「ゆ、唯先輩…ですよね…?」
「?」

こんにちは、毎度お馴染み中野梓です。突然ですが大変です。唯先輩が幼児になってしまいました!

「……」ジーッ
「え、えっと…」
「だっこ!」ギューッ
「うぇっ!?あっ、ちょ…あぶな…」
「おねえちゃーん♪」

か…かわいい。何がどうしてどういうわけでこうなったのかはわからないけど、とにかくかわいい!
熱を帯びたかのように赤く染まったほっぺはぷにぷにで、いつも以上に積極的に抱きついてくるその体は折れてしまいそうなくらいに華奢でやわらかくて。
何よりも、その笑顔が私の心をきゅんきゅんと惑わせるのだ!

「ま、まぁ、しばらくはこうしててもいいよね。山で迷ったら下手に動くよりじっとしてた方がいいらしいし。…あ、山は関係ないか…」
「ねぇねぇおねえちゃん!」
「は、はい?」
「わたしね、ゆいっていうんだよ。おねえちゃんは?」
「え?私は梓ですけど…名前忘れちゃったんですか唯せ…」

いや待てよ?こんなちっちゃな子に敬語使ったり先輩付けで呼ぶのっておかしいよね。
ここは自然に、自然に…

「わ、私はね、梓っていうんだよ、ゆ…唯…ちゃん!」
「あ、あず…あ、あ…あずにゃん!」
「あら…」

よほど私のあだ名が体に染み付いているのか、ちび唯先輩は何度教えても私をあずにゃんと呼んだ。
まぁ嫌いな呼び方ってわけじゃないし、いいんだけど。…かわいいし。

「あずにゃん、わたしおなかすいた!」
「あ、確かムギ先輩が持ってきてたクッキーがここに…あった!はい、食べていいよ」
「わーい!いただきます♪サクッ」
「どう、おいしい?」
「うん♪おいしいからあずにゃんにもあげる!はい、あーん!」
「あ、ありがとう…あーん」
「おいしい?」
「うん…おいしいね♪」
「ねー♪」

なんだか、妹ができたみたいな感じ…えへへ、こういうのなんかいいかも。

「あずにゃん?」
「ん?もっと食べたい?」
「ちゅっ♪」
「んにゃっ…!な、な…?」
「えへへ♪しってるあずにゃん?だいすきなひとにはね、ちゅーするんだよ♪」
「え…だ、だいすきって…私を?」
「うん♪わたし、あずにゃんだいすきっ!」
「そ…そっか。私も…だいすきだよ、唯ちゃん」
「じゃありょーおもいだ!これでけっこんできるね!」
「けっ…!?」
「わたしおおきくなったら、あずにゃんのおよめさんになる!」
「あ…あはは、ありがと…///」

な、なにどぎまぎしてんだろ私。相手はこんな小さな唯先輩なのに。…いや、唯先輩だからなのかな…?

「じゃあもいっかいちゅーしよ?ちかいちゅー!」
「誓いのキスだね。…わ、わかった」
「せんせーい!わたし、ゆいは!」
「宣誓はちょっと違うような気もするけど…ま、いっか」
「あずにゃんのことを、いっしょうしあわせにすることをちかいます!あずにゃんはちかいますか?」
「ち…ちかいます」
「じゃあちゅーします!ちゅー♪」
「…///」
「ふぅ!あれ、あずにゃんまっかだよ?」
「あ、あったかいからだよ。あはは」

や、やば。本当にドキドキして、幸せな気分だ…
小さい唯先輩でこんなだったら、元の姿だったら…って、な、なに真面目に考えてんだわたし!?

「あずにゃーん♪」
「あはは…まぁなんでもいっか♪唯ちゃんは大きくてもちっちゃくてもあったかいんだから♪」

おしまい


  • テンポいいし面白い -- (鯖猫) 2012-10-26 06:47:23
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ここでキスシーンを三人が目撃! -- (あずにゃんラブ) 2013-03-07 01:24:30
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最終更新:2010年03月27日 13:47