いつもと変わらぬ
放課後。しかしいつもと違う少女が一名…
―――――――――――――
「あ~ず~にゃんっ!今日もかわいいね~」
そう言いながら今日も私は
あずにゃんに抱きつく
「ちょっと、唯先輩苦しいですっ!」
なんて言いながらしっかり私の腕を握って離れようとしないあずにゃん
もう、なんて可愛いんだろうっ!このままずっと抱きしめていたいよ…あずにゃんがコワレルクライニ
…っとだめだめ!みんなが見てるんだからほどほどにしないとね
「まったく、唯は本当に梓がお気に入りだな」
「梓ちゃんも、まんざらじゃないみたいだしね」
「おーい、いちゃつくんなら二人のときだけにしてくれよなー」
なんてみんながからかう。もう私たちは部公認だね!そうだよね、あずにゃん?
「なっ!…いちゃついてなんかいません!さぁ唯先輩、練習しますよ!」
そう言いながらあずにゃんが私の腕を振り払う…もうちょっと素直になってもいいのに…
まぁ、そんなとこも可愛いんだけどね!
でもね、抱きつくだけじゃ最近満足できなくなったの…
触れ合うだけじゃなく、もっとあずにゃんを近くで感じたい…そう、モット…
だから今日は、前々から考えてたことを実行したいと思います!
これで私もあずにゃんも、お互いをもっと近くに感じることができるよね…
「うーっ、Fコードは難しいなー」
「大きなギター使ってると余計に弾き難いですよ。練習あるのみです」
「はーい、ギー太のためにもっと練習しなきゃね!」
「はい、その意気です!」
なーんて真面目に練習しながら…
―――ピッ
「痛っ!」
「どうしました?」
「指の皮剥けちった…」
「わっ、血出てるじゃないですか!」
えへへー、実はこれわざとなんだよねー
「まぁ大変、救急箱は…」
ムギちゃんありがとう、でも今日は絆創膏いらないや…私の絆創膏は目の前にあるカラ…
「ねぇあずにゃん」
「えっ?!どうかしましたか?」
「あのね、私の指なめて血止めて!」
「はいぃ?!」
「えっ、えぇ!!」(ガシャン)
って何でムギちゃんがあずにゃん以上に驚いてるの?…というか救急箱落としてるよ
「なっ、何で私が…第一ムギ先輩が救急箱で治療してくれるでしょう!」
「確か絆創膏ないんだよねー…ねっ、ム・ギ・ちゃん?」
そう言ってムギちゃんに視線を送る…分かってくれるよね、ムギちゃん?
「あ、あぁ…そうね、今は切らしてるみたいね…」
なんて言いながら、靴で絆創膏の箱を踏み潰すムギちゃん。さっすが、話が分かるぅ!
「だったら、保健室に行ってもらって来れば…」
「えーっ、早く止めないと出血多量で死んじゃうかもー」
なーんて…そんなことないんだけどね
「おい梓ー、愛しの唯先輩が死んでもいいのかー」
「そうよ、唯ちゃんを助けてあげて!」
「うぅ…早く血を止めて…」ガクブル
みんな、ナイスフォロー!さぁあずにゃん、早く私の指を舐めて!
「先輩方がそう言うなら…じゃ、じゃあ唯先輩いきますよ」
「うん、お願いね」
えへへ、作戦大成功!
あぁ、これで私があずにゃんのナカニ…
―――チューッ…チュパ…チュパ…
「んっ…んんーっ」
「っ…ん…」
放課後の音楽室に響く音。それは、あずにゃんが私の指を吸うオト…
あずにゃんが指を吸えば吸うほど、心臓の鼓動がハヤクナル…指先がアツクナル…
ドクドクと、私の血があずにゃんの中へとナガレテイク…
私の血が止まらないから、あずにゃんがいつまでも吸うの止めれないよ
でも、苦しそうな顔しながら吸うのを止めないあずにゃん…
なんか手に温かな息が当たってるよ…どんどん鼻息が荒くなってるね、あずにゃん…
どうしてかな?苦しかったら止めてもイインダヨ?もしかしてあずにゃんウレシイノ?
もしそうなら、私ウレシイナァ…
んーっでもいい加減止めないと、ホントに出血多量で死んじゃうかも…
「あずにゃん、もういいよ」
「…んっ…んっ…」
あれれ、聞こえてないの?そんなに集中してるの?嬉しいけど、あずにゃんに殺される気はないなぁ
名残惜しいけど…
「あずにゃん!もう止めて!」
「っ!!…」
思わず大声出しちゃった…あずにゃんの小さな体が、大きく震えたのが分かった
ごめんねぇ、驚かせちゃって…
「あっ…あ…すいません…血が止まらなくて、ずっと…」
下をうつむいたまま、申し訳なさそうに呟くあずにゃん…ううん、あずにゃんは全然悪くないよ
悪いのは、ワタシだから…
「大丈夫だよ、ありがとねあずにゃん」
そっとあずにゃんの頭に触れる。そしたら顔を上げてくれたよ
「えっ、あっ…はい…どういたしまして…です…」
あずにゃんの口真っ赤。後で紅茶でキレイに洗い流さなきゃね…
「やっぱ自分で止めるよ…」
そう言ってワタシは、ワタシの血とあずにゃんの唾液まみれの指をワタシのクチへ…
―――チュパ…チュパ…
「んっ…んーっ…」
今度はワタシが指を吸うオトだけが音楽室に響く…
あずにゃんはずっとワタシを見ている…そんなに見つめられると、私照れるよ…
血と唾液の混ざったモノがワタシの中へ流れていく…
あずにゃんのDNAがワタシに、ワタシのDNAがあずにゃんにナガレテイク
エヘヘ…ワタシタチ遺伝子レベルでつながっちゃったよ…
「っはぁっ!」
私の指についたあずにゃんの唾液を吸い尽くし、久しぶりに口から指を出す
「あ…あの、唯先輩…」
んっ?どうしたのあずにゃん、そんな顔して?
「どったの?」
「え…えっと…血は…止まりましたか?」
なぁんだ、そんなことかぁー…
「うん、あずにゃんのおかげで止まったよ!ほら!」
私はさっき口から出した指をあずにゃんに見せる
「よかった…よかった、です…」
あれれ、なんかあずにゃん泣きそうだねぇ…何で?
「ずっと…血が止まらなくて…このまま…唯先輩が…し、死んじゃったらって」
あずにゃんが、蚊の鳴くような声でそう呟く…
小さな体が、さらに小さくなって震えてる…ごめんねぇ、私のせいなんだよ
「ごめんね、あずにゃんは何にも悪くないよ…」
「でも、何か…唯先輩の血を吸えるのが…段々と嬉しくなる自分が怖くなって…」
「えっ…」
その一言に背筋が凍るのを感じた。でも、それ以上に嬉しいと感じる自分がいた
「自分が…ワカラナクテ…唯センパイが止めたのにキヅカナクテ…」ガタガタ
アァ、なんてカワイイんだろう…ウレシイ、ワタシタチは通じアッテルンダ…
でも、その思いをあずにゃんにツタエナイト…あずにゃんがコワレテシマウ…
「大丈夫だよ、あずにゃん」
優しく呟きながら、血が止まったばかりの指であずにゃんの唇に触れる
「ワタシモ、オナジダカラ」
微笑みながら、そう伝える…もうこれ以上のコトバはイラナイ
「だから、大丈夫」
あずにゃんの震えは収まった、そしていつもの表情で
「はい…分かりました…」
よかった、伝わったんだね…
いつの間にか下校時間を迎えていた、そしていつの間にか3人が帰っていた
どこで帰ったんだろ?明日何か聞かれるかな?まっ、今はいいや!その時に考えよ
「じゃ、帰ろっか!」
いつもの調子で話しかける
「そうですね!」
あずにゃんも、いつもの調子で返す
荷物を持って扉の前で私は呟く
「今度は、あずにゃんのを吸わせてね」
その一言を残し、私は音楽室から出て行く
その言葉を聞いてあずにゃんは固まったみたいだけど、すぐ元に戻ったみたい
足音が私に近づいてくるから…小さくて可愛らしい、あずにゃんの足音が
あーあ、明日からどうなるのかなー。楽しみでもあり、怖くもある…かな?
でもダイジョウブ…ワタシタチハもう、ツナガッテルカラ…
- なんかこわひ(°A°;) -- (名無しさん) 2010-06-30 23:47:49
- もっと病んでてもいいくらい。 -- (名無しさん) 2010-07-02 16:21:40
- カタカナのとこ怖い(TA) -- (名無しさん) 2010-08-12 07:17:24
- 違和感な病み方もう少し自然に振舞うべき -- (名無しさん) 2010-08-13 23:42:12
- カタカナにすりゃいいってもんじゃねーぞ -- (名無しさん) 2011-02-06 03:41:03
最終更新:2010年03月16日 04:14