突然生まれた、微かな違和感。
おかしいな。
そう思うのに、それが何なのかは分からない。
おかしいな。
そう思うのに、それが何なのかは分からない。
「ムギちゃんって暖かいね」
寒かった日、背後からすっと近づいて私にぴったりとくっつく彼女。
憧れていたスキンシップなのに、何故だろうか
とても苦しい。
憧れていたスキンシップなのに、何故だろうか
とても苦しい。
「うふふ、唯ちゃんたら」
嬉しいのに、素直に笑えない。
私は唯ちゃんのことが嫌いなのかな
私は唯ちゃんのことが嫌いなのかな
「ずっとくっついててもいい?」
甘えるような声で言われたら、頷くしかないじゃない。
「えへへ…」
唯ちゃん、もっと喋っていて。
私の変な心臓の音が聞こえちゃうかもしれないから。
私の変な心臓の音が聞こえちゃうかもしれないから。
「ムギちゃん、だあいすき」
彼女はほんの軽い気持ちで言ったのだろう
けれども、私はとんでもなく動揺してしまったのだ。
けれども、私はとんでもなく動揺してしまったのだ。
「…私もよ」
小さくつぶやくと、えへへとまた唯ちゃんは笑う。
耳元にかかる吐息がくすぐったかった。
耳元にかかる吐息がくすぐったかった。
おかしいな。
あの日からずっと唯ちゃんしか見えないの。
演奏してる時だって、少し丸まった可愛い背中しか見えないの
あの日からずっと唯ちゃんしか見えないの。
演奏してる時だって、少し丸まった可愛い背中しか見えないの
お茶を飲んでる時だって、目が合う度に笑ってくれるんだもの
少しくらい赤くなっても罰はあたらないよね
少しくらい赤くなっても罰はあたらないよね
でもね、唯ちゃん
少し困ったことがあるんだ
前みたいに、唯ちゃんの目を見て話せないの
少し困ったことがあるんだ
前みたいに、唯ちゃんの目を見て話せないの
「ムギちゃん、ケーキおいしいよ」
唯ちゃんありがとう。
でも、そんな可愛い声のする方向すらまともに向けないの
おかしいよね
でも、そんな可愛い声のする方向すらまともに向けないの
おかしいよね
「そう?良かった」
それだけなんとか言えた。
二人っきりって、すごく恥ずかしい
二人っきりって、すごく恥ずかしい
唯ちゃん、私唯ちゃんに聞きたいことがあるの
聞いてくれるかな
聞いた後でも、変わらず私と接してくれるかな
聞いてくれるかな
聞いた後でも、変わらず私と接してくれるかな
私、多分唯ちゃんの事が好きなの
唯ちゃんと、今日初めて目が合った。
「ムギちゃん?」
きょとんとした目で私を見る唯ちゃん。
丸くって大きくて、とっても可愛い目
丸くって大きくて、とっても可愛い目
「あのね、唯ちゃん」
言ってもいいの?
私の心はざわりと大きく揺れた。
私の心はざわりと大きく揺れた。
「あのね…」
微かな違和感。
この感情に、きっと間違いはない。
でも、今の彼女にこの気持ちを伝えたら?
この感情に、きっと間違いはない。
でも、今の彼女にこの気持ちを伝えたら?
「何だいムギちゃんや」
今この瞬間の唯ちゃんはもういなくなってしまう
それは、嫌だ。
それは、嫌だ。
「…ほっぺに、クリームがついてるよ」
だから、今はまだ微かな違和感を感じていようかな
可愛い彼女を見つめながら。
可愛い彼女を見つめながら。
「本当?とって」
目を閉じ、じっとする唯ちゃん。
本当に可愛らしくて、胸が高鳴った。
本当に可愛らしくて、胸が高鳴った。
今は、まだこのままで。
だから、これは友達として。
だから、これは友達として。
「え?ムギちゃんちょっと…!」
ほっぺのクリームは甘くて甘くて、涙が出そうだった。