次の日が来た。

何かねっとりした感触に違和感を感じた少年が目を覚ますと
母まりさが平べったくなって粘液をダラダラと垂らしていた。

「ゆっ…!!! お、おかあさんはもうげんかいだよ!!!ゆっくりおきてね!!!」


少年を一晩中支えていたその体は大きくへしゃげ、半分ぐらいの厚さになっていた。
あまりにも間が抜けた姿に少年は吹き出しそうになった。

「ゆっ!おちびちゃんたちをおこさないと!!!それにきょうはかりにでかけないとね!!!」
潰れた身体で子供達を起こしに行く母まりさ。


目を覚ました子まりさは自分の母親が無様に潰れひしゃげた姿をダイレクトに見た
「ゆっ!!! お、おかあさん!!!どうしたの!? からだでもわるいの!?」と、叫ぶ
やはり餡子脳のゆっくりは少年の行動だとは思わなかったようだ。
つか体調以外の何かを疑えよ。


すると母まりさが平べったくなった体で「ゆっ!!!だいじょうぶだよ!!!おかあさんはつかれたまりさのために
まくらになってあげただけだよ!!! ぜんぜんへいきだよ!!! それよりきょうはおいしいおさかなさんを
とってこようね!!! みんなであさごはんをとりにいこうね!!」
子供に無駄な心配をさせぬと嘘をついてみせた。
そんな体で大丈夫か?大丈夫だ、問題あるw


だがもう一方の子まりさは「ゆゆっ!!!おかあさんはむりしちゃだめだよ!!!
まりさたちがかりにいくからおかあさんはおうちゆっくりでやすんでね!!!」
と、言い出し、赤まりさ達も「「「「「「「そうだよ!!!ゆっくちやすんでね!!!」」」」」」」
と一斉に言い出した。


ズガッ!!!

少年はすかさず言い出しっぺの子まりさに弱い蹴りを入れてやった。
「駄目なんだぜ!!!お母さんは実はサボりたい為にわざと体を平べったくしてるんだぜ!!!
実はお母さんはムッキムキのスーパーマッチョな状態なんだぜ!!!
お母さんの言う通り、全然平気なんだぜ!!!いつ狩りをするか?今なんだぜ!」
勿論メチャクチャな理論であることに間違いはない。
だが彼らが餡子脳なのか姉のカリスマ性なのか、一家の論調は一気に変わった。


「「「おかあさん!!!ずるやすみはいけないよ!!!」」」
「「「「「「「おさかなさんをとりにいこうね!!!」」」」」」」



これでこいつらが魚をどうやって捕まえるのか分かるな
こいつらを利用して魚をたらふく食ってやろうか…少年はそう思った。


そんな訳で狩りに出かけたのだが、こいつらの遅さと言ったら…
たった数メートル進むのにどんだけ時間かけてんだ…少年は苛立ちを隠せなかった。
「ゆっ!たいようさんこんにちは!くささんこんにちは!もりさんこんにちは!むしさんこんにちは!」
「「「「「とりしゃん!ゆっくちちていってね!!!」」」」」
誰もそんなこと聞いてないのにのんきな奴らだ。潰したくなるがそこは我慢だ。
つか、こいつら昨日の空腹状態は何処へやら…

「ベチョ!」鳥のフンが赤まりさに落とされた
「どぼしてそんなことちゅるのおぉぉぉぉ!!!」相変わらずこれだ。
鳥さんはこいつらのウザさに怒っているのかもしれない。


90分後、奴らの絶好のゆっくりプレイスに到着した。移動距離約300m
遅い、遅すぎる。300m進むのにこんだけ時間を掛けるとはウサイン・ボルトも真っ青だ。
草木や花が生い茂り、昆虫も沢山いる。ん?こいつら魚取るって言ってたよな?



ほとんどのゆっくり達は昨日の食事にありつけなかったのか草花や昆虫を見つけるや否や、
恐ろしい勢いでむさぼり始めた。
「ゆっ!!!むしさんまってね!!!ゆっくりたべられてね!!!」
「むーちゃ、むーちゃ、しあわせー!おはなさんおいちー!!!」

平べったく潰れた母まりさにに草花や虫を運ぶ子供や赤ゆっくりもいる
「おかあさん!!これをたべてゆっくりげんきになってね!!!」
「ありがとう!これでおかあさんもゆっくりできるよ!!」素晴らしい親子愛(笑)
そんなんで潰れた体が元に戻ったら物理学者も真っ青だろう。

もちろん少年がこいつらの食事を許すはずがない。じわじわ痛めつけると決めたのだ。


ズガッ!!

子まりさに蹴りが入れられる。
「駄目なんだぜ!!!お花さんや草さんは光合成で酸素を作ってるんだぜ!!!
草さんやお花さんが少しでも消えたらみんな死んじゃうぜ!!!」少年は熱く(?)語る。
もちろんそんなのはデタラメだ。微量な草花の消失程度では酸素の供給が尽きることはない。
そんな事で酸素が尽きてたら今頃あなたは呑気にネットなど見れないはずだ。


「「「「「「「「「「「「ゆっ!?」」」」」」」」」」」
衝撃の事実(?)を突きつけられたゆっくり達の口の動きが止まった。
少年は続ける「それに、昨日虫さんは食べるなって言ったはずだぜ!!!
お前ら学習能力ゼロかだぜ!?それだから人間さんに舐められるだぜ!!!」
無論、このままゆっくりが食事を終えると自分が何も食べれないし、
何よりもゆっくり達の飢えを満たす訳にもいかないのだ。


「じゃあなにをだべればいいのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛!」
ゆっくり達が口々に叫び出す。


少年は「お魚さんを食べればいいんだぜ!!!お魚さんは川を放射性廃棄物で汚す悪いやつなんだぜ!!!
このままだと2年後には地球が滅んでみんな大変になるぜ!!!」と、言ってやった。
勿論デタラメだ。
つか、こいつら魚を取ることすっかり忘れてんのかよw
あなた達の脳年齢は120歳です。


(どうしてうちの子はこんなにひねくれてしまったのか、街に出たことでおかしくなったのだろう。
この子に魚をもっと食べさせれば元のいい子にもどってくれるはず。)母まりさはひしゃげた体でそう考えた。


「おさかなさんをとりにいこうね!」
「そうだね!おさかなさんをつかまえればゆっくりできるよ!!」
すっかりこいつら乗り気になりやがった


…やはりこいつらの移動は遅い。と言うか無駄な行動が多い。
「おはなさん!!!ゆっくりしていってね!!!」流石に少年も我慢の限界だった。

ここは一喝すべきだろう。

ゴキッ!!



母まりさに激痛が奔る。
「何タラタラしてるだぜ!こうしてる間にもお魚さんが地球を破壊してるだぜ!!
地球住めなくなったらどうするだぜ!!新しい地球用意できるかだぜ!?」
「ゆっ!!ごめんねまりさ!!ちびちゃんたち!!ゆっくりはやくいこうね!!」
母まりさは矛盾したことを言いながら子供たちに早く移動するよう促した。


30分かけてたどり着いたのは人里だった。だがそこは少年の住んでいる街ではなかった。
街というよりも町と呼ぶに相応しいその場所は、数十件件の民家と漁船が並ぶ漁業の町だった。
ここでは毎日新鮮な魚が定期的に上がってくる。


つか、人里から手に入れるんなら「捕まえる」じゃなくて「盗む」だろ
やはりこいつらに魚が取れるはずないか。少年はそう思った。




…誰か続きを






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最終更新:2023年06月19日 16:23