でてくるもの
にとり
ゆっくりれいむ・まりさと群れの仲間達
おはぎ
資材を両手いっぱいに抱えながらにとりは地上にある自分のラボへと向かうと玄関の前に2匹のゆっくりが鎮座?していた
「ゆゆ!ゆっくりできないおねえさんはやくれいむのこどもかえしてね」
「きのうおねえさんがこどもたちつれていったのみたんだぜ」
れいむとまりさがこちらを見かけるやプンプンと自分達で声を出しながら口々に子供を返せと言い出した
昨日?ああたしか実験でロケットに詰め込んで挽肉ならぬ挽き餡子にしてからおはぎマシーンの実験に使ったゆっくりがいたなあとゆっくりと思い出す
「むししないでこどもかえしてね!」
「ゆっくりはやくかえさないとひどいめにあうんだぜ」
そういいながら足にぽむぽむと心地よい刺激を与え出す二匹
返せといわれてもおはぎとなってしまっているしなぁ
潰してやってもいいのだが掃除も面倒だし何より今は昨日の実験で出来たおはぎの形が気に食わなかった為そのマシーンの調整で頭がいっぱいなのだ
とっととどこかにいってもらいたいが子供を返さないといつまでもつきまといそうだし
「ああそうだ!」
「ゆ!やっとかえすきになったか!」
「ああそこでちょっと待ってなさい」
「いや、にげないかどうかみはるんだぜ、まりさたちもついていくんだぜ」
「ああいいけど中で物壊したりしたらゆっくりさせないよ」
そそくさとラボに入り荷物を適当なところに置くと冷蔵庫へ向かった
昨日のおはぎの乗った皿を取り出しゆっくりたちの前に置く
「ゆゆ!おかしはもらうけどそれよりこどもたちをかえすんだぜ」
「たべものでつろうとしてもむだだよ!ゆっくりかえしてね」
「それが子供達だよ」
「ゆゆゆ!」
事実を伝えると2匹は
「でぃぶのこどもがーーーーー」
「しね!ゆっくりしないでしね!」
まあ当然の反応だ。虐待おにいさんならここらで透明な箱が登場するのだろうけど私にそんな趣味は無いし早くお引取り願いたい
「おちついて!君達の子供が昨日ドスの卵に進化したんだよ」
「「ゆゆ!ドスの卵!?」」
そんなもの初めて聞いたという顔をする饅頭二つ
無論私もそんなもの初めて聞いた
「そうだよこれは最近の研究でもやっと見つかったというぐらい珍しいドスの卵だよ
この論文によるとどすになる力を秘めたゆっくりたちが集まってドスの卵になるって書いてあるよ」
ほらこれとゆっくりたちに積んであった本の一つを適当に見せ付ける。ゆっくりなんかまったく関係ない本だがどうせ読めやしない
「ゆゆ!すごいんだぜ!まりさたちのこどもがドスになるんだぜ!」
「むれのみんなにじまんできるね!」
ドスが自分の子供になる。その大きさ力強さ(ゆっくり比)から群れの長となることは必至
その親となれば生活はもはや左団扇も当然である
「さ、これを巣にもって帰ってゆっくり孵化させてやんなよ」
薔薇色の将来を頭に描き気持ちの悪い笑みを浮かべる二匹とおはぎを放り出しドアを閉める
これで邪魔者は消えたと腕をまくりにとりは揚々と研究室へと入っていった
「むきゅ?どすのたまご?」
「わからないよー」
「ぱちゅりーもしらないぐらいめずらしいんだぜ!さいきんみつかったんだぜ!」
「こどもたちがドスになるんだよ!ありすはしってた?」
「とっとうぜんよ!ドスの卵でしょ!とかいはならみんなじょうしきよ!みんなおくれてるわね!」
「むきゅー?」
二人の親は帰る早々群れのみんなを集めてドスの卵の話を聞かせて回った
みな半信半疑だがドスが群れにいるとなれば心強いことこの上ない
「ところでたまごってどうやったらかえるんだぜ?」
「むきゅ、とりさんのたまごはおやがからだでたまごをあたためるとうまれてくるのよ」
「ゆーそうなんだ」
「よーしさっそくあたためるんだぜ!」
善は急げとばかりにれいむは巣に戻りおはぎを温め、まりさは夏の暑い日差しを物ともせず元気に野を描け谷を越え藁や草を集めに走り回った
ドン!ドン!ドン!ドン!
「朝っぱらからうるさいなぁ誰?開いてるよ」
「ゆっくりここをあけてね!」
新しいマシンの創作に熱中しすぎてラボで夜を明かしてしまったにとりは寝ぼけ眼でドアを開ける
「「ぶべぇ」」
まあお約束はそこそこに2匹のゆっくりが餡子をたらしながらなにやらすごい剣幕で問い詰めてきた
「「おねえさんのうそつき!」」
「朝からご挨拶ねえ永遠亭ならあっちよ?」
「ドスのたまごっていったのにちっともうまれないよ!ゆっくりこどもをかえしてね!」
「おねえさんのせいでむれのみんなからうそつきっておいだされたよ!うそつきはゆっくりしね!」
「あー?」
よく見ると治りかけてるようだがあちらこちらに怪我の後が見える
にとりは寝起きの頭を回転させるドスの卵?
「ああこの間のゆっくりか」
「ゆっくりしてないでなんとかしてね!ドスのたまごだからいっしょうけんめいにあたためたのにほら」
「うげ!きたな!そんなものもってくるな!」
まりさが帽子から取り出したのは藁にくるまれたカラフルなカビの生えたおはぎが一つ
「へんなにおいはするしゆっくりできないものははえるしこんなうそをつくおねえさんはしね!」
「とっととこどもをかえすんだぜ!このうそつき!」
「あーうんそうだそうだ。君達この卵に餌はやったかい?」
「「ゆ?」」
鳩が豆鉄砲食らったような顔で硬直する二匹
まあそうだろ卵が餌を食うはずが無い
「ゆゆゆ!えさをおいておいてもたべなかったんだぜ!」
「それにおくちもないからたべられないよ」
「馬鹿だなあ頭に載せておけば食べたんだよ多分」
「「ゆーーーーーーーー!!」」
「あーあ君達がご飯あげなかったから子供たちが死んじゃったんだよきっと」
「ゆゆ!れいむがわるいんだ!れいむがたまごはごはんたべないよとかいうから!」
「なにいってるの!まりさなんかどうせたべないんだからっていつもたまごさんのごはんもたべちゃってたくせに」
「はいはいどうでもいいからそのカビの塊とっとと捨ててきてね」
別に誰に言い訳する必要も無いのにどうでもいい責任の擦り付け合いを始めた饅頭を背にもう一度寝なおす為にとりは寝室へ向かった
最終更新:2008年09月14日 11:28