アットウィキロゴ

only my sister

129  only my sister  [sage]  2010/05/29(土) 10:41:18 ID:OcVqG03HO

ずっとお姉ちゃんのそばにいたい。

私がそう願うのは、ただ単に心配だからだろうか。ううん、それだけじゃない。
私は好きなんだ。小さな頃からずっと一緒にいて、この世の誰よりも強くてまっすぐな優しさを向けてくれたお姉ちゃんのことが。

「うーい♪」

お姉ちゃんはいつも私を抱きしめてくれた。
何かに悩んでいる時も、落ち込んでいる時も、イライラしている時も。
そのぬくもりは私をあたたかく包みこんで、まるで魔法のように優しい気持ちにさせてくれた。

あなたがいたから、数えきれないほどの幸せをもらったから、私は今こうして私でいられるんだ。
ありがとう、お姉ちゃん。きっと私は世界一幸せな妹だね。

でも、ふと思うんだ。私はお姉ちゃんに色々な幸せをもらっているけど、私はお姉ちゃんに何か幸せをあげることができているのかなって…

「ただいまー」
「お帰りお姉ちゃん!今日は遅かったね?」
「うん、今日は練習頑張ったからねー」
「お風呂沸いてるから先入っちゃって?夕飯もすぐできるから」
「おぉ、ありがとー…おわ?」
「お姉ちゃん!?」

お姉ちゃんは玄関先でよろけてしまっていた。どうやら体調が悪いみたいだ…



130  only my sister  [sage]  2010/05/29(土) 10:41:54 ID:OcVqG03HO

ふらつきながらも部屋へ向かおうとするお姉ちゃんをあわててソファーへ座らせ、台所から持ってきた水を飲ませてあげる。

「ごめんね憂ー」
「お姉ちゃん大丈夫?顔真っ青だよ…?」
「えへへ、だいじょぶだいじょぶ!ちょっと忙しくてお昼食べ損ねちゃっただけだから」
「も、もしかして朝から何にも食べてないの?」
「うん…今日はムギちゃんがお菓子持ってこれなくてね、代わりに練習の時間長くなったんだけど…あはは、ちょっと疲れちゃった」

力なくソファーに体を預けるお姉ちゃんは本当に辛そうだった。
なのに弱々しく微笑んで私の頭を撫でる姿は、昔からずっと変わらないいつものお姉ちゃんだ。
優しくてあったかい、私の大切なお姉ちゃん…

「…憂?」

今日は、私がお姉ちゃんを抱きしめてあげよう。
私がたくさんの幸せをもらってきたように、お姉ちゃんにたくさん幸せをあげよう。

「だめだよ、無理しちゃ…皆心配するよ?」
「うん…ごめんね」
「…ねぇお姉ちゃん。お姉ちゃんは幸せ?」
「え…?」
「私は幸せだよ。お姉ちゃんのおかげですごく幸せ」
「そっか」
「でもお姉ちゃんは?いつも私ばかりお姉ちゃんに優しくしてもらってて、それじゃ…」



131  only my sister  [sage]  2010/05/29(土) 10:42:23 ID:OcVqG03HO

お姉ちゃんは私の言葉を遮るように人差し指を私の唇に当てた。

「幸せに決まってるでしょ?いつも憂に起こしてもらって、美味しいご飯食べられて…幸せじゃないなんて言ったらバチがあたるよ」
「でも…」
「それにね、もし憂にそういうことしてもらえなくても私は幸せだよ。憂のお姉ちゃんになれたってだけで私は世界一…ううん、宇宙一幸せだよ」
「お姉ちゃん…」
「だから憂はもらってるばかりじゃないんだよ。私だっていっぱいもらってるんだから」

お姉ちゃんは私を抱きしめ返して、頭を撫でた。…そっか。こうしてれば、二人とも幸せなんだね。
どちらかが、じゃなくて、どちらとも。それが姉妹とか兄弟っていうものなんだ。

「…そうだ。今度からは毎日私がお弁当作ってあげるね」
「ホント?ありがとー♪」
「じゃあご飯食べよっか。いっぱい食べて元気出してね。あ、でも無理しちゃだめだよ?」
「わかってるよ、ういー♪」

おしまい
最終更新:2010年06月02日 20:26
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。