梓「唯先輩、そっちに行ってもいいですか」
唯「うん?どうしたの?」
梓「これといって理由はないんですけど、変ですか?」
唯「ううん、何も変じゃないよ。おいで♪」
梓「!」

優しい声をかけられ、パァッと表情が明るくなる梓。
ソファーに座っていた唯は、「ここ、ここ」と、
自分の膝を叩いて誘導した。

梓「し、失礼します///」
唯「そんなに畏まらなくてもいいよぉ」

そっと唯の膝に腰を落とす梓。
唯は梓が座りやすいように、かつお尻が痛くならない程度に
膝の間隔を調整して、梓が落ち着くのを待った。

唯「お尻痛くない?」
梓「はい。平気です」
唯「ぎゅってしてもいい?」
梓「いつもならそんなこと聞かないじゃないですか」
唯「そーいうムードなの」
梓「唯先輩がムードを語るなんて」

話しながら、唯は梓のお腹に手を回す。
梓はそれに応じるように唯の手に自分の手を置いた。
しばらく、そのまま、無言の時間が過ぎていく。

梓「あとで、ギターの練習しましょうね」
唯「そうだね、学園祭も近いし」
梓「意外ですね。いつもなら嫌がるのに」
唯「そーいうムードなの」
梓「後で心変わりしてもダメですからね」
唯「あ、ちょっと待って」
梓「待ちません」
唯「あぅ…」

唯はうなだれるように梓の肩に顎を乗せる。

梓「なんですか」
唯「やっぱ取り消しぃ~」
梓「受け付けません」
唯「むぅ~」
梓「顎ゴリゴリしないでください。普通に痛いです」

しばらくして、唯は梓のお腹に回した腕を解くと、
首に腕を回すようにして「あ~ずにゃん♪」と寄りかかった。

梓「今度はなんですか…」
唯「学園祭、絶対に成功させるからね」
梓「っ…」

耳にかかるような唯の声に、思わずドキッとする梓。
その言葉からは、唯なりの「学園祭を成功させる」
という信念が見えたような気がした。

梓「当たり前なこと、言わないでください…」
唯「あはは、だよねー」
梓「そう言うからには、体調管理はしっかりしてくださいね」
唯「あずにゃんもね。当日は何事もなければいいなぁ~」
梓「平和すぎるのもどうかと思いますけど」
唯「へ?どして?」
梓「何も起きないのも、かえって私たちらしくないかもって」
唯「あずにゃんも毒されてきましたなー」
梓「……」

梓は一瞬黙り込むと、目を閉じて、
やがてフッと息を吐くと、小さく笑ってこう言った。

梓「今更ですよ…」

後ろから抱き締める唯の腕を、
しっかりとその手に握りしめながら……。




end.


  • ほのぼのしてていいね~♪ -- (匿名希望) 2014-07-31 23:04:00
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最終更新:2010年08月08日 04:18