!!」
梓「きゃうっ!」

唯先輩に抱きつかれた私は、背中から地面に倒れた。
唯先輩の汗ばんだ肌が私の肌に密着すると、なんだかイケナイ気分になってしまいそうだ。

梓「ゆ、唯先輩…だめですよ、こんなところで」
唯「だってあずにゃんにかわいいって言われるの、うれしかったんだもーん」
梓「…もう」

ザザーン…ザザーン…

波が打ち寄せる音を耳にして、私たちはロマンチックな雰囲気に包まれる…

梓「って唯先輩!なんで水着をぬ、脱ぐんですか!」
唯「え、だってあずにゃんとくっついたら暑いから」
梓「だ、だめです!ちゃんと着なさい!」
唯「やだー!暑いー!」
梓「いいから、着てください!こんなとこを律先輩たちに見られたら…」

澪「おーい、デザートの木の実ジュースだぞー…はうぁっ!」
紬「まぁ…まぁまぁまぁ…」
律「これは売れる…」カシャ

梓「…な、なんでデジカメが…」
唯「きゃっ♪恥ずかしい!」

…それ以後、私と唯先輩は軽音部公認カップルになりました。いや、うれしいことはうれしいんだけど…
見られた場面が場面なだけに、相当深い関係に思われてしまったようです…

ま、いっか♪

おわり


  • りっちゃんが畑さんに見えた -- (名無しさん) 2010-12-10 13:24:46
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最終更新:2009年11月26日 11:39