その日、いとしの唯先輩が風邪で学校を休んだ……
律「よーし、じゃあ唯抜きだけど練習始めるか!」
梓「はいっ!」
澪「あ…あの、梓?」
梓「なんですか澪先輩、早く準備してください!唯先輩がいない分頑張りましょう!」
澪「それはやまやまなんだけど…とりあえず、私のベース返してくれ」
梓「え?…あ」
律「なぁ、やっぱ唯のお見舞いに行った方が…調子出ないみたいだし」
梓「な、なにゆうとるんですか!私は全くもっていつも通りですたい!」ガサゴソ
律「…なんで博多弁?」
そう、こんな時だからこそ冷静にいなきゃダメなんだ。
確かに唯先輩のことは心配だけど…インフルエンザならともかく、ただの風邪で大騒ぎするほど私は子供じゃない。
どうせ明日になればあっけらかんと笑顔を見せてくれるはずだしね!
梓「さぁ、それじゃ始めますよ!」
紬「あ、梓ちゃんギター裏表逆!弦が制服に引っ掛かってるわ!」
梓「……あ」
律「…やっぱ帰れ」
ということで私は唯先輩のお見舞いに行くことになった。
まぁ先輩方がそこまで言うなら仕方あるまい…部活代表として、責任を持って行くとしよう。
梓「ではお先に失礼します!」ダッ!
律「はやっ!」
梓「唯先輩大丈夫ですか?痛いとこないですか?お腹空いてないですか?喉渇いてないですか?寒くないですか?かわいいですよ?あと、あと…」
唯「お、落ち着いて
あずにゃん…」
ごめんなさい、本当は全然冷静なんかじゃなかったです…
一日中唯先輩のことが心配で心配でどうにかなりそうだったです…(実際授業中に5回『唯先輩っ!!』と叫んだ)
梓「唯先輩…」
唯「大丈夫だよ。まだちょっとだるいけど朝に比べるとだいぶよくなったから」
梓「そうなんですか?でもまだ顔赤いし…あ、薬は飲んだんですか?」
唯「うん♪お昼のでなくなっちゃったから、今憂が夜の分買いに行ってくれてるんだ」
憂だって学校から帰って一息つく間もなく唯先輩のために頑張っている。
なのに、恋人の私は何もできないなんて……
梓「あの、唯先輩…なにか私に出来ることありませんか?私、先輩が苦しんでるのに何もできないなんて耐えられないです」
唯「ホントに大丈夫だよ。一緒にいてくれるだけで十分だから」
梓「なんでもいいんです!どんな小さなことでもいいですから、唯先輩の役に立たせてください!」
唯「あずにゃん…」
梓「…お願いです。私、なんでも」
唯「…じゃあね……」
梓「なんですか!?」
唯「一緒に…寝てくれる?」
梓「はいっ!!……え?」
唯「だめ…?」
梓「そ、そういうわけじゃ…」
私は思いがけずドキドキしてしまう。
頬を赤く染めて、潤んだつぶらな瞳を私に向ける唯先輩は、その…今までにないくらいにかわいかったから。
ば、ばか!病人相手に何考えてるんだ私は…
梓「い…いいですよ」
唯「ありがとう♪」
私は必死で平静を保ちながらブレザーを脱ぐと、唯先輩の布団に体を潜り込ませた。
しっとり汗ばんで、火照った体。その柔らかさと熱が、ぐらぐらと私の理性を揺らがす。
唯「あずにゃん…?」
梓「なっ…なんですか…?」
唯「私の風邪…移ったらやだ?」
梓「そんなこと…ないですよ?唯先輩の風邪なら、喜んで引き受けます」
唯「じゃあ…あずにゃんに私の風邪、あげる」
そう言うと唯先輩は私の腰に手を回しギュッと抱き寄せて…キスをした。
唯「ちゅっ……ふっ…♪あず…にゃん…っ……♪」
ど…どうしたんだろう唯先輩。こんなキス、唯先輩の方からしてくることなかったのに…
梓「はぁ、はぁ…唯先輩…」
唯「あず…にゃん……はぁ…ふぅ…」
あ…私ダメかも…今日の唯先輩、色っぽすぎるよ……
梓「唯先輩……体、熱くないですか?」
唯「うん、あつい…ぽかぽかする…」
梓「じゃあ…もっと熱くなって汗をかきましょう。風邪を治すには、たくさん汗をかくのが一番なんですよ?」
唯「うん…」
私たちはお互いに着ているものを脱がせ合った。そのたびにベッドが揺れるギシギシという音が、静かな部屋に妖しく響く。
途中で私は我慢できなくなって、裸の唯先輩の胸に手を当てた。すると――
唯「ひゃうっ……んぁっ……!!」
唯先輩が発した、今まで聞いたことのない声。
普通なら驚くところだろうけど、完全にその気になっていた私はさらに欲望を駆り立てられてしまった。
それでもわずかに残る理性を振り絞って、唯先輩に言葉をかける。
梓「ご、ごめんなさい…嫌、ですか?」
唯「違うよ…?すっごく気持ちいいの……もっと触って……?」
梓「にゃっ……わ、私の触りながら言わないでくださいっ……あ、あぁんっ……♪」
唯「…ふっ…ふぅっ……はっ…はぁっ……♪」
結局、私たちは日がくれるまで絡み合った。お互いに体を火照らせながら、汗だくになりながら。
最後の頃には、風邪とかどうでもよくなってて…ただ本能のままに、私たちは愛を確かめ合ったのだ。
梓「うぅ…」
翌日、私は見事に風邪をひいていた。完全に唯先輩からいただいてしまったのだ。
なんとか学校に来る体力があるだけよかったけど……
澪「見舞いに行って風邪移されるなんて、まさにミイラ取りがミイラになる、だな」
梓「い、いいんです別に!」
律「でも変だな。今回の風邪は熱だけでくしゃみは出ないのに、なんで移ったんだ?」
唯・梓「!!…///」
澪「…り、律。人体は不思議なんだ。そういうこともあるんだよ」
律「そうなのかー」
唯「そ、そうそう!不思議なんだよ!」
梓「気持ちが通じ合っているからこそ、風邪も移ったんです!」
危ない危ない、同意の上とはいえ、病人とゴニョゴニョしたなんて知られたらさすがにまずい…
あの後、裸でいるところを憂に見られて小一時間お説教されちゃったし…でも、まぁ……
唯「…あずにゃんあずにゃん♪」コソコソ
梓「はい?」
唯「今夜も…してあげるね♪」
…風邪って最高です!
紬「……」
律「おいムギ、いつまで寝てるんだ?早く起き…」
紬「粘膜感染!?」クワッ
おしまい
- これ…最高ですね。風邪色っぽいわぁ… -- (haru) 2010-07-03 01:25:32
- 素晴らしい -- (名無しさん) 2010-09-19 13:22:03
- 粘膜感染ww -- (名無しさん) 2010-09-23 02:51:28
- これいいね! -- (名無しさん) 2012-01-29 00:01:49
- ムギww -- (名無しさん) 2012-09-16 21:19:35
- 何か紬さん覚醒した?W -- (あずにゃんラブ) 2013-12-31 03:38:19
- 素晴らしい -- (ゆいあず最高) 2017-05-12 00:48:33
- 粘膜なら仕方ないな -- (名無しさん) 2020-02-05 23:54:40
最終更新:2010年02月04日 13:48