新年最初の…
「ムギちゃん、あけましておめでとう!」
今年に入ってはや四日。
『あけましておめでとう』だなんて家を訪ねてくる人たちに何度も言われて飽き飽きしていたはずなのに、今言われたその言葉はとても甘い響きに感じられた。
多分、何度言われても飽きることはないだろうな…少しオーバーかもしれないけど、私は目の前で微笑む唯ちゃんを見て確かにそう思ってしまったのだ。
…挨拶し返すのも忘れて。
『あけましておめでとう』だなんて家を訪ねてくる人たちに何度も言われて飽き飽きしていたはずなのに、今言われたその言葉はとても甘い響きに感じられた。
多分、何度言われても飽きることはないだろうな…少しオーバーかもしれないけど、私は目の前で微笑む唯ちゃんを見て確かにそう思ってしまったのだ。
…挨拶し返すのも忘れて。
「ムギちゃん?どしたのボーッとしちゃって」
「ひぇ!?あ、ご、ごめんなさい!」
「もしかしてお正月ボケ?私とおんなじだねー」
「う、うん…おんなじ…」
「じゃあ改めて…ムギちゃん、あけましておめでとう♪」
「あ…あけまし、おめ、おめ…あ、あけおめ!」
「え?」
「あっ、えっと…こ、ことしも…こ、ことよろ!」
「ム、ムギちゃん…?」
「ひぇ!?あ、ご、ごめんなさい!」
「もしかしてお正月ボケ?私とおんなじだねー」
「う、うん…おんなじ…」
「じゃあ改めて…ムギちゃん、あけましておめでとう♪」
「あ…あけまし、おめ、おめ…あ、あけおめ!」
「え?」
「あっ、えっと…こ、ことしも…こ、ことよろ!」
「ム、ムギちゃん…?」
あ、あれ?新年の挨拶ってどんなだったっけ?頭が真っ白で思い出せない…?
あぁ唯ちゃん、そんな顔で私を見ないで、ますます頭がこんがらがっちゃう…
あぁ唯ちゃん、そんな顔で私を見ないで、ますます頭がこんがらがっちゃう…
「ぷぷっ!あはは…」
「ふぇ?」
「なんか意外!ムギちゃんって、そういう挨拶もするんだね♪」
「あ、そ、そうじゃないの、もっとちゃんとしようと思ったんだけど…」
「ふぇ?」
「なんか意外!ムギちゃんって、そういう挨拶もするんだね♪」
「あ、そ、そうじゃないの、もっとちゃんとしようと思ったんだけど…」
「じゃあ私も!ムギちゃんあけおめ!ことよろ!」
「…こ、ことよろ」
「んー♪ムギちゃんが言うとかわいいね!」
「……うう…」
「…こ、ことよろ」
「んー♪ムギちゃんが言うとかわいいね!」
「……うう…」
私は文字通り赤面していた。自分のおかしな言動と、唯ちゃんにかわいいと言われたことに。
それは嫌な気はしないんだけど…なんというか、恥ずかしい…と悶々とする私の目の前に、突然唯ちゃんの顔が急接近してきた。
さっきとはうって変わったもの悲しそうな表情に、私は二重に驚いてしまう。
それは嫌な気はしないんだけど…なんというか、恥ずかしい…と悶々とする私の目の前に、突然唯ちゃんの顔が急接近してきた。
さっきとはうって変わったもの悲しそうな表情に、私は二重に驚いてしまう。
「ゆ…唯ちゃん?」
「…なんかムギちゃん、あんまり楽しそうじゃないね?」
「え?そ、そんな…」
「やっぱり皆と会わないで私の家に来るの、嫌だった…?」
「そんなことない!私、ずっと唯ちゃんに会いたかったもの!大晦日も元日も、ずーっと唯ちゃんに会いたくて…あっ!?」
「…なんかムギちゃん、あんまり楽しそうじゃないね?」
「え?そ、そんな…」
「やっぱり皆と会わないで私の家に来るの、嫌だった…?」
「そんなことない!私、ずっと唯ちゃんに会いたかったもの!大晦日も元日も、ずーっと唯ちゃんに会いたくて…あっ!?」
気付くと、唯ちゃんはニコニコと笑っていた。
どうやら私は見事に騙されてしまったようだ…
どうやら私は見事に騙されてしまったようだ…
「ムギちゃんったら、そんなに私に会いたかったんだー♪嬉しいなー♪」
「…唯ちゃんひどい。私を騙したのね」
「だってムギちゃんいまいち元気ないんだもーん」
「わ、私はただ緊張しちゃって…きゃ!?」
「…唯ちゃんひどい。私を騙したのね」
「だってムギちゃんいまいち元気ないんだもーん」
「わ、私はただ緊張しちゃって…きゃ!?」
不意に、唯ちゃんは私に抱きついた。…というより、押し倒した。
鼻息がかかるくらいの距離に顔を近づけて、唯ちゃんは囁くように言う。
「でもね、ムギちゃん…」
「……?」
「私だって…ずっとムギちゃんに会いたかったんだよ?三が日が終わるまで、ずっと我慢してたんだからね?」
「…ごめんなさい。家の都合でどうしても…」
「…いいんだよ。こんな風に二人きりになれるだけで私、嬉しいから」
「…うん」
「それに…埋め合わせはしてもらうもん。ちゃんとお年玉、もらうからね」
「え?お年玉…?」
「…わかってるでしょ?」
「……?」
「私だって…ずっとムギちゃんに会いたかったんだよ?三が日が終わるまで、ずっと我慢してたんだからね?」
「…ごめんなさい。家の都合でどうしても…」
「…いいんだよ。こんな風に二人きりになれるだけで私、嬉しいから」
「…うん」
「それに…埋め合わせはしてもらうもん。ちゃんとお年玉、もらうからね」
「え?お年玉…?」
「…わかってるでしょ?」
唯ちゃんは甘えるような声で私を見つめた。もちろん、わかってる。でもそれはあげるだけじゃなくて、私ももらえるものなんだけど。
私があげられる、そして唯ちゃんからもらえるお年玉。それは…
私があげられる、そして唯ちゃんからもらえるお年玉。それは…
「唯ちゃん、さっき言えなかったからちゃんと言うね…あけましておめでとう」
「…おめでとう。ムギちゃん」
「…大好きよ」
「…私も」
「…おめでとう。ムギちゃん」
「…大好きよ」
「…私も」
しばらく見つめ合って、私たちはどちらともなく唇を重ね合う。
――唯ちゃんからもらったお年玉は、とても柔らかくて、甘くて、温かくて…間違いなく、私の人生で最高のお年玉になった。
あけましておめでとう、唯ちゃん。今年もずっと一緒にいようね。
END