468 ワールドカップが終わっても [sage] 2010/07/01(木) 08:46:27 ID:Vkk/c4rjO [1/4]
憂「お姉ちゃーん…」
唯「……」
朝、布団から一向に出てこないお姉ちゃんを起こしに行くと、ばっちりと目を覚ましていました。
でもその表情はがっかりしたようなふてくされたような重苦しいもので、いつもの明るさはありません。
その原因はもちろん…
憂「負けちゃったけどよく頑張ったよ!私もまさかここまでやるとは思わなかったもん!」
唯「……」
憂「パラグアイってサッカーすごく強いんだよ!そこに0-0なんてホントにすごいよね!」
唯「……」
憂「最後のPKだってホントに紙一重だったよ!惜しかったけど日本だって勝ってても全然おかしく――」
唯「ういー」
お姉ちゃんは布団から手をひょっこり出すと私の制服のスカートを掴みました。
私は少し戸惑いながらも、その枕元に腰かけて、話しやすいようにお姉ちゃんに顔を近づけます。
憂「どうしたの、お姉ちゃん?」
唯「…日本、負けちゃったね」
憂「うん…残念だね」
唯「…もう憂と一緒にサッカー見れないんだね」
憂「え?」
唯「私ね、夜遅くとか朝方まで起きて憂とサッカー見るのすごく楽しかったの。憂と一緒にわくわくしたりドキドキするの、すごく嬉しかったんだ」
憂「お姉ちゃん…」
469 ワールドカップが終わっても [sage] 2010/07/01(木) 08:48:10 ID:Vkk/c4rjO [2/4]
お姉ちゃんは寂しそうに私に視線を向けました。
そっか。最初に賭けをしようって言い出したのは、私と一緒にサッカーを見たいからだったんだね。
何をしてもらうとかしてあげるとかはどうでもよくて、ただ私と一緒にいたかったから…
唯「日本が勝ち進めたら、ずっと憂とそういう時間を過ごせるって思ってたの。でももうおしまいなんだね…寂しいな」
憂「…そんなことないよ」
唯「え…?」
私はそっとお姉ちゃんを抱きしめました。今の自分の気持ちを伝えるには、こうするのが一番だと思ったから。
唯「憂…?」
憂「ねぇお姉ちゃん、一緒にいて同じ気持ちを共有できるのは、サッカーを見ることだけじゃないんじゃないかな」
唯「……」
憂「特別なことしなくたって同じ気持ちになれるんだよ。…例えば、好きって気持ちとか」
唯「…憂」
憂「こうやって一緒にいるだけで私、すごく幸せな気持ちになれるの。…お姉ちゃんのこと、大好きだから」
唯「…私も、私も憂のこと
大好き。今もすっごくあったかくて、幸せな気持ちだよ」
憂「じゃあおしまいなんかじゃないよね。私たちはずっと一緒なんだから」
唯「…うん」
憂「お姉ちゃん」
唯「なに?」
憂「キスしてもいい?」
470 ワールドカップが終わっても [sage] 2010/07/01(木) 08:49:03 ID:Vkk/c4rjO [3/4]
お姉ちゃんは嬉しそうに微笑んでうなずきました。釣られて私まで頬が緩んでしまいます。
唯「今日はどっちが勝つか予想してないよ?」
憂「何でもない時にしたっていいの。好きなんだから」
唯「…うん。そうだね」
そして私たちはキスをしました。
理由なんてどうでもいいんです。ただ私たちは、お互いを大好きなんだから。
おしまい
最終更新:2010年07月01日 19:43