ド口ワ系14 エンブリオ

※久しぶりのドロワ設定



「やめでぇええ!!れいむのぉお!!」
ゆっくりれいむは産道はクスコで拡張され、中を二本のピンセットが進んでいく。
餡子をかき分け目指すのはゆっくりの胚、まだ胎児にも満たない。餡子とそれを包んだ薄い皮。

「摘出されたものが何か分かるのか、興味深いな。また今度、別の個体で試すとする」
女は軽く言ってのけ、ゆっくりれいむの体内から探していたものを取り出す。
それは三角フラスコに入ったチクロの水溶液の中へ落とされる。それを見ていたれいむは赤ちゃんが溺れ死ぬと思ったのだろう。
クスコが挿入されたままにもかかわらず、れいむは暴れる。
そんな事をすれば拡張された産道から中身の餡子が漏れ出すかもしれないのに。
それどころか、中身の餡子と外気が直接触れ合っているその状態はゆっくりにとって激痛のはずだ。その状態でなお動くのだから、
痛みも危険性も自然界で普通に暮らしている場合の比ではない。少しでも動くとその度に全身を刺し貫かれるような痛みが走る。

れいむがもう少しで三角フラスコに達しようとしていた所で、無慈悲にも三角フラスコは別のテーブルに移動される。
栓をされ、重厚な扉のついた箱の中に入れられ、れいむから一切見る事のできないものとなった。

「チクロは人工甘味料のひとつで、砂糖の30倍以上甘い。お前もどうだ?」
未だにもぞもぞと動いているれいむからクスコを抜いてやり。マッサージをして、産道を閉じてやる。
その上で小皿に乗せたチクロをれいむの前に差し出した。
れいむはそれがただの“おさとう”だと思った。“おさとう”は一度だが食べた事がある。とっても甘いゆっくりできるものだ。

「さあ、どうぞ」
最初は異物かもしれないという恐怖から口を塞いだが、口を抉じ開けられ、中に入れられるとすぐに口は緩んでしまう。
体験した事のない程の甘さ、心の中の構造が変わってしまうような。先ほどまでの怒りや憤りなどといったものは消え失せる。
思考がスパークし、ひと舐めすると幸せになり、ふた舐めするとより幸せになる。
貪れば貪っただけ、まるで幸福という物質を直接摂取しているような、さっきまで自分は何に怒っていたのだろう。
いや、怒っていたのは勘違いだ。何故ならこんなにも大きな幸福感があるのだから。




お昼時、保健室には暖房目当てで集まった女生徒が数人、
だが、残念な事にいつもの優しい校医はおらず、ズボラな校医がグチグチと文句を良いながら暖房を付ける。
やってきた女性との一人に校医はいつもお弁当を作ってきてもらっている。暖房はそのお返しだ。
室内の温度が25度を超えてくると、水槽で飼育されていたゆっくりれいむの動きが活発になる。
普段、この校医は暖房を切っているので、そのれいむはほとんど冬眠状態になってしまっているのだが、

「ゆっくりおきたよ。あまあま、ちょうだいね!!」
その言葉を聞き、女生徒が一人、自分のお弁当に入っていた玉子焼きを水槽の中に入れてやる。
校医は苦笑しながら“もったいない”と笑う。
れいむは不思議そうに玉子焼きを見つめ、数回舌でつついてから口に運ぶ。
「お砂糖が入ってるから甘いよ」
などと女生徒は笑うが、れいむはすぐに吐き出してしまう。

「これはあまあまじゃないよ!!」
ぷくぅと頬を膨らませ威嚇の格好をする。

「ハハッ、言っただろ」
そう言って校医は椅子から立ち上がり、タバコに火をつけ、それの火をれいむの額に押し当てる。
「いぎゃあああ!!」
バタバタとれいむは暴れるが水槽は小さく、しかも左手で上を押さえられているため、逃げようにも動くことができない。
それからタバコの火が消えるまで押し当てられた。

校医は水槽に落ちている食べかけの玉子焼きをひょいとつまみ、口に運ぶ。
そして、それを作ってきた女生徒の頭を美味しいかったよ。大好きな味だ。と撫でてやる。
「あれは私が調整をしている個体でね。少し味覚がおかしいんだ。君の玉子焼きが不味いなんて事は無いよ」




放課後、飼育小屋の掃除を終えた女生徒が担当の教諭に報告を終え、
いつものように寮へ戻る前に、保健室に寄る。
子どもみたいに好き嫌いが多く、作ってこなければサプリメント数個で食事としてしまうような人に明日、何が食べたいか聞くためだ。
それに今日は昼に見たれいむの事も気になっていたし、そう考えながら女生徒は保健室のドアを開ける。

職務怠慢。校医は机に伏して眠り込んでいる。西日も当たらない部屋、冬の夕方。
女生徒は学園指定のコートを着ているから良いが、校医はそう厚着をしているわけではない。
エアコンの所まで行って暖房をつける。もう少し寝かせてあげていても良いだろう。
携帯電話の電源を入れ、時間を確認する。寮の門限までにはかなり余裕がある。

しかし、問題が起こる。もう少し寝かせてあげたかったが、
室温がある程度まで達すると水槽にいるれいむが活発化してしまうのだ。


「ゆっくりおきたよ。あまあま、ちょうだいね!!」
女性とは校医を起こさないようにしてあげたいが、生憎お菓子の持ち合わせが無い。
それにここは保健室だ。お菓子なんか無いし。そう困っている内にれいむの声のトーンはどんどん大きくなっていく。

「おねーさん、あまあまちょうだいね!!はやくしてね!!」
そうこうしている内に校医が起きてしまう。眠気眼で校医はすっと立ち上がり、小皿に粉の薬品を取ると、それをれいむに与えた。
れいむはそれを必死に舐める。まるで覚せい剤か何かのようだ。ドラッグ撲滅キャンペーンで覚せい剤中毒にされたマウスを見たが、それに近いものを感じる。

「あ、あのぉ、千夜先生、それは?」
「ん、チクロだよ」
聞きなれない言葉に女性とは困った顔をする。もし、それが覚せい剤のようなドラッグだったら通報しなくてはいけない。

「人工甘味料でね。1969年に日本では禁止されたが、中国や欧州ではまだ使われているものさ」
頭に疑問符を浮かべる女性とを尻目に行為は説明を続ける。


後味に苦味があるサッカリンやアセスルファムカリウムなどの高甘味度甘味料と違い。
砂糖より甘く後味に苦さが少ないチクロはゆっくりがとても好む味でこの味に慣れさせると、
例えどんなに砂糖をたっぷり入れた玉子焼きでも甘くないと感じてしまう。
それとチクロは1969年に日本では使用を禁止されている。人体に対し発癌性や催奇形性と言った悪影響が出る可能性があるとの研究結果が出たためだ。
もっとも、それを否定する研究結果もあり、欧州や中国ではチクロを未だに使用しているけどね。

私も学会にいた頃、何度もゆっくりにチクロを与える実験をしていた。
これは人体への影響を調べるマウスの実験と違い、人にフィードバックされることは無いけどね。
チクロを使い甘いゆっくりを作って海外に売り出そうというスポンサーの意向でね。
でも、チクロを摂取したゆっくりに味覚の変化、さっきも言ったけど砂糖すら甘くなくなってしまうと言う現象が起こって、
スポンサーはその研究を降りたんだよ。私たちのグループはしばらくその研究を続けたけどね。結果がこれだよ。

長い説明の後に校医は一冊のファイルをよこした。
1ページ目には目の無いゆっくりありす、左目の目元がパンパンに腫れあがったゆっくりれいむの写真。
「ああ、そのれいむはね。右にできるはずの目が左目の目元に形成されちゃって、そうなったんだよ」
パラパラとめくると、畸形のゆっくりが何匹も登場する。
「それは口が形成されなかったぱちゅりー種だね。次がありす種とれいむ種が混ざってしまったの」
混ざったと言うより、衝突し、くっ付いてしまったといった方が説明がつくようなれいむともありすともつかないゆっくり。
目が三つあり、口が二箇所ある。髪は黒髪と金髪の部分があり、カチューシャの形成をリボンが阻害したのだろう。
痛々しく頭頂部にカチューシャが突き刺さっており、それをリボンが締め付けている。


女生徒がファイルを見ている間にも校医の説明は再開される。

今回は別口の注文でね。森を壊さずにゆっくりを死滅させる手段は無いかとの依頼だったんだ。
森を壊して良いなら、私は真っ先にダイオキシンを勧めるけど、自然破壊はよくないらしい。
まあ、人間に都合の良い自然は優先的に保護されるからね。ゆっくりは残念ながら都合が悪かったのさ、
森を壊せば食料が無くなり、ゆっくりはダイオキシンの毒で苦しむ、畸形が生まれ群は混乱し瓦解する。
という二重苦三重苦で確実なのに。

校医がそこまで説明すると、何か思い出したらしく、冷蔵庫のような箱から何かを取り出してきた。
重厚な扉の中に入っていたのは三角フラスコ。中にはゆっくりれいむの赤ちゃんが育っている。
まだ本当に小さく、こんな姿で見ることはそう無い。

「チクロの水溶液の中で育てている。砂糖水と容器、あと一定の温度を保つ装置があればゆっくり用の人工子宮になるのを応用してね」
チクロで育てられている割にはファイルにあったような症状が見られない。その事を女生徒は質問する。
「ああ、形成に使われた餡子にはチクロが含まれていないからね。そうだなー、こいつはいうなれば生まれながらのチクロ中毒ゆっくりになるんだよ」
今度はそのゆっくりを使っての森に巣食うゆっくりの絶滅方法の解説に移行する。


私としてもチクロを使った研究は大規模に行いたいが、予算が無い。
そこで今回の駆除に協力する代わりにいろいろ実験をさせてもらう事になってね。
さらに学会では倫理的な問題から禁止されていた。赤ちゃんになる前の胚への薬品の使用を行おうと思うんだ。
無論、企業側にはチクロしか使わないと報告しているけど、他にもいろいろ・・・ね。
問題行動を起こす個体がいれば、チクロの影響でできた畸形という事で処理できるし、
このフラスコの中のれいむとその水槽にいるれいむは企業側に提出するサンプルさ。
チクロ中毒のゆっくりを放ち、畸形のゆっくりを大量に作らせ、そこにさらにチクロを散布する。
たぶん森全体が共食い地獄になると思うよ。企業のお偉方はどっちかというとそっちがメインらしいし。


校医は楽しそうに笑う。
女生徒はさっき校医がフラスコを取り出してきた装置の大きい物を校医の実験室で見たことがある。
そこで育てられたゆっくりが森に放たれるのか、飼育小屋のような小さいコミュニティの中に1匹新しいゆっくりを入れるだけでも、
何かしらの混乱や摩擦が生まれると言うのに。何かしらの異常を持ったゆっくりを大量に放てば森に暮らすゆっくりの生活は激変するだろう。

「相変わらず先生は酷い人ですね」
女生徒の言葉を校医は自分が企業に嘘をついているからそう言われたのだと思い答える。
「まあ、嘘も方便だよ。ところで、友世、明日のお弁当なんだけど。玉子焼きが良いな」

「分かりました・・・。甘い奴が好きなんですよね?」
「いや、醤油とネギが入った奴で。私は甘い玉子焼きが苦手なんだ」



〜あとがき〜
狂った女の子が大好き118です。狂い花でググったら五番目にあのSSが来てて吹き出した。一応、季語なんだけど。有名じゃないのかな?
赤姫は歌舞伎の用語だけあってだいぶ低かった。千夜先生は千夜一夜物語と118という文字から取ったし、
タイトル名が「千夜」となることはないのでまずヒットしないか
by118


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最終更新:2009年02月05日 23:11
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