麻雀お題「まりさがなにかにむしゃぶりつく話」




「ただいまーっ、っとな」

 部屋の中で待っている連中に聞こえるよう、ことさら大きな声を張り上げて
ふすまを開ける。

 狭いながらも愛すべき我が家、狭いアパートの六畳一間は、なんともいえない
くらいに散らかりまくっていた。

 汗まみれのまま脱ぎ捨てた仕事着やらパンツやら、ビールの空き缶やらコン
ビニの袋やらが、ところどころに山をなしている。

 もちろん部屋にはえもいわれぬ臭いが、狭い屋内にみっしりと満ちていた。
 ツン、などという生易しい表現を通り越し、鼻を巨人に握り締められ捻り上げ
られたような途轍もない汚臭こそはk、百年の恋どころか千年万年単位の慕情すら
覚めかねぬ独身男スメルの権化。
 まぁ、三日も部屋を空けたのだから当然だろう。
 そりゃ発酵もすすむさ。細菌さんたちだって、これをかもさずにはいられないさ。

 汗の臭いにワキガの臭い。
 垢の臭いに腐臭がプラス。

 難題全部解いてさしあげて身も心も俺に蕩けるモードな蓬莱ニートですら、
この部屋のにおいを嗅いだ瞬間喀血嘔吐して永遠の寿命を須臾に変えて死ぬことを
選ぶであろうことは疑いない。

 だがそれを乗り越えて愛してくれたならと妄想してみたりするとそれなりに幸せ
になれる。

『臭いの、この部屋すごく臭いの、だから大好き、愛してるぅ!』なんていわれたら
俺は一生をぐーやに捧げる。

 そしてぐーやはきっとワキガだ。
 ワキガでワキ毛ぼうぼうの女の子。
 そしてそれがぐーやであったならもう俺は何も望まない。世界が滅んだって
かまうもんか。

 この妄想と、俺はきっと添い遂げる。
 すなわちラ・マン、赤字で宣言したってかまわない。
 つまり魔法。汚臭的密室犯罪の極地とすら言える立方メートルを、俺はここにトレースオン。
 つまり俺の脳内にはワキガなてるよがヘヴン状態である。

 すなわちこの部屋こそ俺が夢見し幻想郷。
 そして俺こそが幻想卿。誤字見るたびに思い出せ。
 故に誰にもつっこみは認めない。

 しかるに、このまりさども、大小都合六匹と来た日にはッ!!

「ゆ……ゆぅ……ゆ"う”ぅぅぅぅぅッッ!!!」

「ゆ"     ゆ"ぅ        ゆ"っ」

「あかちゃんしっかりしてね!
 おねえちゃんがぺろぺろしてあげるからね!」

「おにいさんはくさいくさいをなんとかしてね!
 なんとかしたら、いいにおいのあまあまと、きれいきれいできるおふろをよこしてね!
 よこしたらいますぐしんでね!」

「くさいくさいはじんるいがゆっくりできないよ!
 じんるいのてきのおにいさんはゆっくりしんでね!」

 俺は睨み付けた、こいつら人の布団を借りておいてなんという言い草かッ!
 どいつもこいつも、何故にげっそりと頬をこけさせているのかッ! 
 お肌の白さは深々と真っ白なのかッ!
 赤まりさどもなど、何故に口元を幽けき吐あんこにて紫に染め上げておるのかッ!
目元の黒々とした半月の隈取りッ!それはナチュラルアイシャドーッ!

 化粧かッ!揃いも揃って一歳未満が早くも身飾るを覚えたかゆっくりッ!
 人が死ぬ思いして働いておったというのに、こやつ等と来た日には面を塗り染める
余裕があるとはッなんというゆとり仕様ッ!

 ああもうなんというわがままさ!これがゆっくりの極みというものか!

 ニートめ!
 日本経済の捕食者め!
 この世に居ていいニートはぐーやさまだけだッ!
 そして寝巻きはジャージ以外許さないのですよ、かぐやさまん。

 この不景気のせいで残業代=勤務する工場のペットボトルというステキな経済状況の俺に!
 お前たちは!

 この俺はッ!この三日間お布団にあこがれていたのだッ!
 パイプ椅子を3つ並べた似非ベッド、うっかり寝返りを打てば冷たいコンクリートに転落は
必然という、ゆっくりイズムの対極にあるベッドがおいらの寝床だったのさ!

 6つ使えばぐっすり寝れる?
 残念足りねぇ!そんな贅沢は係長にしか許されなかったッ!

 しかるにこいつらはッ!
 俺のゆっくりしたお布団で三日もゆっくりしたのであるッ!

 ああ!見れば枕の脇に山積みにしておいたmyトランクス、その上でゆっくりと育っていた
キノコどもさえ全滅しているではないか!
 そう、それはきっと伝説のサルマタケ!かのラーメンばかり食らっていた大四畳半男の
体機能を維持し続けた栄養バランスの黄金率をただ一種にて為す伝説を!

 現実が認められぬが故に、俺はきつくまぶたを閉じる。
 黒の視界が血に赤らみ、眼球に圧痛を覚えるほどに眉に眼に力をいれ、現実の直視を
拒まんとしても、しかし脳裏にすでに刻まれた情景、餡子脳ならぬ身には忘れがたし!

 すなわち、屈辱ッ!脳を越え骨肉にいたるまで染み込みし恥辱ッ!

 こやつらッ!こやつらおれに断りもなくッ!
 この俺のゆっくりプレイスのッ!ゆっくりプレイスを!
 たかだか三日前、ただ一度のゆっくりプレイス宣言でッ!あろうことか俺キノコをッ!
畜生ッ!畜生奴ッ!畜生腹が怒許せぬッ!

 危うくその場で脱糞失禁放尿し、其れをば彼奴らの面皮に塗りたくる衝動、この肉体に
沸き起これども、されど我健全なる日本男児なりせば、理性をもってその汚辱衝動に忍耐す。

 我が脳内のぐーやさまも、「流石にうんうんはR-18G指定」とのたもうておられる。
 こやつ等はぐーや様の温情に感謝すべきである。だが許せぬ!

「ゆっぐりにげるよ!おうちかえるよ!おなかすいたよ!くさいくさいはもういやだよ!」

「飢えたか!帰るかッ!
 ならば食らえッ!土産であるッ!我が労苦をば吟味せいッ!」

 これほどのゆっくりプレイスに有りながら、涙目にて我が脇をすりぬけ表に逃れんとする
姉妹中最大のゆっくりまりさ、大きさにして小ぶりのキャベツほどの奴の頭蓋をば、右手にて
おぼうしごとがっしりと握り締め、日々の労働に鍛え上げられし我が鋼鉄の尻たぶに、ぎゅうと
音鳴るほど強く押し当て、はらわたに篭れる我が憤怒の大気をば、腹圧諸共ことごとく、まりさの
口腔に弾きだす!

 刹那。
 ぷくぅと膨れ上がるまりさの感触を手に覚える。
 すなわちゆっくり風船の完成である。
 紐をつければ高々と浮かぼう。お空の果てへとたどりつくほどに。

 それはすなわち、このまりさが我がこの三日間のフライ系クソ不味弁当の成果である、
瞬殺無音の黄金気を、余すことなく味わいたる証にほかならぬ。

 そして我が腸気分爽快。
 ガスという瓦斯を吐き出せるほどの至福はなく、故に心地はへぶん状態。
 まりさ奴も酔いしれているか。
 飢えておるか。

「わが尻肉をズボンの上より震えながら這う舌の感触、丸く開かれておる唇の感触!
 旨いかッ!旨いがゆえにむしゃぶりつくかッ!

 さあ食らえッ!我が尻食らえッ味わえッ!我が身肉より生ぜる労苦旨かろうッ!
 旨かろうよなぁアアアアアアアアアアアアッ!?」

 涙さえ流しながら吼える俺。
 俺が便秘であったことをこのまりさは嘆くべきであろう。
 わが腸内にて完全に熟成されしカッチカチ、生半にては生まれてくれぬ。
 人に取り、ゆっくりの餡子が美味であるというのなら、ゆっくりにとり人の餡子は、
空前絶後の味わいたりえようなァ?

 しかるにッ!! 

「    ゆ"     」

 尻の皮膚にて聞く声、ただ一音節のみと来た!
 なんというゆっくり、否これこそがゆっくりか、なんという貪欲!
 この程度では足りぬというかッ!

「おお!望むならしゃぶりつけッ!我が尻喰らえッ!喰らえええええええええいッ!!」

 気張る、気張る、気張る、気張るッ!
 気張るほどに聞こゆるは豚の鳴き声、それこそは我が尻の誇るファンシー・ボイス!
 この男臭切ないナニワ金融道系六畳一間をただ一瞬にてリリカルに染め上げる天上の音色!
 なればこの手に伝わるまりさの震えこそは、至福の具現にほかならぬ!

「お"ね"え"ぢゃあああああああああああああああん"!!!!!」

「ゆっぐりじでねぇえええええええ!ばりざゆっぐりじでぇええええええええ!!!」

「おにいざんおねがいでずがらやべでぐだざいぃいいいい!
 ばりざがゆっぐりでぎなぐなるぅううううう!!!」

 なんという羨みの声援。二度とゆっくりできなくなるほど旨そうと申したか。
 だが独占ッ!叫びと同時に俺渾身ッ!

 食堂胃十二指腸膵臓胆臓小腸大腸、
 その全てのドリップを……我が黄金気に染み込ませる!

「ふんぬぐごおおおおおおおおあああああああああああああああああああああああッ!!!
……あ、おお……お……」

 ぶりゃ、と。

 ケツ筋を全開に絞り上げ、わが美しき屁音の最後の一滴までを姉まりさの中に搾り出した。
 快感に我知らず呻き声が漏れる。
 己が頬を伝う一滴の熱いもの、その正体は果たしてなにか。

「ふぅ……」

 そして訪れる賢者タイム。
 この世の全てを理解したかのごとき静謐な心地とともに、俺は右手のまりさを天井にかざす。

 まりさは、もう声さえも発することができない心地のようだった。
 どことなく灰色に曇った瞳に輝きはなく。
 サーモンピンクであるべきはずの舌は、でろりとした青みを帯びて口腔から長く垂れ、振り子の
ようにゆれていた。
 だが、体は膨らんだ勢のままに緩んだきりで、半端に萎んだビーチボールの如く、ふるふると頼り
なく震えている。
 ぶひゅるるる、と最後の息を発して、まりさのほほがようやく萎んだ。

 まりさは、もはや痙攣すらしていない。

 当然であろう。
 三日の熟成を経て完成した我が尻息の少年臭は完全であった。
 完全とは完璧であり、すなわち完成である。世界の真理と言ってもいい。
 そしてゆっくりほど世界に正直な存在はなく。
『今日に道を知らば明日死するとも悔いず』の格言を体言するかのように、まりさの魂は永遠の
世界へとすでにして旅立ってしまっていた。

「「「「「ばりざぁああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!」」」」

 悲鳴五重層心地よし・・・・・・だが終わりませんとも終わらないのですよ。

「羨ましいのデスネ?」

 ごきごきと首を180度後方に回し、悲鳴を上げるゆっくりどもをニヤニヤと見渡す。

「う"らやばじぐないいいいいいい!!!!ばがなの!?じぬの!?」
「ばげものぉ!ばげものはじねぇ!!!ゆっぐりでぎなぃいいいいい!!!」
「ばりざのおぢびぢゃんをがえぜぇえええええ!!!」
「ぎょばいりょぉ!ぎょわいりょぉおおおお!!」
「ゆ”ぅーーーーー!!」

 顔色真っ青涙目がくがく、今にも恐怖だけでイッちまいそうな逆へぶん状態のまりさたちは
とても愛らしく……いかんいかん、勃起してはいかんなぁ俺。かわいいからって饅頭はまずい……
そう、紳士に。紳士に対応しなければ……魂のZIPファイルを解凍し、ブルジョアジーをば
脳内にインストール。
 限界にまで膨れ上がってテンションを紳士分へと昇華させ、今こそ私は紳士お兄さんッ!


            • そして私は優雅な所作で、ゆっくりたちを見つめます。


「困りましたネェ。

 ゆっくりできないというからゆっくりさせてあげようとゆっくりさせたのに、
ゆっくりできないと申される。

 つまり至らぬのですね?まだ足りないのですね?なにがほしいのですか?
 ああそうそう。
 臭い臭いが嫌と申されましたね……。
 あまあま、つまり食事もほしいと申されましたね……」

 ぷっくくとスマイル一丁。オーダー、確かに伺いましたヨ?
 ではそのお願いを叶えてあげましょう。

 臭い臭いの原因は、この部屋にある未洗濯の服の山。
 パンツをかき集めTシャツを積み重ね、ついでに今着ている作業服も脱ぎ捨てて追加。
納豆スメル芳しき靴下も、トッピングとしてあしらいます。


 すなわち私、ただ今全裸。ナチュラルボーンヌーディスト。
 上腕二等筋を震わせ、ついでに胸をぴくぴくと言わせつつ、優雅なる所作にてまりさたちに
その服を指し示します。

「さあ、お食べなさい」

「「「「「おにいざんな”に”をいっでるのぉ!ぶぐさんはだべられないでじょおおおおお!!!」」」」」

 何故渾身の悲鳴が上がるのでしょう。お兄さんぜんぜんわかりません。

「この服はいずれも天然素材百パーセント、麻に綿にシルクですヨ?
 元は草であり虫さんですヨ? 
 ゆっくりなら食べられるデショ?
 お兄さんエキスがたっぷり含まれた、自然ではまず食べられない滋味ですよ、
 さあご賞味あれ・・・・・・」

 なんというか確かに俺、じゃなくて私も臭かったですしね、なんかこう洗濯するのもやだし
お前ら全部食えというのが本音ですがそれはそれとして。

 まぁ、このままでは確かに食べてはいただけませんよねぇ、何か手を打ちませんとねェ。

「おお失敬失敬、あまあまが御所望でしたな、甘みが足りない・・・・・・」

 なるほどそれは思慮が至りませんでしたネなどと思いつつ、足元に転がったままになっていた
子まりさであったものを拾い上げます。
 そしてそのお口を耳に当ててみる。

「はあ、なになに・・・・・・『まりさがあまあまになるよ』?
 なるほど、それはよい・・・・・・
 ゆっくりはアンコが大好きですものねェ・・・・・
 だそうですヨ、ミナサン?」

「いもうどはゆっぐりじじゃっだんでじょぉ!
 ぞんなごどい”わ”ないよぉ!!」 

 一番でかいゆっくりがそんなことを仰られる。
 だが言うのです。否言っているのです。わたしには聞こえるのです。
 だからあなたたちにも聞かせて差し上げるのです。

『おねーさんありがとうね。
 まりさいっぱいゆっくりできたから、これからみんなをゆっくりさせるよ。
 ほんとうにありがとうね』

 ぱくぱくと口を動かすまりさからそんな言葉が。
 まぁ言うまでもなく腹話術なわけですが、ゆっくりたちにはわからないご様子で。

「どぼじでぞんなごどいうのぉお!!!」
「おねーぢゃーんゆっぐりぢでぇ!やべで!もうやべでぇ!」

 ふるふる、と私の手の動きにあわせて首振るまりさ。 
 となればそこから先の行動などもう決まっており、お姉さんまりさも妹まりさも
目にいっぱいの涙を浮かべて、『やべでぇ!』と悲鳴を上げておるわけで。

『さあ、おたべなさい!』

 力いっぱい引っ張れば、あわれ、まりさは真っ二つ。

「「「「「ゆ”ぅ”ぅ”ぅ”う”う”」」」」」

「なんという家族愛・・・・・・このお兄さん感服しました。
 涙が止まりませぬ、とまりませぬとも・・・・」

 さめざめと泣きながら、二つに割れたまりさを服の上に置き、ゆっくりとクサイ
お服の山に練りこんでまいります。

「やべで・・・ぼうやべで・・・・・・」
「ゆぐ・・・・ゆげぇ・・・・・・」

 もう見ていらんないとばかりに涙をこぼす姉まりさ、感動(?)のあまりにアンコまで
吐き出す子まりさ。
 まぁそれはそちらの事情なわけで。こちらはあなた方の要望にこたえるだけであるのです。

「さあ甘甘になりましたよ。
 お食べなさいお食べなさい」

 それでも食べたくないと連呼なさるまりさたち。
 これでは埒が明かないので、無理やり開けることにしましょう。
 ずりずりと壁際に後ずさりしていくまりさの群れめがけて跳躍!
 2メートルを一息に跨ぎ越し、バレーボールサイズのまりさをゲット!

「おがあざぁあああああああああん!」

 ああサイズからして既に成体であるのに、まだお母さん離れできないのですね。
 だいたい自然界にはあまあまなんてほとんどないのに、それでもあまあまを望むなんて
子供の証!
 お兄さんが大人の味を教えて差し上げます!

 まりさの口に両手を突っ込み、こじ開けるようにしてフルオープン!
 アンコまみれのパンツを拾い上げ、まりさの舌に履かせて差し上げ!
 ついでにヨゴレ靴下も追加で投入!
 何やら目を白黒させておりますが、まぁ無理に食べさせたので仕方ありません。
 顎と頭を掴んで、租借作業を補助しましょう。

「さあ、ご一緒に♪むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」
「む”-ッ!む”ぅーッ!ぶび、ぶびゃあッ!!」

 目から感動のあまりぼろぼろ涙をこぼしながら、口内の靴下を咀嚼するまりささん。
美味しいのでしょうねぇ涙さえ流してますねおやおや涎なんてレディがハシタナイ。
手がべとべとに汚れてしまいますウフフ。

 そしてパッと手を離して差し上げる私。
 そのままべちょっと落下するまりさ。 
 けれど痛みなんて気にならないようで、Yシャツを蹴散らし新聞紙を巻き上げながら、
歓喜に全身でのたうち狂っておられます。

「ゆ”ッーーーー!!!!ゆ”ぁーーーーーーーッ!!ゆじゅうぅt------っ !
 ぎゃじゃdふぁあああfじひぃいーーーーーーーーーッ!」

 あらあらアンコと一緒にパンツを吐き出してしまいました。
 アンコ増量ですねわかります。

 舌を伸ばして必死に靴下を取ろうとしているようですがどうにもとれないようですね。
 まりささんのつばと体温の影響か、臭さただ今五百パーセント増しのご様子で、ぜひ
ぜひといきつくたびに素敵な臭いがこぼれだしておりまして。

 腐った納豆を煮詰めて炒めたような芳香に、さすがの私も眉をひそめ、残りのまりさ
たちにいたってはカニみたいにアブクを吐き出す始末。

 いけませんな、ゆっくりしていませんなぁ。

「も   じょ   ゆ”   ぎゅり じだ」

 おやおや、また永眠なさってしまいました。
 ゆっくりはゆっくりしすぎると死ぬのでしょうか。
 まぁ本人、なんかゆっくりしたようなのでOKでしょう、ゆっくりしたって言ってますしねハイ。

 さて、と姉妹たちに目を向けると、もう言葉もないご様子。
 ここからいなくなれといわんばかりの涙目きらきら。

「どぼじで・・・・・・どぼじでごんなごどずるのぉ・・・・・・」

「だからお食事がほしいのでしょう?くさいのもいやなのでしょう?
 ならたべてしまえばよいのです。天然のものなら食べられるのでしょう?
 ああ、自発的でなくてはならないのですか。
 まったく、お願いを叶えるというのも大変なものです・・・・・・」

 となれば、そのための用意をば。
 私キッチンへと向かいます。
 後ろから『もうあまあまさんいらないがらがえじでねぇ』とか、『ゆっぐりざぜで。ゆっぐりざぜで』
などという声が聞こえますが、オーダーは完遂してこその紳士だと思うのです。

 さて、冷蔵庫から無数の食材を発掘。 
 それを片っ端からテーブルの上に並べていきますが、ほとんどボトルだの紙パックに納まって
いるので、ゆっくりたちにはコレが何なのかわかりません。

「さて・・・・・・ではこのゆっくりご飯を、さらにゆっくりできる物にしてあげましょう」

「やだぁ・・・・・・べんな”の”だべざぜないでぇ・・・・・・」
「おがあじゃんだずげでぇ」
「ゆ”-ん、ゆ”ーん”」
「ゆっぐりぐざぐなっでぎだぁ・・・・・」

 ふむ、おかあさんまりさはこの中にはいないのデスネ、死んだのでしょうかね、それとも姉妹で
ピクニックでもしていたのでしょうかね、ドウデモイイデスケドネ。
 おかまいなしに、まずは牛乳をばオープン!
 だばだばと服に振りかけてさしあげれば、強烈なミルク臭が服の臭気を早くもフォロー。
 今度は蜂蜜のボトルをフルオープン、コレもたっぷりと回しがけ!
 一袋二キロなりの黒砂糖を山と盛り、ぐっちゃぐっちゃと手でかき混ぜる!

 さすがにここまでしたならば、流石にまりさたちの様子が変わってまいります。

「ゆっ?・・・・・・ゆっくり、くさく、なくなってきた、よ・・・・・・?」
「あみゃあみゃのにおいが、しゅるよ・・・・・・?」
「だめだよ、あれをたべたらおねえちゃんたちみたいにゆっくりできなくなるよ、がまんしてね」
「いいにおいだよぅ・・・・・まりちゃ、おにゃかしゅいたよう・・・・・・」

 先ほどまでの恐れようは何処へやら、なにやらそわそわと落ち着きないご様子。
 黒砂糖のにおいに蜂蜜のにおい、それにミルクの匂いが入り混じれば、それはゆっくりに
とって至上のスウィーツ・・・・・・理性が拒もうとも本能が求めてしまうのだからしかた
ありません。

 しかし忍耐強いですねェ・・・・・・そんなに永遠にゆっくりするのがいやなんですかねぇ。
 いい加減本能に忠実になる頃合いでしょうにねぇ・・・・・・。
 いいでしょう。止めを刺して差し上げましょう。

 取り出しますは魔法の小瓶。
 その中身を一滴、一滴とスゥィーツの上に振りかけてまいります。

 湧き上がる甘美な匂いは花に似て、けれどもっと柔らかな匂い。
 嗅ぐだけで既にして甘き、その正体こそバニラエッセンス!

 一滴振り掛けるほどに、この部屋に存在するすべての臭気は覆い隠され、塗りつぶされ、
大気そのものが甘味と成ったがごとく。

 ああ、まりさたちは必死に耐えています。

 瞳を揺らし、体を震わせ、唇をきつく閉じて耐えていますが・・・・・・唇からはもう隠しようも
ないほどに、涎がだらだらと垂れております。

 なにしろゆっくりは全身これ嗅覚の塊。甘いものを食べたならば、とたんに餡内麻薬
駆け巡り、至福に忘我のヘヴン状態に陥るさだめ。

「だめだよ・・・・・・だべないでね・・・・・だべじゃだべだよ・・・・・・う”ゅ”う”う”う”う”う”う”」

「でぼあばあばだよ”
 ばりざおながずいでるよ
 だべだいどゆっぐりでぎだいよ」

「ゆっぐりじだいよ
 ゆっぐりざぜで
 だべだいよ どぼじでぇ」

「おにゃがいっばいに だるよ
 おにゃがべごべござんだよ」

 考えはわかります。
 食べれば永遠にゆっくりしてしまう。それはいやだ。だから食べたくない。
 けれどおなかはすいている。ずっとご飯をたべていなかったから。
 そして目の前のモノはとてもおいしそうなにおいをしていて。
 けれどそれは、ついさっきまでぜんぜんゆっくりできなかったクサイモノで・・・・・・

 それは絶望的なアンビバレンツ。
 ゆっくりという種の生死への本能と、食への本能が対立し、今まさにまりさたちの中で
アルマゲドンを引き起こしているのです。

 だが、無理でしょう。
 何故なら、所詮ゆっくりとは・・・・・・

 私は、床に満ち満ちた白い液体を、静かに手で掬い上げます。
 そして、壁際で忍耐に震えるまりさたちの肌に、それを静かに振りかけてゆきます。

「ふ・・・・・・ふぁ・・・・・・・ふぁあぁ────」

 ぶるり、と。
 ひときわ大きく、まりさたちがその体を震わせました。

 ええ、まりさたちの全身はこれ嗅覚。
 今までは『離れて』いたから、まだ忍耐することができたのです。
 しかし、今まりさたちは、臭いの源を、体に『直』で浴びてしまったのです。
 蜂蜜と牛乳と黒砂糖とバニラ、それはとてもとてもゆっくりできるもの。
 まして彼らは飢えていて───心も忍耐で磨り減っていて───

 なら、後はたったの一押し。
 ふるふると、まるで作りたてのゼリーのように震えるまりさたちに、ひとつ言葉を吹き込む
だけ。
 彼女たちが、今最も求めてやまない一言を。


───さぁ、お食べなさい。


「「「「ゆ、ゆ、ゆう───ゆ”ぅうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううッ」」」」


 雄たけびが、響き渡りました。
 それは、甘い炎に嬲られた理性の糸の断末魔。
 恐れと飢えに弱っていたなど嘘のよう。
 跳躍、突進、捕食、嚥下!
 愛らしい饅頭であったはずのまりさたちは、既に小さな餓狼の群れ。

 あれほど嫌っていた衣服の山に、我先に我先にと食らいついてゆくのです。

「あ、あま、あまま、あまままッ!あまっ、うまっ、うままッ!」
「ぺーろ、べーろ、じあわぜぇ!じあっ、わぜぇ!」
「ばりざのあんごあまぐなるぅ!あばい、あばいょお!」
「ぢゅうぢゅうぢゅるよ!ぢゅうぢゅう、ぢゅ、ぢゅううううううう!!!」

 ああなんということでしょう、ゆっくりの中でもっともお帽子を大切にするまりさたちが、
帽子がとれてしまったのも忘れ、必死にシャツを、作業着を含んで飲み下してゆきます。
ゆっくりの歯で、服が噛み切れるはずもなく、ゆえにゆっくりは飲み込んでゆくのです。

 ああ、あれは私めが一週間も履きふるしたカピカピの靴下!それを今、生まれて
日も浅いだろう赤まりさが、必死になって飲み込んでいきます!

「ゆっきゅり、のみこみゅ、よ、のみきょむ、
 くしゃっ、くしゃっ、あま、くさいのやだ、あみゃいのすき、
 くしゃいのにあみゃいよ、あみゃいいいにおいらよ、
 くしゃいのやら、れものんじゃう、のんじゃうううっ!」

 涙を流しながら、叫びながら、必死になって飲み込んでゆきます、ああ今口の端が
裂けました、たしかに丸めれば赤ゆっくりと大差ない大きさの靴下、けれど自分と同じ
サイズのものを飲み込めばどうなるか。

 ああ、みちみちと音を立てて、赤まりさのぽんぽんが裂けてゆきます、アンコが漏れます、
白い乳液に混じっていきます、なのにまりさは止めようとしない。

 麻痺させているのです、バニラエッセンスの極限の芳香とお砂糖の強烈な甘み、
そして牛乳の中に含まれている精神安定作用のある物質が、モルヒネのように
この赤まりさの痛覚を麻痺させているのです。

「しょっぱ、くさ、しょっぱいぃ、あまい、あまいよ、あまあまぁ!あまあまいっぱいぃ、
じあわぜぇええええええ!」

 あちらのまりさは、真夏の中で汗を吸い込んでは渇きを繰り返し、結果ホームレス
のごとき悪臭を放つようになった作業着の上下を飲み込んでしまいました。

 シャツを、パンツを。
 ああタオルやトイレの雑巾までもをどんどんと、舌で掻きこみ歯で加え、ただ
ひたすらにむさぼってゆきます。

 びしゃびしゃと牛乳の雫を跳ね上げながら、狂ったように───
 いえ、とっくに狂っているのでしょうな。
 バレーボールほどの大きさだったのに、今はまるで一抱えもあるバランスボールほど
にも膨れ上がって、むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!くさいくさいのにしあわせぇー!
に心から耽っておられるのですから。

 しあわせー、さえしてしまえば、食べたものを餡子化してしまうゆっくりのこと。
 もうあの産業廃棄物はきれいなきれいな餡子となってしまっているのでしょう。

 見る見るうちに服の山は消えていきます、どんどんゆっくりたちも膨らんでいきます、
けれど、皮はもうパンパンに膨れ上がってしまって、すでに内側の餡子が透けてしまって
いる始末。

 そして、とうとう一匹のまりさの後頭部に裂け目が生じてしまいました。
 何しろ牛乳の海に浸り通し、皮もふやけてもろくなるというもの。
 バましてレーボールサイズにバケツ二杯分もの衣服をとりこんでしまったのですから、
いかにソレが餡子に変じていようとも、既に身体は限界でしょうな。

 裂け目からはみぢみぢと餡子が漏れ出して、みるみるうちにまりさは萎んでゆきます。
 ああ、それなのに。それなのに、まりさは食べることをやめようとはしない。

「むーじゃ、むーじゃ、じあわぜぇ♪じあわぜぇ♪」

 壊れた蓄音機のように同じ言葉だけを響かせながら、失った分の餡子を補うように
衣服を取り込み、平らげ、餡子に変えてゆくことで、生をつないでいるのです・・・・・・

 おや、とうとう自分がもらした餡子を食べ始めてしまいました。
 自分の尾を食らう蛇のよう、滑稽きわまりありません。

 別のまりさたちはどうしているのでしょう───これはひどい。

「すごいあまあまみつけたよ!まりさのだよ、これぜんぶまりさのだよ、あげないよ、
だれにもあげないよぉおおおおおお!」

「やべでぇ!まりざちぎゃう、ちぎゃうよ、あんこすすらないで、やべでぇッ!!
 やぁ、おぼうじ、おぼうじむじゃむじゃじないで、いやあああああああああッ!!」

 もう服と姉妹の区別すらついていないご様子、姉が無心に妹の一匹をむしゃむしゃ
なさっておられます。

 まぁゆっくりの世界において同属食いはよくあること、めずらしくもございませんが。
 まったく、他にいくらでも食べ物はあるのに───おやおや。いつの間にか、皆さんすべてを
平らげたご様子。床まできれいに舐めあげて。

 おなかが裂けた赤まりさは、どうやら永遠にゆっくりしてしまったようで。
 後ろ頭が裂けたまりさは、なにやらソフトボール大にちぢんでしまっておられますな。やはり
ぴくりとも動きません。

 六匹もいたまりさたちも、今やたったの一匹だけ───妹のすべてを食べ終えて、なお
食事が足りないご様子。死んだ赤まりさのほうに、ずるずると這い寄っていくのが見えます。

 やはり、お帽子をかぶっておられませんな───きっと食べてしまったのでしょうね。
 身体はやはり膨張しきって、今にも皮は張り裂けそうですが───なんと、薄皮がだんだんと
その白さを増していくではありませんか。

 服や姉妹の身体を平らげて生成した栄養餡が、早くもまりさの皮膚を回復させ始めて
いるのです。
 生命力だけを取ればあらゆる生命の頂点と呼ばれるゆっくりならでは。
 もっとも、身体がどれほどゆっくりしていようが、心と身体は別問題。
 妹もお帽子も全部平らげた貴女が正気に返ってから果たしてゆっくりできるかどうか、
とても興味深いお話で。

 それではまりささん、お休みなさいませ・・・・・・




                                      おしまえ。












 夜が明けた。
 目が覚めて、思う。
 やりすぎた。仕事上がりの廃テンションとはいえ、流石にオーバードライブしすぎだ。
 昔からゆっくりを苛めると精神状態が何処までもエスカレートしちまい、最終的には
多重人格というか乖離障害というかを発症、得体の知れない紳士な人になっちまう
という悪い癖が俺にはあるのである。よく病院逝けといわれるのは何故だろう。

 まぁ、それはそれとして。

 散らかったもの全て失せ果てて、がらんどうになった部屋の中、ゆうゆう、とまりさが
一匹泣いていた。


「まりさのいもうと、どこ?
 おぼうし、どこ?
 ないよ、ないよ、どこにもないよ・・・・・・」

 おろおろとベッドの下を覗き込み、誰も居ないことに気づいて涙ぐんではまた別のところを
探している。
            • しかし、ホントにデカイ。
 例えるなら桜島大根かお化けかぼちゃか。
 一抱えもあるだろうコレの重さは、おそらく3~40キロはあるにちがいない。
            • どんだけ成長早いんだ。
 バニラか。バニラが悪かったのか。それともあまあまの過剰摂取か。
 ほんと、コレどうしよう。

 だいたい、泣きたいのはこっちのほうだ馬鹿野郎。
 着る服がないんだ。
 一切合財こいつらに根こそぎ食わせちまった。
 新しい服を買いにいくにも、全裸状態!じゃどうにもならん。

 トリップした勢いに任せて、ついつい暴走した結果がこれだよ!

「さみしいよ、おぼうしないのやだよ、どおして、どおしてなの?」

 そんな俺の苦悩をよそに、まりさは好き勝手泣いている。 
 トリップ状態で全部むしゃむしゃ幸せしちまったのはお前だろう。
 と、ようやくまりさが俺が目覚めたことに気づいたらしい。
 俺のほうに向き直ってくる。

「お、おにいさんはゆっくりできるひと?
 まりさのいもうと、しらない?」

 ・・・・・・参った。まるで初対面みたいな言い草じゃネエか。
 いや、こいつ、もしかして昨日の記憶が根こそぎ吹っ飛んでやがるのか。
 これが不都合なことを全て忘れる餡子脳の神秘というやつなのか。

「・・・・・・知らねーよ。
 外じゃねえのか?お外に行って探してみたらどうだ?」

 ひらひらと手を振ってやる。早くも俺はこいつとのやり取りに疲れ始めていた。
しかしまりさは、ゆぅと一声呻いてうな垂れた。

「おぼうしがないんだよ・・・・・・
 おぼうしないとゆっくりできないよ・・・・・・」

 まぁそりゃそうだろうとは思う。帽子がないゆっくりは、他のゆっくりに襲われる
定め。おいしいあまあまと見なされ、むーしゃむーしゃと食われてしまうケースも
あるとか。
 まぁ実際気持ちはわかるけどな。
 服のない俺が今の全裸モードでお外に出たらまず間違いなく警察さんの
御用になるのは明白だもんなぁ。

「でもお外に出ないと妹もお帽子も探せんぞ?
 この部屋にはなかったんだろう?」
「ゆぅ・・・・・・」
 そりゃそうなんだけど、と言いたげな顔つきで、まりさはあいかわらずうな垂れて
いる。実際俺もうな垂れたい。

 ふむ。だが、待てよ。こいつの大きさなら、もしかして・・・・・・

「いけるな」
「おにいさん?」

 まりさが小さく小首をかしげた。

「お帽子がないとゆっくりできない。だからお帽子をさがしたい。ついでに妹も探したい。
だがお帽子が無いと他のゆっくりに馬鹿にされる。だからお外に出られない。
 そうだな?」

「ゆん」

 ぺこり、とまりさが小さく頷いた。OK、なら行ける。

「よしお兄さんと一緒に行こう。
 お兄さんが、まりさのゆっくりぶりを他のゆっくりたちに説明してやる。

「ほんと、おにいさん!」

 おぼうしさがす、ゆっくりできる!と大喜びするまりさ。
 うむ。ならばよし。

「だがお兄さんには服がありません。
 なのでまりさはお兄さんのパンツになりなさい」

「    ゆ”   ?    」

 全く意味がわからない、という表情。
 まぁそれはそうだろう。なので、噛んで含めるように説明してやることにする。

「えー、あなたは昨日私のパンツを食べました。 
 お兄さんにはパンツがありません。
 パンツが無いとゆっくりできないのでまりさはお兄さんのパンツになりなさい。
 大丈夫です。 餡子さえ漏れなきゃイケるってどっかで誰かが言ってました」

 説明しながら、じわりじわりとまりさのほうに近づいていく俺。

 涙目になりながらじわりじわりと逃げていくまりさ。

「や、やめて、まりさぱんつさんじゃないよ、まりさはけないよ・・・」

「諦めんなよ・・・. 諦めんなよお前!! どうしてそこでやめるんだ、そこで!
もう少し頑張ってみろよ! ダメダメダメダメ諦めたら! 」

「だいじょうぶじゃないよぉおおおお!おにいざんばがなの!
 いやだもうがえるおうぢかえるぅ!」

「行ける行ける大丈夫大丈夫!
 ヤーウェーイ!男ならヤーウェーイ!」

 がしりと捕獲。
 ずぶりと頭につま先を差込み、そのまままりさの体内に足をめり込ませていく。

「んほぉ・・・・・・まりさの中あったかいナリ・・・・・」

 思わず漏れるうめき声。実際ぬくぬくでかなり気持ちいい。 
 付け心地というか着心地はバッチリ。
 さすが衣服数十着分のまりさ、穿き応えカンペキだッゼ!

「やべでぇぇええええ!!!いだいいいい!あだまふまないでぇ!
 あいぢゃう!まりさにあなあいじゃう!
 おながのながぎぼじわるぃ!ぼういやぁああああああああああああああああああ!!!!」

 わめくまりさを無視して腰の高さまで引き上げる。
 股間を尻をくるむ餡子の感触の心地よさと来た日には。
 これほどのフィット感ある下着を、俺は今まで付けたことない。

 いける。
 これはマジ新商品として行けるかもしれない。
 まぁデザインに改良の余地はあるかも知れないが。

 思えばこのまりさたちのおかげで臭かった服とか部屋とかも片付いた。
 うん、いい加減きれい好きになってもいいお年頃だ俺2x歳。

 新しいパンツをはいて新しい人生に踏み出そう。
 泣き喚くまりさを一切無視して、おれは枕元の財布を掴み、小躍りしながら玄関の外へ
走り出した。




『お昼のニュースです。

 今日午前11時、新日暮里駅前で半裸のまま痴漢行為を働いていた2x歳の
男性が逮捕されました。
 なおこの男性はゆっくりまりさを衣類として着用しており、警視庁の取調べに対し『せっかく
ゆっくりパンツを履いたのだから、ゆっくりパンツでガチムチレスリングをしてみたかった』と意味不明
の供述を繰り返しており、警視庁では男性に精神病歴がないかどうか調べを進める方針を……』

「ゆっくりしちゃったZE」
「ゆっくりしちゃったじゃないでしょぉおおおおおおおおお!?ゆっぐりでぎないぃいいい!」





                                    gdgdのまま今度こそ終われ










■あとがき



 素人が虐待SSに挑戦した結果がこれだよorz 

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最終更新:2022年05月19日 11:32