ゲバ
アナーキーインザゆっくり ~ゆっくり闘争っていってね!!!~
パンクとは全く関係有りません。ごめんね


最近この村のゆっくり共に変化が現れた。
普通ゆっくりはそれぞれが勝手な行動を取るだけだが、この頃は何らかの統率が見て取れる。
おそらく強力なリーダーを持った群れが出来たに違いない。
人間の被害が拡大する前に、何とか群れを崩さねばならないだろう。



「ゆっくりしていってね!!!!」

群れを壊滅させる方法を皆で練っていた最中に大音声が鳴り響いた。
この大声、普通のゆっくりの物ではない。皆がその声のした方向を見ると、そこにはこれまで見たこともないような大きなゆっくりが居た。

そこらの木々よりも大きな体に髪に結んだ幾つもの飾り、そのゆっくりはドスまりさと呼ばれるものだった。

突然のことに対処のしようもない我々だったが、ドスまりさには村を襲撃しようなどというつもりはなく、何やら談判しに来ただけのようだった。
知能が高いと評判のこの大饅頭、どうやら人間と対等の関係を結びたいらしい。人里は荒らさぬ、そちらも我々に無用の干渉をするな、とのことだ。
饅頭風情と相互不可侵条約を結ぶなど屈辱も良いところだが、我々の命は今のところこの大饅頭に握られている。こいつが暴れれば留める術を我々は持っていない。
そこで渋々ながらも我々は承諾した。それをこの饅頭は自らの主張が話し合いによって認められたと勘違いして喜んで居る。糞饅頭め。



確かにゆっくりによる被害は減った。初めの内は。

しかし次第に元に戻っていった。我々も作物を盗みに来たゆっくりは容赦なく潰した。ドスとはもともとそう言う取り決めであった。
自らが裏切ったことを都合良く忘却し、あるいは初めから理解して居なかったのか、死の間際までドスに頼りドスの救いを求めながら潰された饅頭も居た。
まあ元々この程度は想定の範囲内であった。しかし、どうしても食料が足りなかったのだ、と泣きながら訴えつつ潰されたものも居た。
もしもこのことが本当だとしたら、なりふり構わぬ奴らはいずれドスまりさの主導の元に、人間の食料を奪いに来ることも考えられる。それだけは阻止せねばならない。
やはり先手を打つべきなのか。


ある日私が道を歩いていると一匹のゆっくりれいむに出くわした。
「ゆっくりしていってね!!!」
ドスのおかげで人間は自分達には危害を加えないとわかっているので、人間に怯えること無くゆっくり本来の反応を見せてくれた。ゆっくり達にとっては良い時代になったものだ。

「ゆっくり・・・か。君は本当にゆっくりできているのか?」
れいむに私は問いかけた。
「ゆっ?れいむはゆっくりできてるよ!!」
当然の反応だ。
「しかし、君よりももっとゆっくりできているゆっくりが居るんじゃないか?」
「ゆゆっ・・・」
黙り込んでしまった。どうやら思い当たるところが有るようだ。
「・・・ドスまりさか?」

「ゆっ!」
れいむは驚いたような表情をしたまま固まってしまった。
「あいつはあの巨体だ。どうせ普段は自分で餌も取れないんだろう。権威を笠に着てふんぞり返ってるだけじゃないのか?」
「ゆゆっ!!そんなことないよ!!ドスまりさはたしかにごはんはとれないけどみんなのためにがんばってるよ!!!」

普通のゆっくりならここで嫉妬に狂っていただろうが、このれいむはマシな部類のようだ。

「本当にがんばってるのか?ただ体がデカいだけで誰も逆らえないんじゃないのか?」
「特別扱いを受けてる奴らは居ないか?あいつに取り入ろうとしてる奴らは居ないのか?」
「結局アイツは自分が良い思いをしたいが為にお前達を利用してるんじゃないのか?」
「ゆぐぐうぅ・・・」

畳みかけるようにれいむの組織への疑いを煽っていく。
極めつけにこの一言だ。
「あいつが来る前は、お前達はもっとゆっくりできていたんじゃないのか?」

「ゆっ!!」
れいむの脳裏に過去の記憶が蘇った。
確かにあのころはみんなゆっくりしていた。
好きなときに食べ、自由な時間を過ごし、愛し合っていたのだ。
それが今はどうだ。
群れのため、と言う名目で食料は取り上げられ、群れのために働かされ、子供も作ることを許されない。
そして自分たちの努力の上に胡座をかく下劣な支配者・・・・

「ゆっっぎいいいいいぃぃぃぃぃ!!!!」
餡子の涙を流しれいむは怒った。ドスまりさに、側近達に、そして疑いもなく奴らを信じた自分に。

「おにいざん!!あいづらをなんどがじだい!!」
なんとかして、ではないところにこのゆっくりの気概が感じられる。つくづく良く出来たゆっくりだ。

「ならば奴を殺せ!」
「ゆ゙っ!?」
この答えは予想していなかったらしい。
「何を躊躇うことがある。奴を殺せば皆がゆっくりできる。それに、あんな奴を生かして置いてもまたどこかで同じ事をするさ」
「でも・・・れいむじゃドスまりさにはかてないよ!!」
「私が勝てるようにしてやる!奴を倒したければ私の所に来い!」
「ゆゆっ!わかったよ!ゆっくりついていくね!!」
瞳に強い意志を込めれいむは頷いた。



仕込みは完了。賢いゆっくりに会えてよかった。馬鹿なゆっくりはこんな話理解することも出来ないだろう。



程なくして家に着いた。
れいむを家に入れて待たせ、自分は準備をしに村の武器庫に行った。
帰ってきたとき、れいむは家を荒らすこともなく行儀良くしていた。意志の力はゆっくりでさえも変えるのか。
「待たせたな。これは小さくても必殺の武器だ。これを使えばドスまりさも一発だ。」
れいむに箱のような物を見せる。
「これを使うには強く噛むだけでいい。できるだけドスまりさの近くで使うんだぞ。あいつの側近も巻き込めるだけ巻き込んでおけ」
「ゆゆっ!わかったよ!!」
れいむは勇敢に頷いた。

「・・・れいむ」
「おにいさん!なに!?」
「ここで言ってしまうと君の決心が鈍るかもしれないが、やはり言っておくべきだろう。」
「君は死ぬかも知れない」
「ゆっ・・!でもそんなのはじめからわかってたよ!!それでもれいむはやらなきゃいけないんだよ!!れいむがやらなきゃだれもできないよ!!!」
やはりこのれいむ、私が見込んだだけのことはあるようだ。
「しかし、たとえ君が死んだとしても、後のゆっくり達は君を英雄と認めるだろう。」
「そして、もし君が生きて目的を達成することができたとしたら・・・!」
「ゆゆ・・・!!」
れいむの頬が緩む。英雄として讃えられる自分を想像したのだろう。まあ、戦いに行く者としてはこれくらいで丁度良い。

「よし、行け!!もう会うことも無いだろう!!」
「ゆっ!!おにいさん!!ありがとう!!ぜったいにおにいさんのことはわすれないよ!!!」

れいむは箱を口の中に入れ、家から飛び出していった。



「まあ会う事なんて絶対に無いんだけどね。」



所変わってここはドスまりさの住む洞窟。
「ゆうぅぅぅぅ・・・・」
「むきゅ!どうしたの!?ためいきなんかついて!」
旧友のゆちゅりーがドスをたしなめる。
しかし溜息をつくのも無理はない。群れの状態が極めて芳しくないのだ。
「ごはんはあまりとれないし、みんなはつかれてるし、まりさのなまえをだしてわるさをするやつらもいるし・・・」
「ドスはよわねははかないのよ!いつかみんなわかってくれるわよ!」
「ぱちゅりー・・・」

このままでは群れは自壊してしまう。なんとかしなければならない。いっそ村を襲うか。
しかし、こちらから結んだ条約を勝手に破るのは・・・いや、手段を問うている場合ではない。しかし・・・



れいむは群れの中を飛び跳ね、ドスまりさの元へと進んでいた。
その時、一匹のまりさがれいむに気付いた。
「れいむ!!どこいってたの!?ふたりでゆっくりするってやくそくしてたよね!?」
れいむはまりさに振り向いて答えた。
「ごめんね!!だいじなだいじなようじができたんだよ!!」
そしてれいむは真剣な表情になって言った。
「このたたかいがおわったら、まりさ、れいむと・・・ううん!なんでもないよ!!!」
最後まで言い切らず、踵を返して跳ねてゆくれいむ。
「ゆゆ!?たたかいってなに!?なにをするきなのれいむ!!?」
問いかけるまりさの声を背に受け、れいむは洞窟へと急いだ。


「ゆっ!?なにしにきたの!?」
護衛のゆっくりたちが洞窟の入り口を塞ぐ。
「ドスまりさにようがあるよ!!ゆっくりとおしてね!!」
「だめだよ!ドスまりさはきょうはだれともあわないよ!!」
このまま問答を続けても仕方がない。
「もういいよ!!れいむはいくよ!!」
れいむは強引にゆっくり達を押しのけ、洞窟の中に入っていった。

「れいむがはいっていったよ!!!」「ゆっくりつかまえてね!!!」
何匹ものゆっくり達がれいむを捕らえようと追いすがってくる。
しかし、強い意志に裏打ちされて走るれいむを捕まえられるゆっくりなど居るはずもなかった。


そして、ドスまりさの元へ辿り着いた。
幸運にも奴らは会議中だ!!
「どすまりさああああああぁぁぁぁ!!!」
れいむは絶叫を上げ飛び跳ねる。
辺りに居たゆっくり達は皆驚いた顔でこっちを見た。

「ゆっくりとりおさえてね!!!」
護衛達も追いついて来た。

「ゆっくりしねええええええええぇぇぇぇぇ!!!ぐぶぅ!」

ドスまりさの目の前まで到達した、と思いきや、そのままドスまりさに踏まれてしまった。
「れいむ!どうしてこんなことするの!!?」
厳しい顔で詰問するドスまりさ。
「はんぎゃくしゃだってさ」「おおこわいこわい」
「むきゅううう・・・」

側近達も脅威が去ったと思い、こちらに近づいてきた。


すぐに自分を踏みつぶすよりも、一旦捕らえ、組織への不満を聞き出して対策を行ったり、あるいは反逆者として処刑を行えば、群れの結束を強めるのに利用することも出来るだろう。
この場合、ドスまりさの判断は正しい。
だが、こちらの戦力を把握する前に行動を起こすべきでは無かった。

「かったぞ!!!」
れいむは叫び、必殺の武器を起動させた。



洞窟内に閃光が走り、同時に爆風が吹き荒れ、洞窟を揺らした。
男がれいむに渡したのは、確かに必殺の武器であった。使用者に対しても。


れいむは体内から吹き出す爆風に一瞬で身を四散させた。
れいむの近くに居たゆっくり達は全て粉々に砕けるか吹き飛ばされて岩壁に叩き付けられ、中身を吹き出して絶命した。
護衛のゆっくり達も吹き飛ばされ、満身創痍の状態だ。

「ゆ゙っ!ゆ゙ぼっ!!ど・・どぼじでごん゙なごどに・・・!!!」
ドスまりさは体が二つにちぎれかけるほどの重傷を負ったが、かろうじて意識は残っていた。
そのために見てしまった。岩に張り付いたぱちゅりーの顔を。
「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ばぢゅり゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙!!!!!!」

体が崩れかけているためにゴボゴボと濁ったその絶叫は、洞窟中に響き渡り、外へと抜けていった。


「ゆゆっ!!!」
洞窟の外にいたゆっくり達も異変に気付き、次々と洞窟の中に入ってきた。
そしてその惨状を見た。




「「「「「「「「「「「「「「「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」




ゆっくり数十匹とドスまりさ一匹の絶叫は、爆発によって崩れかけていた洞窟の天井に最後の一撃を加えるのに十分だった。

ゆっくり達の絶叫はそのまま天井が崩れてくる事に対してのものになり、仲間が潰れ、生き埋めになっていく事に対してのものになり、そして自分の命が失われる事に対してのものになっていった。



ゆっくりの群れはここに壊滅した。
しかし生き残った一部のゆっくり達は、れいむの思惑通りドスまりさが来る以前の状態に戻っていった。
人間に駆除され、動物に食べられ、加工場で加工され、鬼居山に虐待され、AQNに虐殺されるだけの底辺の生物へと。




今回の教訓
中途半端に賢い者は集団にとっての最大の害悪
偉い人の苦労は理解されない(しかし偉い人が苦労しているとも限らないが)
極左思想で一番得をするのはその集団の外部の者
小さくても必殺の武器が必ずしも銃だとは限らない
戦っちゃいけないんだ僕達は
愛など粘膜の作り出した妄想


ゆっくり内部崩壊していってね!!!
多分一番楽なドス駆除法。

あの爆弾はもしれいむがそのままドスまりさに踏み潰されていたとしてもドスの重量でスイッチが入ります。
もしれいむが自爆テロをせずにドス殺害に成功したとしても、理解のない群れのゆっくり達による集団リンチに遭うだけでしょう。
そしてもし英雄として認められたとしても、駆除に来た人間に立ち向かわされて死んだだけでしょう。
つまりれいむは初めからどう見ても詰んでます本当にありがとうございました

餡子クチュクチュの人がお送りしました





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最終更新:2022年05月03日 15:22