12月25日、クリスマスです。
今年も皆で家に集まってパーティーをした後
私は皆と帰り道の違うムギちゃんと一緒に、駅前まで歩くことにしました。
今年も皆で家に集まってパーティーをした後
私は皆と帰り道の違うムギちゃんと一緒に、駅前まで歩くことにしました。
だって、今日は特別な日だから。
二人っきりになれたら、もしかしたら、いい雰囲気になって、それから…なんて。
淡い期待をしてしまったりもするのです。
二人っきりになれたら、もしかしたら、いい雰囲気になって、それから…なんて。
淡い期待をしてしまったりもするのです。
しばらく二人で歩いて、今夜は冷えるね、雪降るかな、とそんな話をしていると
「わぁ、みてみてムギちゃん!雪だよ!」
「ほんとだ…!」
「ホワイトクリスマスだねー!」
「そうねー!」
「わぁ、みてみてムギちゃん!雪だよ!」
「ほんとだ…!」
「ホワイトクリスマスだねー!」
「そうねー!」
本当に降ってきましたよ。なんというタイミング。
見慣れた駅前の風景も、イルミネーションに照らさた雪のおかげか、とても幻想的だった。
このシチュエーションが尚更そう感じさせるのかな?
見慣れた駅前の風景も、イルミネーションに照らさた雪のおかげか、とても幻想的だった。
このシチュエーションが尚更そう感じさせるのかな?
「きれーだねー」
「うん、本当に」
「うん、本当に」
景色もそうだけど、綺麗だねって言ったのはそれだけじゃなくて。
隣にいるムギちゃんのことも、だった。
しんしんと降る雪の中、空を見上げる彼女はそれだけで絵になっていて。
そう、まるで…
隣にいるムギちゃんのことも、だった。
しんしんと降る雪の中、空を見上げる彼女はそれだけで絵になっていて。
そう、まるで…
「ムギちゃんは、天使みたいだね」
「え!?」
「ふわふわで綺麗な髪だし、眼も透き通った青い色だし」
「いつも優しくて、ニコニコしてて、あったかくて」
「こんな綺麗な景色の中だと、本物の天使みたいに見えるなぁって」
「もう、唯ちゃんたら。お世辞なんて言っても何も出ないよ?」
「ちがうよー!ホントにそう思ってるんだよ!」
「ふふふ…ありがとう//」
「え!?」
「ふわふわで綺麗な髪だし、眼も透き通った青い色だし」
「いつも優しくて、ニコニコしてて、あったかくて」
「こんな綺麗な景色の中だと、本物の天使みたいに見えるなぁって」
「もう、唯ちゃんたら。お世辞なんて言っても何も出ないよ?」
「ちがうよー!ホントにそう思ってるんだよ!」
「ふふふ…ありがとう//」
そう言うしかないくらい、ムギちゃんは綺麗だった。
私がこんな気持を持ってるから、余計にそう見えるのかな?
でも、照れているムギちゃんを見ていると、こっちもなんだか恥ずかしくなってきちゃう。
どうしよう、ドキドキしてきちゃった。顔も熱くなっちゃうし。
ここはいつもみたいに、冗談の一つでも言ってみようかな?
私がこんな気持を持ってるから、余計にそう見えるのかな?
でも、照れているムギちゃんを見ていると、こっちもなんだか恥ずかしくなってきちゃう。
どうしよう、ドキドキしてきちゃった。顔も熱くなっちゃうし。
ここはいつもみたいに、冗談の一つでも言ってみようかな?
「でもせっかくだから、天使さま?」
「はい、なんでしょう?」
「私にプレゼントください!」
「ええ。いいわよ」
「あれ?ほんとに!?」
「うん。いつも唯ちゃん頑張ってるから。私に出来ることなら、ね?」
「あはは// ちょっとした冗談のつもりだったんだけど」
「はい、なんでしょう?」
「私にプレゼントください!」
「ええ。いいわよ」
「あれ?ほんとに!?」
「うん。いつも唯ちゃん頑張ってるから。私に出来ることなら、ね?」
「あはは// ちょっとした冗談のつもりだったんだけど」
「でも、私に出来ることならなんでも言ってね?」
「今日だって、唯ちゃんの家でパーティーさせてもらったし」
「私もなにかしてあげたいな」
「気にしなくていいよー。私のほうがいつもムギちゃんにお世話になってばっかりだし…」
「いいのよ。それは好きでやっていることだから」
「ほらほら、天使さまにどーんど、お願いしちゃってください!」
「今日だって、唯ちゃんの家でパーティーさせてもらったし」
「私もなにかしてあげたいな」
「気にしなくていいよー。私のほうがいつもムギちゃんにお世話になってばっかりだし…」
「いいのよ。それは好きでやっていることだから」
「ほらほら、天使さまにどーんど、お願いしちゃってください!」
そういえば、いつからかムギちゃんともこういう風に
冗談を言い合えるようになったんだよね。
それだけ打ち解けたのかな。私に心を許してくれてるのかな。
だったら、すごく嬉しいな。
冗談を言い合えるようになったんだよね。
それだけ打ち解けたのかな。私に心を許してくれてるのかな。
だったら、すごく嬉しいな。
「うーん、それじゃあ…」
一緒に帰ろうといった時から、まさに思い描いていたような状況
いまなら、言えるかな?
ううん、今言えなかったら、たぶん…言えない気がする。
もうこの想いを胸の中だけに留めてはおけない。
元々我慢できる性分じゃないんだ。
それは自分が一番良くわかってる。
ううん、今言えなかったら、たぶん…言えない気がする。
もうこの想いを胸の中だけに留めてはおけない。
元々我慢できる性分じゃないんだ。
それは自分が一番良くわかってる。
でも、やっぱり、怖い。
この想いは、抱いてはいけないものだって言われてるのも、わかるから。
彼女を傷つけたくない。誰よりも仲間を、絆を大切にしている優しい彼女は
その気がなければ、断ったことに心を痛めてしまうだろうから。
自分が傷つきたくない。受け入れられなかったら、私は今まで通りにできるか分からないから。
今の関係すら無くなってしまったら、きっと私はどうにかなっちゃうから。
この想いは、抱いてはいけないものだって言われてるのも、わかるから。
彼女を傷つけたくない。誰よりも仲間を、絆を大切にしている優しい彼女は
その気がなければ、断ったことに心を痛めてしまうだろうから。
自分が傷つきたくない。受け入れられなかったら、私は今まで通りにできるか分からないから。
今の関係すら無くなってしまったら、きっと私はどうにかなっちゃうから。
言いたい。言えない
二つの想いがぐるぐる駆けまわって
いつも通りにしているつもりでも、頭の中はパンクしそう
二つの想いがぐるぐる駆けまわって
いつも通りにしているつもりでも、頭の中はパンクしそう
『「好き」から始めていいかな』
ふと頭をよぎるあの冬の恋の歌
あの歌のように素直になれたらいいのにな。
あんな風に素直になってたら、何もかも上手くいくのかな?
でも私にはそんな度胸はないみたい。自分でもそれは意外。
いつもなら、好きなものは好きって言えるのに。
ふと頭をよぎるあの冬の恋の歌
あの歌のように素直になれたらいいのにな。
あんな風に素直になってたら、何もかも上手くいくのかな?
でも私にはそんな度胸はないみたい。自分でもそれは意外。
いつもなら、好きなものは好きって言えるのに。
この気持を伝えたくて、こんな機会をずっとまっていて
今日だって、こうなることを期待してたのに
今日だって、こうなることを期待してたのに
「ちょっとだけ、私の悩みを聞いてほしいな」
思ったよりも、私は意気地なしみたい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
唯ちゃんのことだから、おいしいケーキを、とか
そんな感じのお願いをされるんじゃないかと思っていた私は
ちょっとだけ驚いてしまった。
そんな感じのお願いをされるんじゃないかと思っていた私は
ちょっとだけ驚いてしまった。
唯ちゃんのこんな真剣な顔は滅多に見ることがない。
それだけ彼女の中で大事なことなんだ。
力になってあげたい。そう思った。
彼女は大切な友人で、そして、私にとってはそれ以上の人だから。
それだけ彼女の中で大事なことなんだ。
力になってあげたい。そう思った。
彼女は大切な友人で、そして、私にとってはそれ以上の人だから。
「うん。私なんかでよければ、何でも話して。唯ちゃんの力になりたいし!」
「ありがと、ムギちゃん」
「ありがと、ムギちゃん」
でも、唯ちゃんから相談だなんて珍しい。
なんだろう?部活のことかな。特に問題があるようには見えないけど。
お友達とか…お金? は、さすがにないか。ギター代も少しづつ返してもらってるし。
となると…
なんだろう?部活のことかな。特に問題があるようには見えないけど。
お友達とか…お金? は、さすがにないか。ギター代も少しづつ返してもらってるし。
となると…
「ムギちゃんは、さ。…女の子同士の恋愛でも、いいって聞いたんだけど」
「ふぇ!?」
「ふぇ!?」
思わず素っ頓狂な声を出しちゃった。恥ずかしい…
それにしてもずいぶん予想外の質問が来てしまった。
いままで唯ちゃんとはとはそういう話はしたことなかったし
最近はあんまりそういう事もしないようにしてたつもりなんだけど…
りっちゃんや澪ちゃんから聞いたのかしら?
それにしてもずいぶん予想外の質問が来てしまった。
いままで唯ちゃんとはとはそういう話はしたことなかったし
最近はあんまりそういう事もしないようにしてたつもりなんだけど…
りっちゃんや澪ちゃんから聞いたのかしら?
「安心して。別にそうだとしても、否定するつもりとかはないんだ」
「純粋に、ムギちゃんはそういうのどう思ってるのかな…って」
「純粋に、ムギちゃんはそういうのどう思ってるのかな…って」
唯ちゃんは相変わらず真剣な顔だ。
ちょっと不安もあるけど、ここは正直に答えたほうがいいわよね。
うん、唯ちゃんはそんな事で人を否定したりはしない。それはよく分かっている。
でも、どうしていきなりそんな話をするんだろう?
ちょっと不安もあるけど、ここは正直に答えたほうがいいわよね。
うん、唯ちゃんはそんな事で人を否定したりはしない。それはよく分かっている。
でも、どうしていきなりそんな話をするんだろう?
「え、ええ。色々と問題は多いと思うけど、私は、本人同士がいいなら」
「お互いの好きっていう気持ちが本物なら、それでも構わないって…思ってる」
「…女の子同士って、素敵だな…っていうのも、ちょっと思うし//」
「お互いの好きっていう気持ちが本物なら、それでも構わないって…思ってる」
「…女の子同士って、素敵だな…っていうのも、ちょっと思うし//」
「もし、身近にそんな思いを抱いている子がいたら、どう思う?」
「応援してあげたい、かな。無責任って言われちゃうかもしれないけど」
「人が結ばれるために一番大事なのは、気持ちだと思うから」
「私は味方でいてあげたい。少なくとも、それで邪険に扱ったりはしないわ。絶対」
「そっか。ありがとう」
「応援してあげたい、かな。無責任って言われちゃうかもしれないけど」
「人が結ばれるために一番大事なのは、気持ちだと思うから」
「私は味方でいてあげたい。少なくとも、それで邪険に扱ったりはしないわ。絶対」
「そっか。ありがとう」
それだけ言うと、彼女は空を仰いで、なにやら考え込んでいるようだった。
誰かにそんな相談でもされたのかな?
女子高では、そんな話はそこまで珍しいものでもないし。
でも、次に唯ちゃんが言ったのは、予想していない言葉だった。
誰かにそんな相談でもされたのかな?
女子高では、そんな話はそこまで珍しいものでもないし。
でも、次に唯ちゃんが言ったのは、予想していない言葉だった。
「わたしね、好きな人がいるの」
「…え?」
「…え?」
その言葉を聞いたとたん、頭の中が真っ白になりそうだった
だって、今の会話の後にそんなことを言われたら
だって、今の会話の後にそんなことを言われたら
「その人は、私の大切な友達の一人で」
「でもいつからか、その人だけ私の中で特別になってた」
「はじめはそれも友達として特別なのかなって思ってたけど」
「ずっと考えてて、気づいたんだ。この好きは、そういうのじゃ、ないって」
「でもいつからか、その人だけ私の中で特別になってた」
「はじめはそれも友達として特別なのかなって思ってたけど」
「ずっと考えてて、気づいたんだ。この好きは、そういうのじゃ、ないって」
そう。その『好き』は紛う方無き恋心
「もう言わなくても気づいてるかもしれないけど」
「…私の好きな人ね、女の子なんだ」
「…私の好きな人ね、女の子なんだ」
そう、なるよね…。
大切な友達…軽音部の誰かかな
梓ちゃん?りっちゃん?澪ちゃん? それとも幼なじみの和ちゃん?
友達、なんて言ってるけれど憂ちゃんかもしれない。
もしくは私の知らない誰か。
梓ちゃん?りっちゃん?澪ちゃん? それとも幼なじみの和ちゃん?
友達、なんて言ってるけれど憂ちゃんかもしれない。
もしくは私の知らない誰か。
…それとも、私。
ううん、ないよ。それは。
皆みたいに良いところもない。時間が作ってくれる絆も、きっと敵わない。
唯ちゃんみたいな子が、私なんかを好きになってくれるはずない。
それに、好きな相手にこんな相談しないよ。
ううん、ないよ。それは。
皆みたいに良いところもない。時間が作ってくれる絆も、きっと敵わない。
唯ちゃんみたいな子が、私なんかを好きになってくれるはずない。
それに、好きな相手にこんな相談しないよ。
「私は、今の関係がなくなっちゃうのが、一番怖い」
「だから、どうしても、気持ちを打ち明けられなかった」
「でもね、やっぱり苦しいんだ。好きって気持ちに押しつぶされそうで」
「だから、どうしても、気持ちを打ち明けられなかった」
「でもね、やっぱり苦しいんだ。好きって気持ちに押しつぶされそうで」
彼女は、いつものようにはにかんでいたけれど
私は、今すぐに泣き出してしまうんじゃないかって思った。
初めて見る、彼女の脆い笑顔だった。
私は、今すぐに泣き出してしまうんじゃないかって思った。
初めて見る、彼女の脆い笑顔だった。
「わがままなんだけどね。ほんとに」
「好きって伝えたくて、仕方ないんだ」
「ムギちゃんにさ。大丈夫、頑張って。って言ってもらえたら」
「私、最後の一歩を踏み出せるから」
「好きって伝えたくて、仕方ないんだ」
「ムギちゃんにさ。大丈夫、頑張って。って言ってもらえたら」
「私、最後の一歩を踏み出せるから」
「だから、天使さま。どうかお願いです」
「私に、勇気をください」
「私に、勇気をください」
その後押しを、私にしてほしいと、彼女は言う。
嬉しかった。その信頼が。この関係が。
とても尊い、大事な気持ちを打ち明けてくれる。
こんな友情が、私がずっと欲しかったものだから。
私を、その相手に選んでくれたから。
とても尊い、大事な気持ちを打ち明けてくれる。
こんな友情が、私がずっと欲しかったものだから。
私を、その相手に選んでくれたから。
でも、胸が張り裂けそう。「恋」の相手は、私じゃないから。
きっと、その気持を理解してもらえる人に、背中を押して欲しかったんだ。
わかるよ。私もそうだから。
これは、一人で抱えてたらどうにかなってしまうほどの、つらくて苦しい気持ちだから。
きっと、その気持を理解してもらえる人に、背中を押して欲しかったんだ。
わかるよ。私もそうだから。
これは、一人で抱えてたらどうにかなってしまうほどの、つらくて苦しい気持ちだから。
「つらかったでしょうね」
「うん、すごく」
「うん、すごく」
彼女は自分の気持に素直になることを選んだんだ。
私の一言で、後押しができるなら。助けてあげられるなら
それは何事にも代えがたいものだ。
私の一言で、後押しができるなら。助けてあげられるなら
それは何事にも代えがたいものだ。
「唯ちゃんは、真っ直ぐで、優しい人だから」
私の気持ちなんて二の次でいい。
彼女には、笑顔でいて欲しいから。つらい思いはしてほしくないから。
だから私は、こう言わなきゃいけない。
彼女が、それを求めているなら。
彼女には、笑顔でいて欲しいから。つらい思いはしてほしくないから。
だから私は、こう言わなきゃいけない。
彼女が、それを求めているなら。
「結果がどうであれ、きっと大丈夫。心配してるような事にはならないわ」
目尻に涙がたまる。声がうわずりそうになる。
だめよ、私。…泣いちゃ、ダメ。
だめよ、私。…泣いちゃ、ダメ。
「大丈夫よ。唯ちゃんなら。だから…頑張って」
ちゃんと、言えたかな。
頭がボーッとしてきて、もうなんだかよく分からない。
頭がボーッとしてきて、もうなんだかよく分からない。
「ありがとう。ムギちゃん。私、やっと決心できたよ」
よかった…ちゃんと、出来た。
いまの彼女は晴れやかな笑顔をしている。
とても眩しくて可愛らしい、私の大好きな笑顔だ。
ほんとに、よかった…
いまの彼女は晴れやかな笑顔をしている。
とても眩しくて可愛らしい、私の大好きな笑顔だ。
ほんとに、よかった…
「…ムギちゃん、泣いてるの」
さっきの笑顔から一転、心配そうな顔で私を覗き込んでくる。
自分では我慢していたつもりでも、やっぱり無理だったみたい。
自分では我慢していたつもりでも、やっぱり無理だったみたい。
「大丈夫…。唯ちゃん、つらかったんだろうなって、思ったら、つい…」
半分本当で、半分嘘。
抱いてはいけない気持ちが分かるが故の涙と、もう半分は、自分の為の涙。
抱いてはいけない気持ちが分かるが故の涙と、もう半分は、自分の為の涙。
「ごめんね。それと、ありがとう。ムギちゃん」
「私なんかのために、泣いてくれて」
「私なんかのために、泣いてくれて」
そう言って唯ちゃんは、私を優しく抱きしめてくれた。
とってもあったかくて、いい匂い。
お母様に抱きしめられているような、妙な安心感があった。
とってもあったかくて、いい匂い。
お母様に抱きしめられているような、妙な安心感があった。
「でも、告白前に相手を泣かせちゃうなんて…サイテーだね、ほんとに」
…?彼女は何を言っているんだろう?
今私は唯ちゃんに抱きしめられてて
唯ちゃんは告白相手を泣かせちゃったって言って
今ここにいるのは私と唯ちゃんで。泣いているのは…私で
今私は唯ちゃんに抱きしめられてて
唯ちゃんは告白相手を泣かせちゃったって言って
今ここにいるのは私と唯ちゃんで。泣いているのは…私で
こんな頭では、状況を整理できない。
そんな私をよそに大丈夫、と彼女は涙をぬぐってくれた
そんな私をよそに大丈夫、と彼女は涙をぬぐってくれた
「ふぇ…あ…うん。だいじょう…ぶ?」
「どしたの?ポカーンとして」
「どしたの?ポカーンとして」
変なムギちゃん。とそう言って彼女はまた笑ってくれた
そして、聞いてほしいことがあるんだ、と
私をまっすぐ見つめてくる
そして、聞いてほしいことがあるんだ、と
私をまっすぐ見つめてくる
ここまで来てようやく、私の頭は一つの答えを提示してくれる。
それは希望的観測。私にとってはありえないと思っていたこと。
それは希望的観測。私にとってはありえないと思っていたこと。
でも、それは一番欲しかった答え。
ねえ、私、期待しても、いいの…?
ねえ、私、期待しても、いいの…?
「ムギちゃん」
「私…ね、ムギちゃんのことが…」
「私…ね、ムギちゃんのことが…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
「あ、雪だー!」
「久しぶりに降ったね」
「久しぶりに降ったね」
あれから何度か季節が巡って。
私たちは、今年のクリスマスも、こうして二人で歩いている。
私たちは、今年のクリスマスも、こうして二人で歩いている。
「クリスマスに雪を見ると、あの時のこと思い出すわねぇ」
「もう、恥ずかしいからやめてよぅ」
「いいじゃい。とってもロマンチックで素敵だったわよ」
「思い出すとずいぶんズルイ告白だったような気がしますけどね…」
「もう、恥ずかしいからやめてよぅ」
「いいじゃい。とってもロマンチックで素敵だったわよ」
「思い出すとずいぶんズルイ告白だったような気がしますけどね…」
「あの時って、私の気持ちに気づいてたの?」
「ううん、全然。たまたまりっちゃんたちがそういう話をしてるのを聞いて」
「ムギちゃんは女の子同士もオッケーなんだよって聞いてたんだけど」
「実はそうじゃなくて、告白した後嫌われたりしないか心配で、保身に走っただけです…」
「嫌な思いさせちゃったよね…。やな女だなー、わたし」
「ううん、全然。たまたまりっちゃんたちがそういう話をしてるのを聞いて」
「ムギちゃんは女の子同士もオッケーなんだよって聞いてたんだけど」
「実はそうじゃなくて、告白した後嫌われたりしないか心配で、保身に走っただけです…」
「嫌な思いさせちゃったよね…。やな女だなー、わたし」
「たしかにちょっと傷ついたけどね。あの言い方じゃ相手が私だなんて思わないもの」
「ごめんなさい…」
「でも、今にして思えば、初々しくていいじゃない」
「それに、そういうところも全部ふくめて、私は唯ちゃんが好きなのよ」
「自分の気持に素直になれるところ、とても素敵だと思うし。私はそうできなかったから」
「こうやって、ちゃんと謝ってもくれるし。ね」
「ごめんなさい…」
「でも、今にして思えば、初々しくていいじゃない」
「それに、そういうところも全部ふくめて、私は唯ちゃんが好きなのよ」
「自分の気持に素直になれるところ、とても素敵だと思うし。私はそうできなかったから」
「こうやって、ちゃんと謝ってもくれるし。ね」
「だからそんなふうに言わないで。恋人が嫌な女なんて言われたら、私は悲しいわ」
「うー…。そう言われたら言い返せない」
「でも、ムギちゃんもだよ!」
「私に好きになるようなところなんてないって、告白の後言ったよね?」
「そういえばそんなことも言ったかしら?」
「もー、とぼけないの!ムギちゃんは素敵なところいっぱいあるんだから」
「もうそんなこと言っちゃだめだよ!」
「好きな人がそんな風に言われたら、私悲しいから!」
「うん。わかった。もう言わない。お互いに約束よ」
「うー…。そう言われたら言い返せない」
「でも、ムギちゃんもだよ!」
「私に好きになるようなところなんてないって、告白の後言ったよね?」
「そういえばそんなことも言ったかしら?」
「もー、とぼけないの!ムギちゃんは素敵なところいっぱいあるんだから」
「もうそんなこと言っちゃだめだよ!」
「好きな人がそんな風に言われたら、私悲しいから!」
「うん。わかった。もう言わない。お互いに約束よ」
気がつくとちょうどあの駅前あたりまでやって来ていた。
雪景色の中、空を見上げる彼女は、あの頃から変わっていない
いや、もっと綺麗になったかな?
雪景色の中、空を見上げる彼女は、あの頃から変わっていない
いや、もっと綺麗になったかな?
「やっぱり天使みたい。綺麗だよ。すごく」
「ありがとう。でも、唯ちゃんもとっても綺麗で素敵よ」
「お世辞なんて言っても、何も出ないよ?」
「ホントにそう思ってるのよ」
「ありがとう。でも、唯ちゃんもとっても綺麗で素敵よ」
「お世辞なんて言っても、何も出ないよ?」
「ホントにそう思ってるのよ」
「…ぷっ。あははは!」
「ふふふ。昔と逆になっちゃったね」
「ふふふ。昔と逆になっちゃったね」
しばらく二人で笑いあう。
あの雪のふる日のことを思い出して。
今こうして、二人でいることが嬉しくて。
あの雪のふる日のことを思い出して。
今こうして、二人でいることが嬉しくて。
「ねぇ、ムギちゃん」
「なーに?」
「なーに?」
今はこんな風に、素直に気持ちを伝えられるから
大好きな人が、いつも隣にいてくれるから
大好きな人が、いつも隣にいてくれるから
「大好きだよ!」
「私も。大好きよ!唯ちゃん」
「私も。大好きよ!唯ちゃん」
おしまい