ある日の夜、私はベッドに腰かけてギターの練習をしていた。
まぁそれ自体は何も特別なことじゃないんだけど…問題なのは場所だ。
今私がいるのは、自分の部屋ではない。ましてや、自宅でもない。ではどこかというと……

ガチャ

唯「ふ~、あずにゃんおまたせ~♪」
梓「あ、唯先輩…」

扉を開けて部屋に入ってきたのは、お風呂上がりの唯先輩…そう、今日私は平沢家に泊まっているのだ。
まぁ名目上はギターの練習ということになっているんだけど、実際は…まぁ、二人で……その、色々するためだ。

唯「まだ練習してたんだね。お疲れさまっ♪」
梓「い…いえ、今終わりにしようと思ってたところです」
唯「そっか♪横、座ってもいい?」
梓「ど、どうぞ」
唯「ありがとー♪よっと…」
梓「……」

湿っぽい髪から香る、シャンプーの匂い。私を映す、つぶらな瞳。赤く火照った頬。弾力のありそうな、ピンクの唇…唯先輩を彩る一つ一つの魅力が、妖しく私を惑わせる。
…唯先輩、かわいいな。もちろん普段もかわいいんだけど…今は特別にかわいい。

ど、どうしよう私…すごくドキドキしてる……が、我慢できない……

梓「ゆ…唯……唯先輩っ……!!」
唯「わっ……!!」

唯「…あ、あずにゃん

唯先輩に抱きつくと、私の胸に柔らかいものがひしゃげる。
決して大きいとは言えないかもしれないけど、決して小さいというわけでもない、唯先輩の胸。

ま…まずい……私……

梓「あっ…あの……」
唯「…触りたい?」
梓「はい……私、なんか…もう、ダメみたいです」
唯「あはは、今日のあずにゃんはせっかちだね?…いいよ。触って?」
梓「……」

私は唯先輩の胸に手のひらを重ねた。
お風呂上がりで寝る前、さらにこういうことをするのを前提とするなら、薄いシャツの下には何もつけていないわけで。
私の手のひらには唯先輩の胸の感触がほぼそのまま感じられるわけで…ま、まずい……

梓「はぁ、はぁ……ゆ…ゆい…せ……」
唯「…あっ…あずにゃ…い…いい……よ?んぅ…んっ……!!」

私は唯先輩に唇を重ねた。本能の赴くままに、私の舌は唯先輩を求めていく。
あぁ、私はこの人のことが好き。好きすぎて、頭がおかしくなってしまいそう。好き、好き、好き、好き、好きっ……!

梓「んはぁっ……はぁっ、はっ……唯…せ…ゅっ……」
唯「あ…ず……んっ……!ぁうっ……!」

――そして暗闇の中、私たちはお互いの体を求め合った。

翌日、いつものように皆でお茶を飲んでいると……

唯「ふわ~ぁ……」
梓「ふわ~ぁ……」
紬「…ねぇ唯ちゃん」
唯「なあに?」
紬「唯ちゃんのお家って、この時期に蚊が出るの?」
唯「え?出るわけないじゃん、なんで?」
紬「だって…首のとこ赤くなってるから♪」
唯「えっ!?」
梓「ぶー!!」
澪「梓……」

私はお茶を澪先輩に盛大にぶっかけてしまったけど、そんなことはどうでもいい。
ムギ先輩が指摘した、唯先輩の首の赤い跡。その理由は何を隠そう、昨晩の私……こ、これはまずい!

唯「そ、そうかな!?あはは、き、気のせいだよ♪」
梓「そ、そうですよ!多分ただのあせもです!」
紬「あせも、ねぇ…」
律「……///」
澪「……///」
紬「唯ちゃん、一つ気になってたんだけど、どうして今日は梓ちゃんと同じシャンプーの匂いがするのかしら?」
唯「あっ!い、いや、その……」
紬「それに…梓ちゃんが着てるブラウス、少しサイズが大きいみたいだけど、どうしたのかしら?」
梓「う…それは……」
紬「うふふ♪」

昨日乾かなかったから唯先輩に借りた…なんて言えない…!
うう、ムギ先輩のバカぁ……!!

律「…澪」
澪「あぁ、気をつけよう…」

その夜、再び唯先輩の家にて……

唯「ねぇあずにゃん…今日はどうしてもダメなの?」
梓「あ、当たり前です!昨日の今日でそんなことできません!まったく、唯先輩は少し自制心を持ってください!」
唯「…昨日はあずにゃんからしてきたじゃん。だいたいそういうなら私の家に泊まらなきゃいいのに。あずにゃんの意地悪」
梓「唯先輩……」キュン…♪

あ、私唯先輩に求められてドキドキしてる……?
もちろん私も唯先輩を求めてるわけで…あぁ、また私興奮してきちゃった……

梓「ま、まぁ…どうしてもっていうなら、いいですよ?私だって鬼じゃありません」
唯「じゃあ…今日はこうしよう」

唯先輩はシャツの上から私の胸を撫でた。
その絶妙な手付きに私の体はびくっと震えて…スイッチ、オン。

梓「あんっ…♪ちょ、唯先輩、いきなりダメです…ん……♪」
唯「ん…はっ…そ……そんなこと…言って…っ…あっ…ずにゃ…だって…もう……」
梓「…だっ…て……気持ちいいんだもん……♪んちゅ……」
唯「ふふっ…♪やぁ…んっ……♪あんまりちゅーちゅーしちゃダメえ……♪」

――そして今夜も、私たちはお互いを求め合ったのだった。

さらに翌日、お茶の時間

紬「…ど、どうして唯ちゃんとりっちゃんの首はこんなに赤いのかしら?」
唯「やだなぁムギちゃん…聞くのは野暮ってやつだよ♪」
律「そ!これは愛の結晶みたいなもんだからな!」
紬「ひ、開き直るなんて……」

そう、愛の営みの結晶に隠しだてはいらない。堂々とすべきなのだ。
私たちだけではない。澪先輩たちも、それを実行している!

梓「…澪先輩、昨晩は…?」
澪「うん…梓も?ところで律ったらさ、私の胸に顔乗せると赤ちゃんみたいでかわいいんだよ♪前髪下ろして『みおー…』なんて呟いた日にはもう……♪」
梓「唯先輩だって!私が服を脱がせてあげると『あずにゃん…』なんて心細そうに言うんです!もうホント、食べちゃいたいです♪」

紬「…負けた……けど、勝った!!」グッ

終わり


  • 唯梓スキーで律澪スキーな私にとって正に神作! -- (通りすがりの百合スキー) 2011-01-03 23:03:00
  • このシリーズの作者さん好きだな/// -- (鯖猫) 2012-09-04 03:50:40
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最終更新:2010年02月02日 10:54