「さぁ!おたべなさい!」
「たべてくれないと」
「「ふえちゃうぞ!!」」
悪夢である。
突如里に現れた
ゆっくりれいむはそれまでのゆっくりとは違っていた。
前触れもなく”お食べなさい”をしたかと思うと分かれた傍から増殖してしまうのだ。
潰してもその破片からまたゆっくりれいむが生えてくる。
そうして分裂を延々と繰り返し、あれよという間に膨大な数となってしまった。
このままでは里がれいむで埋まってしまう。
里長は里の人間を集め対策を練ることにした。
「密閉した空間に閉じ込めれば増えるための空間がなくなり、増殖を止めることができるのでは?」
ある若者の発言を受け、長は早速加工所から巨大な透明な箱を取り寄せ、
片っぱしかられいむを詰め込んだ。
「「「「「ゆゆ!せまいよ!ゆっくりさせてよー!」」」」」
箱に詰められ非難轟々のゆっくりれいむたち。
「はっ、その中じゃもう増えられまい。大人しくしているこったな」
そう長が言うとゆっくりれいむたちは不敵な笑みを浮かべた。
「「「「「ゆっふっふっふ、にんげんさんはあまいね!とってもあまあまだね!」」」」」
「なんじゃと?」
「「「「「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」」」」」
「「「ゆえええええええん!たべないでね!やめてね!」」」
なんと箱の中のれいむたちがおもむろに共食いを始めてしまったではないか。
これには長も仰天した。
「いかん!空間ができてしまう!」
「「「「「ゆっふっふっふ、さぁ!おたべなさい!たべてくれなきゃ」」」」」
「「「「「「「「「「ふえちゃうぞ!!!!」」」」」」」」」
またもや満杯となる箱。
「「「「「ゆゆ!またきつきつだよ!ゆっくりへらすね!むーしゃむーしゃ、しあわせー!」」」」」
「「「「「ゆっくりやめてね!れいむがゆっくりできなくなるよ!」」」」」
「「「「「またふえるよ!さぁ!おたべなさい!食べてくれなきゃ――」」」」」
「長、これは……!」
「……うむ」
「「無限ループ!!!」」
透明な箱は地中深く埋められ、人々の脳裏から永遠に忘れ去られたという。
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過去に書いたもの
最終更新:2008年11月24日 17:30